![松田幸春](/img/column/judge/tit_judge.jpg?=v1)
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
梅雨明け?
2022/7/20(水)
皆様、こんにちは!先日、栗東市では記録的な大雨が降りました。川の流れも速くなり、家にいてもごうごうと音が聞こえるような雨で少し怖くなるほどでしたよ。梅雨明けのニュースから、逆に梅雨よりも降る異常気象にどうなっているのかと心配になりますが、暑さが少しマシになることはこの年齢になるとありがたいところでもあります。世間では小学生が夏休みへと入りました。我がにも孫が早速泊まりに来ることになりました。習い事などが増え、なかなか忙しい最近の小学生ですが、一緒にお風呂に入るのを楽しみにしています。
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さて、競馬に夏休みはありません!先週で2022年最後となった函館競馬場では函館記念が行われました。函館でも大雨の影響により馬場が荒れ、馬場適性が非常に大事なレースとなってしまいました。その中で馬場適性が1番だったマイネルウィルトスが1番人気に推奨されました。この横並びのメンバーの中では適性を考えても確勝かなと戦前は見ていましたが、まさかの出遅れでレースは開始しました。それを横目にレッドライデンがレースを作る形となりジェネラーレウーノが続く展開に。迎えた4コーナーでは一気にポジションを上げてきたハヤヤッコが一気に突き放し、芝でも重賞制覇を果たしました。
鞍上の浜中君は川田君に次ぐ2022年JRA重賞5つ目の勝利となり、存在感をアピールできたと思います。特に今回はダートを走っていた時、豊ちゃんが中山で勝ったスムーズなレースに似ていたため、ハヤヤッコも最高のエスコートを受けたと思います。馬場が荒れ、特殊な馬場になっていたこともダートを走っていた同馬にとってはプラスに働いたと思います。強い相手と戦い続け、力をつけてきたタイミングで陣営の目論見通りになりました。
2着には陣営の目論見と相反するレースとなってしまったマイネルウィルトスが入りました。こちらは出遅れをカバーするべくマクりながら上がっていきましたが、小回りであのレースをすることは非常に難しいと思います。もう少しスムーズな競馬ができていれば結果は変わっていたかもしれません。期待していたアラタは全く馬場に適応できないまま終わってしまったような印象でした。しかし、これで人気を落とすのであれば次は狙い目だと思います。こういった馬場がひどく荒れたレースは力負けでない馬も多いため、馬場影響という印を競馬新聞などにつけてもらえるとファンの皆様も狙いやすいなと今回のレースを見て改めて思いました。
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函館が終わり、今週は札幌・福島・小倉の3場開催になります。そんな中、スケジュールの変更により小倉競馬場で中京記念が行われます。距離も1600mではなく1800mで行われますのでご注意ください。1番人気には56キロの斤量になったファルコニアが選ばれると思います。角居厩舎にいる時から、後々に良くなると思っていましたが、そろそろ決めたいところではないでしょうか。そこに待ったをかけたいのが重賞勝ち馬ミスニューヨークです。夏は牝馬!という格言がある通り、54キロと恵まれた斤量もチャンスのひとつになっていると思います。
その他にもヴァリアメンテは姉に続く勝利を狙いたいでしょうし、そのアンドラステにも騎乗していた岩田望君にとっては姉と果たせなかった重賞制覇を弟でという思いもあるはず。そこに私が気になっているコルテジアなどもおり、最近の天気と同様、荒れるレースになるのではないかと予想しています。天気も競馬も荒れ模様!さぁ、競馬だけでも当てて梅雨明けといきましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。