元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
リ ベ ン ジ
2022/6/23(木)
皆様、こんにちは!先日、ずっと応募を続けている景品でジャスト賞というものが当たりました。応募し続けて10年以上になりますが、年6回ほどの応募で初めて高額賞品をゲットしました。当たったのはセレクトブック。ずっと自転車が欲しいと思っていたものの、危ないからと買ってもらえなかったのですが、そのブックの中に自転車がありとうとう手にすることができました!到着してすぐに組み立てを行い、試運転をしました。何年ぶりかに乗った自転車は楽しかったですよ。途中では秋山真一郎君のお父さんに会い「自転車より歩いてダイエットしなよー」と言われてしまいましたが(笑)。皆様が万馬券を当てる感覚ってこういうことなんだなと改めて、嬉しくなりました。
それでは競馬の話に行きましょう。先週は阪神でマーメイドS、東京では出世レースのユニコーンSが行われました。ユニコーンSにはとりわけ注目していましたが、勝利したのはペイシャエスと菅原明君のコンビでした。前走は少し早めに抜け出したため、馬が遊んでしまったところがありましたが、それだけ手応えがあったのだと思います。特徴を今回は鞍上が把握し、追い出すタイミングを少し待つ形で対応させたことが勝因だったと思います。彼にとっては3つ目の重賞制覇となり、本当に嬉しい勝利だったと思います。見事、力を見せつけリベンジに成功したレースでした。
2着には海外帰りのビックアーサーの弟セキフウが入りました。こちらは内をスルスルと抜けあと少しと迫りましたが、残念ながら届きませんでした。惜しむらくはスタートだったのではないでしょうか。芝スタートが久々だったとはいえ、スタートで後手を踏んでしまったがためにできるレースの選択肢が減り、結果内が空くという展開だっただけに悔やまれます。力はあるだけに、展開に左右されないレースを覚えてもらいたいなと思いました。期待していたハセドンは、まだ緩いところがありそうでしたね。しかし、陣営も長い目で見ているようでしたので、まだまだこれから期待できそうですし、将来的にはこちらが上になってくる気もしています。
1番人気に選ばれたリメイクに関しては今回もいい走りをしていましたが、残り100mでバッタリと止まったあたりからも距離だと思います。しかし、これから陣営が長めに乗る調教やハミの掛け方を調整していくことで1600mにも対応できるようになるではないでしょうか。勿論、簡単なことではありませんが、福永君のコメントにもあった「上手く育てていきたい」という言葉は自分と陣営で馬を変えられる自信と技術があるということだと思いますし、リベンジに期待したいです。
今週は春から続いたG1レース前半の締めくくりに宝塚記念が行われますが、悩ましいレースになりそう。本来の力ならばエフフォーリアが1番人気に選ばれると思いますが、どうやら調教でもパっとしないコメントが出されていますし、ブリンカーを着用してきたあたりからも、馬の気持ちが少し途切れているのかもしれません。しかし、その効果で変わってくるかもしれないので、楽しみにはしています。
タイトルホルダーにとっては父の無念を晴らすレースになるのではないでしょうか。ドゥラメンテ最後のレースは宝塚記念でした。そのリベンジを父が出ることもできなかった菊花賞を勝った孝行息子が、リベンジをしにくるのではと思っています。ディープボンドやデアリングタクトの反撃も見逃せません。そして、個人的にはアリーヴォとパンサラッサが気になっています。先週は再開幕の馬場で前が止まりませんでしたが、本番はどんな馬場になっているか次第ではあるとも思いますが。諦めずに当たった私の自転車のように、皆さんも諦めずに万馬券を狙ってくださいね!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。