元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
競馬選挙
2020/9/16(水)
皆様、こんにちは!安倍首相が退任し、後任に菅さんが新たな代表として選出されました。平成から令和と日本を支えてきた安倍さんからのバトンは非常に重いものになるでしょうが、どういった国にしていってくれるのか楽しみでもあります。しかし、ルールとはいえ、代表を選ぶ場合でも国民選挙が面白いのになと思ってしまいますね。
今の票はどこか団体票が多いように思いますし、革命を起こすためには今まで培ってきた団体票を覆す必要があります。どこかで一回リセットし、本当に自分が思う人への投票というのを見てみたいとも思います。まだまだコロナの影響があり、給付金詐欺やなりすまし振込など暗い話題の中で、人の嫌な部分が表に出る事件が続きます。オリンピックなどの話題で国全体が明るくなることを願っています。
それでは競馬の話にいきましょう。先週から中山・中京での開催となり、土日で3つの重賞競走が行われました。その中でも圧巻だったのが、秋のスプリンターズSを目指す馬が多く出馬してきたセントウルSだったと思います。今年はスケジュールの関係で阪神ではなく中京で行われましたが、1番人気のダノンスマッシュが見事な勝利を挙げました。これが6つ目の重賞制覇も、中京では初めてとなりました。今まで中京はどこか苦手なのかなという印象を持っていましたが、これでそのイメージを払拭できたのは非常に大きなことだと思います。
なおかつ、前2戦はハナを奪うような形を取っていたのに対し、今回は控える競馬で勝てたことは価値があったと思います。特に際立ったポイントは鞍上の三浦君がスタート後からすぐに折り合わせポジションを決めた瞬間でした。あそこで非常に馬とのコンタクトが上手くいっているなと思わされました。そこからは横綱相撲でしたが、得るものが多かった勝利だったと思いますね。
2着には距離をスプリントに変更して溜める競馬をしたメイショウグロッケが入りました。こちらも浜中君らしい、腹を括った騎乗で新たな新味を出したレースだったなと感じました。3着にはミスターメロディが入りました。こちらのポジションはダノンスマッシュと変わらずも、良くもなく悪くもないレースとなってしまい、あくまで前哨戦だった気がします。次が本番という狙いが藤原厩舎だけにあったと思っています。ここからどれくらい良くなるのか楽しみではありますね。今年のスプリンターズSにはタワーオブロンドンが出走しないとのことで、この3頭に関しても次が非常に楽しみです。
しかし、勝利したダノンスマッシュの鞍上が三浦君から川田君へ替わると発表がありました。こちらは寂しい話だなと感じてしまいました。もちろん実力社会で、馬主様との関係もあって乗り替わりは多くなっていますが、三浦君も非常に上手く乗りましたし、先のことを考えた競馬をしていました。彼は中山でも馬が集まるであろう中で、心を決めて中京まで乗りにきて結果を出しました。G1でも乗せてあげてほしかったなと非常に残念に思います。選挙で騎手を決めるということはできませんし、仕方ないことではありますけどね。
今週も中山・中京の開催になり、秋の3冠レース最後の秋華賞と菊花賞トライアルになるローズSとセントライト記念が行われます。今週は3日間開催になりますので、お気をつけくださいね!牝馬クラシックはデアリングタクト、牡馬クラシックはコントレイル中心という中で、この2大巨頭を倒すためにライバルがどれだけ成長してきたか楽しみな一戦になると思います。
ローズSはデゼルに注目したいですね。まだまだ子供だった部分が順調に成長していれば女王を脅かす存在になるのでは?と期待しています。その他では同じ勝負服のリリーピュアハートにも期待したいですね。抽選とはいえオークスでは躓くアクシデントの中、才能を見せてくれましたし、中京コースの福永君は世界で一番といえる騎乗を見せてくれますからね。そこにフアナやアブレイズなどの伏兵たちがどう挑むのかにも注目しています。
ローズSは日曜日中京で、セントライト記念は月曜日中山で!皆様、投票日はお間違えなく!勝馬選挙は信じた馬に投票して勝利を!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。