元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
残暑のラストスパート
2018/8/22(水)
皆さんこんにちは!遅れてきた残暑がラストスパートを迎えましたね。なんと台風がダブルで来ていることもあり、外は雨、雨、雨になり、もう恒例となった家の葉っぱ拾いや掃除を早めに済ましました。そんな台風に荒れる中、無事に甲子園が終了しましたね。関西勢の勢いがすごく、優勝したのは春夏連覇で大阪桐蔭でした。投打に活躍した根尾君を始め、全てにおいて別格だったと感じました。本当におめでとうございました。負けたとはいえ、金足農業も印象に残った大会でした。
それでは競馬の話に参りましょう。G1昇格の噂もある札幌記念が行われました。豪華なメンバーが揃う中、勝利をもぎ取ったのは福永君とサングレーザーでしたね。マルターズアポジーがハナを奪い、逃げ馬が多かったこともあり、入れ替わりが激しいレースになりました。それを見越したかのように勝ち馬はドシッと構えたことが勝因のひとつだったと思います。デビュー時は口を割るようにうるさいところを見せていた馬ですが、気性が落ち着き、距離も持つようになってきましたからね。鞍上もすでにこの馬をつかんでいますし、この後も楽しみになりました。
2着とはいえ、外々を回しながらG1級の相手にダービー馬の走りを見せてくれたマカヒキもまた、復活!と言っていいと思います。調教では弾むような走りが見られましたし、この先は距離を縮めても、面白いと思いますね。3着モズカッチャンも外枠で辛いレースとなりましたが、器用な立ち回りを見せ、更に牝馬では最先着と内容は非常に濃かったと思います。
今週の札幌ではWASJが行われます!世界の名手達が集まりますが、是非みんなでチームJAPANを応援しましょう!その他にもキーンランドC、新潟では新潟2歳Sが行われます。キーンランドCはムーンクエイクの適性からも重賞連勝か?となっています。札幌芝1200mは非常に難しく能力の他に4コーナーでのせめぎ合いと運が非常になるコースだけに、その日にツイてる騎手や厩舎にも注目してみてください!
新潟2歳Sはジョディーに注目しています。今回は武藤君の怪我により大舞台に強い池添君が選ばれていることからも期待したいです。その他にもアンブロークンや粘り腰に味のあるエルモンストロ、厩舎が引き継いできた血統ケイデンスコールや切れ味抜群エイシンゾーン、初重賞を鮫島君と狙うロードアクアも面白いと思います。残暑の追い込みを決めるのはどの馬か!残り少ない夏競馬!皆様もラストスパートでお願い致します。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。