
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
Say 7(月)
2022/7/5(火)
皆様、こんにちは!世間ではKDDIの通信障害にて大きな被害が出ています。待ち合わせをしていた人達と会えなくなってしまったり、お医者さんに連絡がつかなかったりと、携帯電話が当たり前になっているがために被害が大きくなってしまいました。国は災害時における無料Wi-Fiというものを日本全土に持っていると聞いたことがありますが、なぜこのような時に無料Wi-Fiを活用しないのだろうかと思いました。KDDIに一時的に貸し出すこともできたのではないでしょうか。時代が進めば当たり前も変わり、合わせた動きをしないことには日本の価値は上がることなく円安も続くのではないでしょうか。時代の流れは止まってくれません。

競馬の時代も止まることなく進んでいます。その象徴となるように女性騎手が活躍するニュースが世界から聞こえてきます。今の時代では女性だからということがナンセンスと思っていますが、日本では今村聖奈騎手が大きな勝利を挙げました。レース前から馬場、開幕週、軽ハンデとチャンスがあると書いていましたが、まさにその通りの競馬でテイエムスパーダと共に小倉競馬場で行われたCBC賞を制しました。
レースはスタートで促しつつテイエムスパーダが飛び出すと、外のスティクスは控える形となりアネゴハダが3番手につけました。1コーナーの入りから少し行かせすぎかとも思いましたが、早すぎるペースもハンデと馬の力で突き放しました。新人かつ初の重賞で、このようなレースができるのはびっくりしました。
前回コラムである程度速くても止まらない馬場と書きましたが、それでも今回のペースで引き離したというのは本当に素晴らしかったです。レース後の「走るのは馬なのでいつも通りでした」というコメントは本当に新人か?と思うほどでしたね。その他にも「一生超えられない存在がお父さん」というコメントを聞きましたが、今村康君のことを考えると涙が出ました。
2着には勝ち馬とハンデ9キロ差があった川田君騎乗のタイセイビジョンが入りましたが、さすが小倉の川田!と言わんばかりに素晴らしい騎乗だったと思います。特に4コーナーの入り方から小回りを熟知したハンドリングは勝ちにも等しいほどでした。見応えのあるCBC賞で、夏の熱いレースを見させていただきました。
※テイエムスパーダ担当の牧野君!おめでとう!!!!

熱い暑いレースは今週も続きます。七夕週ということで福島では七夕賞、小倉ではプロキオンSが行われます。どちらも当たれば大きなオッズになることを期待していいと思います。とりわけ七夕賞のアンティシペイトに注目が集まるのではないでしょうか。鞍上の武藤君にとってはJRA初重賞制覇のチャンスだけにここで掴んでほしいと思います。守らず、攻めることを忘れずに!宝塚記念に入らず回ってきたヒートオンビート陣営も負けられないと思っているはず。この2頭の戦いに、伏兵達がどう立ち向かっていくのかという展開になると予想しています。
福島でこそ本領を発揮するヴァンケドミンゴは今年もホームのような走りを見せてくれるのか、レッドジェネシスやショウナンバルディと気を抜いたらやってくる馬券の常連たちも含め、難しいレースになると思います。短冊に願いを込めて、大当たり馬券を手に入れてください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。