元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
スイーツ男子
2019/11/27(水)
皆様、こんにちは!世間を賑わせたタピオカの話が最近すごく少なくなってきましたね。話題から普通の生活の一部へと変化してきたということでしょうか。実は、何十年も前からタピオカの存在は、息子が留学時代から教えてくれていたのをふと思い出しました。向こうではバブルというとかバボと呼んでいるとかで、アメリカにいた息子が「これは日本に絶対に持ってくるべきだ」と熱弁していたのが懐かしくなりました。
それではタピオカではなく美味しいマフィンの話を、いや、オイシン・マーフィー騎手の話に参りましょう。初めて外国産馬0の戦いとなったジャパンカップを勝利したのはマーフィー騎乗のスワーヴリチャードでした。同馬にとっては大阪杯以来の勝利となりましたね。今回、メンバーに天候や馬場、陣営がチークをつけ坂路調教に変えていたこと、更に鞍上がマーフィーになるということで、これは変わるんじゃないか。そして、勝つ気がすると思っていましたが、まさにその通りの結果になりましたね。
以前からスワーヴリチャードは、少しズルいところが出てきているなと感じていました。その上、少しトモが弱く見え、上ずったような走りになってしまっていました。しかし、そこをカバーするように坂路調教に変え、チークをつけることで集中力をあげる練習を重ねました。この陣営の思い切った判断こそが今回の勝因のひとつになると思います。しかし、調教スケジュールを含め、チークなども一度着けると外せないため、陣営としては決定するまでに葛藤があったと思います。しかし、この変化がまさに勝因でした。
そして、マーフィー騎手になったことも非常に大きな勝因だったと思います。馬場を見て、ある程度の位置を取る必要がありました。しかし、スタートがあまり上手くないスワーヴリチャードにとっては、後手を踏んだ後に少し出されるということは、掛かる可能性が非常に高くなります。ましてやチークをつけたことで、更に引っ掛かりやすくなるのは否めませんからね。しかし、英リーディングの実力は伊達ではありませんでした。怖がることなく馬にポジションを取らせると、ラチに添わせる形でレースを進めました。
迎えた勝負所では、早めに踏んだ方がいい!と思っている最中、スペースを見つけると怖がらず早めに踏むことを選びました。すると前をいく石橋君がモタれるのを直すために左ムチを打った瞬間、迷わず内へと突っ込みました。そこからはチークの効果からも気を抜くことなく最後まで走りきり、カレンブーケドールの追随を許さず、見事G1勝利を挙げました。このジャパンカップはまさに諦めない陣営の挑戦と騎乗のテクニックと度胸だったと思います。言葉を変えれば「美味しい」は「うまい」に言い換えられますが、まさに上手いマーフィー!と言ったところでしたね(笑)。
先週で東京・京都競馬の2019年が終了しました。今週からは中山・阪神・中京の開催に替わります。皆様、お間違えのないように。その中で、日曜日には中京競馬場でチャンピオンズCが行われます。何と言っても注目は栗 (クリ)ソベリルになりますね。3歳馬は昨年のルヴァンスレーヴのように普通56キロになるのですが、今回は規定のあやにより55キロで出られるあたりも更に背中を押されている一因だと思います。そこに待ったをかけたいのがゴールドドリームだと思います。実力はNo.1でしょうし、ここでは負けられないと言ったところだと思います。
実力をつけてきたオメガパフュームも注目です。前走では、左回りでももう少しで勝利というところまでの走りを見せてくれましたし、デットーリ騎乗でどう良くなるのか楽しみでなりません。その他にもチュウワウィザードも本格化してきていますからね。秋と言えば今週はマフィンでも、タピオカでもなく栗が好きな私。今週も大好きなスイーツで決まることを楽しみにしています。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。