元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
続くラブラブラヴ
2020/7/14(火)
皆様、こんにちは!今年も毎年恒例となっているセレクトセールが行われましたね。話題になったのは、ショウナンでおなじみの国本さんが購入した5億円ホースではないでしょうか。しかし、今年のセールは例年よりも、やはりコロナの影響なのか控えめな内容になった気がしています。狙い撃ちの購入はあれど、たくさん頭数を買う方が少なかった気がします。もちろん、金子オーナーや麻布商事さんなどは多く買っていましたけどね。果たして、この中から未来のG1ホースが生まれるか、非常に楽しみではあります。個人的にはサトノダイヤモンド産駒の走りを楽しみにしています。
話は変わり、先日テレビで懐かしい愛してると言ってくれというドラマの再放送をチラっと見かけました。豊川悦司さん主演のドラマだったのですが、いまだに覚えているものですね。そして、その中から流れてきたドリカムのLOVELOVELOVEを口ずさみましたよ。そんな先週の競馬も、2週前からに続きラブラブラヴとなりました。
七夕賞では内田君騎乗のクレッシェンドラヴが福島記念に続く、福島競馬場での重賞制覇となりました。内田君にとっては2週連続の重賞制覇となり、本当にめでたい勝利となりました。当日は雨の影響でひどい馬場になってしまう中、道中は中団より後ろに構えるも、今までコンビを組んできた信頼と返し馬で道悪をこなせることを内田君は把握したと思います。迎えた4コーナーでは、馬場のいい外を多くの馬が選ぶ中、1頭、空いた内のスペースを見逃すことなく追い出すと、一気に交わし切り勝利しました。
道中の運びも、信頼があったからこそのポジショニングでしたし、まさに今回はチームワークが生んだ勝利だったと思います。昨今ではすぐに乗り替わりが行われる中、このコンビを気長に組むことを許してきたオーナーや陣営の判断も間違いではなかったと証明できて良かったと思います。
2着には私のイチ押しさせてもらった7番人気のブラヴァスが入りました。今回は好条件とはいかない中での競馬でしたし、それを考えると非常によくできた結果だったと思います。3着には福島で4勝を挙げているヴァンケドミンゴが入り、まさに福島巧者、イチ押し注目馬、福島巧者の決着になりましたね。やはり普通に見えて難しい小回りと馬場を攻略できないと、なかなか福島は難しいんだなと改めて思わされた結果でした。
ここ2週ラブラブラヴと続いたため、次のサインを探しながら今週の競馬に注目していきましょう!まず土曜日には今年の2歳の初重賞、函館2歳Sが行われます。注目はデビュー戦で圧勝したモンファボリになるんでしょうね。フランケル産駒だけに2戦目は折り合いが気になるところではありますが、力は抜けているのではと思っています。
その他にはトレンドでラヴケリーに注目が集まるかもしれません。悔しい思いをした団野君が騎乗できるみたいですし、ここで奮起して一発というのも夢があるのではないでしょうか。出馬してくるのであれば連闘になりますが、カイザーノヴァの走りは気になりますね。あとはグレイトミッションと野中君の穴馬券にも期待したいです。
そして、日曜日には阪神競馬場で中京記念が不思議にも行われます。51キロの軽ハンデを活かすことができるのかギルデッドミラーやプリンスリターンに注目しつつ見てみたいと思います。そして、函館開催を締めくくる函館記念ではトーラスジェミニがまたやってくれるのでは?と木幡育君の初重賞とドンアルゴスの軽量を活かした走りを楽しみにしたいと思います。今週は荒れる予感がしてきたので、是非、皆様も勝負がかった馬券でお楽しみください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。