元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
オロナミンC
2020/2/13(木)
皆様、こんにちは!まだまだコロナウィルスが広がり続け、毎日のニュースでもコロナコロナと流れています。本当に恐怖でしかありません。できることと言えば、あまり外に出ないこと、マスクをするなど予防をすることでしかありませんから。見えないものから追われる恐怖というのは本当に怖いです。皆様も、くれぐれもお気をつけてください。
さて、話は変わりますが、少し今日は調整ルームの話をしましょう。私の現役時代は、よく栗東トレーニングセンター近くにある調整ルームで体重を落としたり、調整していました。その際に毎回の楽しみがオロナミンCを飲むことでした。それは、ジョッキーあるあるなんですが、レースの合間にもオロナミンCを飲む騎手が非常に多く、みんな大好きすぎる飲み物なんです。そのため、栗東の調整ルームや各競馬場、競馬場の調整ルーム全てにオロナミンCが設置されているんですよ。もちろん、今の時代はレッドブルが増えてきているとも聞いていますが、ふとオロナミンCを見て、現役時代の汗取りをした後に、濡らす程度になめながら体重が戻らないように飲んでいたことを思い出しました。
それでは先週の競馬の話をしましょう。クラシックを占う一戦のきさらぎ賞ではシンザン記念で3着に入るも、8頭中7番人気に甘んじていたコルテジアが見事な勝利を挙げました。これでノースヒルズとしてはコントレイルに続いてクラシック路線を狙う馬がでてきたことになりますね。レースは豊ちゃんとギベルティが素晴らしいペースで逃げ、これは豊ちゃんで決まりかな?と言うくらい完璧なピッチだったと思います。その後ろにストーンリッジ、コルテジア、1番人気に推奨されたアルジャンナがつける配列となりました。この時点で、前の馬で決まるなと感じました。
迎えた4コーナーではギベルティが下がる中、内で脚をためたコルテジアと絶好調の松山君がストーンリッジに並びかけるとクビ差を凌ぎ2020年重賞3勝目を挙げました。今年の松山君は例年に比べ、体幹がよくなってきたように見えます。その上で、いつでも諦めない姿勢や喋っている姿からは想像できない程の負けず嫌いな一面がプラスに働いているように感じます。それが今年の結果につながっているのだと思います。2着にはストーンリッジが入りましたが、こちらはまだまだ難しいところがある馬ですね。兄弟もそうでしたが気性面との戦いになるかもしれません。
3着には1番人気に推奨されたアルジャンナが入りました。こちらは展開もありますが、少し期待外れなところがあったのも事実です。上がりの脚を使ってはいるものの、このメンバーでは展開云々なく勝ち切ってくれないとクラシックを狙うというところでは苦しくなりますからね。期待していたグランレイは今回のレースで路線をマイルに絞っていくのだろうと思っています。コントレイルを中心に考えると、この組はパンチが弱めだったなというのが正直な感想です。
そんなクラシックを狙う馬たちが続々と出馬してきます。東京では日曜日に共同通信杯が行われ、大注目のマイラプソディが出馬してきます。スケール感は本当に大きなものがあり、豊ちゃんとキーファーズのコンビとして最高傑作ではないかとすら思っています。サトノクラウンの弟フィリオアレグロも兄に続けと出走してきます。この血統は本当に素晴らしい馬体をしているだけに楽しみに見ています。その他にも地方から参戦のエンがどこまで通用するのか見ごたえが大きいレースとなっています。
そして、京都では京都記念が行われます。こちらでは4歳牝馬のクロノジェネシス、カレンブーケドールの熱い戦いがクラシックから引き続き行われます。前回の走りからも本当に楽しみな2頭だけに目が離せない一戦になります。競馬場に起こしの際は、マスクをして、オロナミンCを持ってきてくださいね!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。