元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
お馬さん達のオシャレ
2012/4/26(木)
先週は春雨が百穀を潤すという、嵐のような穀雨が振りましたね。この季節のお湿りの事を万物生といって、生きとし生けるものに精気を満たしてくれるのだそうですよ。そして、暴風雨が過ぎると、なかなか花を咲かすことのなかった桜が咲いて、あっという間に春を飛び越えたかと思うくらい暑い季節になりました。自宅付近の景色も桜色から色を変え、田んぼには水が引かれ、カエルの合唱が始まりました。カエルが鳴き始めると言うことは、あちこちで田植えが行われ、また新しい命が田の上で生まれるのだと思わされます。
そんな田植えの季節に、日本騎手クラブ主催の福島復興記念植樹を6年ぶりに福島に参戦した武豊騎手が日本騎手クラブ会長として桜の苗木を植樹しました。彼のような有名な騎手の参戦には、人々も勇気づけられたことだろうと思います。そしていつか、この桜が大きく咲き、福島や東北が復興し綺麗な桜の元でG1が行われ、売上を寄付するようなレースがいつか決行されることを夢見ております。
さて先週は、京都・東京競馬場でG2競走が行われました。どちらも強い内容で、まずマイラーズCはディフェンディングチャンピオンのシルポートが場所は違えど、昨年の再現で圧勝しました。小牧騎手との相性も抜群で、好スタートから予定通りハナをきると他馬に競りかけられる事もなく、楽に4コーナーを回って後続を引き離し、これで安田記念へ向けて準備が整ったと思います。またフローラSではミッドサマーフェアが圧巻のレースで、樫の権利を手中に収めました。前走の君子蘭も強い内容でしたが、改めて強いと感じさせられました。
さて今週は八大競争の一つ、近代競馬150周年記念、天皇賞(春)が行われます。誰もがオルフェーヴルの5冠が確実だと思っているでしょうね。私もやはり皆様と同様、このレースはオルフェーヴルと謙一君の戦いになると感じています。どれだけ道中で馬と会話し、辛抱させるかの折り合い面がカギになり、そこさえクリアできる事ができれば、5冠の達成を見ることができると思います。是非、前回と同じ過ちを繰り返さず勝利して、凱旋門賞へと向かってもらいたいです。
そして、このレースで次点を選ぶとするなら、阪神大賞典を勝ったギュスターヴクライと3着だったナムラクレセントになると思います。前走での経験を活かして、レース展開次第ではオルフェーヴルにひと泡くわせることができる存在だと思っております。そして、穴馬としては野中厩舎のトウカイトリックの一発を期待したいですね!中年オヤジの夢を乗せて頑張ってもらいたいです。
また、日本から少し離れた香港シャティン競馬場ではクイーンエリザベスⅡ世Cに日本を代表してルーラーシップが出走します。昨年の優勝馬アンビシャスドラゴンが回避したことでチャンスが回って来ましたね。ただ、世界は広いです。アイルランドのА.オブライエン厩舎や香港の強力馬など強豪が揃いますので、その中で遅れてきた大器を見せつけてほしいです。
今回の競馬知識はお馬さん達のオシャレについて触れてみたいと思います。
よく皆さんも、たて髪を編んでもらった馬や、リボン飾りをしている馬をパドックで見ると思います。そして極たまに、お尻のあたりにマーカーと言われる市松やひし形の模様をつけている馬をご覧になったことはありませんか?海外ではポピュラーなのですが、日本ではまだまだ浸透していないんですよ。マーカーを行うにはテンプレートという道具を使用して、日本では未発売の水を含ませて専用スポンジを使います。
① マーカーする箇所を綺麗にブラッシングする
② テンプレートをあて、専用スポンジを毛並と逆の方向に滑らせる
③ 乾いてくると柄が浮き上がってくる
※角居厩舎のプレリアル号に協力してもらいました
このように、競走には直接関係はないですが、馬達も人と同じようにオシャレをしているんですよ!是非、福島で出走予定のオシャレな馬(プレリアル)を見つけて応援してください!!
そんな田植えの季節に、日本騎手クラブ主催の福島復興記念植樹を6年ぶりに福島に参戦した武豊騎手が日本騎手クラブ会長として桜の苗木を植樹しました。彼のような有名な騎手の参戦には、人々も勇気づけられたことだろうと思います。そしていつか、この桜が大きく咲き、福島や東北が復興し綺麗な桜の元でG1が行われ、売上を寄付するようなレースがいつか決行されることを夢見ております。
さて先週は、京都・東京競馬場でG2競走が行われました。どちらも強い内容で、まずマイラーズCはディフェンディングチャンピオンのシルポートが場所は違えど、昨年の再現で圧勝しました。小牧騎手との相性も抜群で、好スタートから予定通りハナをきると他馬に競りかけられる事もなく、楽に4コーナーを回って後続を引き離し、これで安田記念へ向けて準備が整ったと思います。またフローラSではミッドサマーフェアが圧巻のレースで、樫の権利を手中に収めました。前走の君子蘭も強い内容でしたが、改めて強いと感じさせられました。
さて今週は八大競争の一つ、近代競馬150周年記念、天皇賞(春)が行われます。誰もがオルフェーヴルの5冠が確実だと思っているでしょうね。私もやはり皆様と同様、このレースはオルフェーヴルと謙一君の戦いになると感じています。どれだけ道中で馬と会話し、辛抱させるかの折り合い面がカギになり、そこさえクリアできる事ができれば、5冠の達成を見ることができると思います。是非、前回と同じ過ちを繰り返さず勝利して、凱旋門賞へと向かってもらいたいです。
そして、このレースで次点を選ぶとするなら、阪神大賞典を勝ったギュスターヴクライと3着だったナムラクレセントになると思います。前走での経験を活かして、レース展開次第ではオルフェーヴルにひと泡くわせることができる存在だと思っております。そして、穴馬としては野中厩舎のトウカイトリックの一発を期待したいですね!中年オヤジの夢を乗せて頑張ってもらいたいです。
また、日本から少し離れた香港シャティン競馬場ではクイーンエリザベスⅡ世Cに日本を代表してルーラーシップが出走します。昨年の優勝馬アンビシャスドラゴンが回避したことでチャンスが回って来ましたね。ただ、世界は広いです。アイルランドのА.オブライエン厩舎や香港の強力馬など強豪が揃いますので、その中で遅れてきた大器を見せつけてほしいです。
今回の競馬知識はお馬さん達のオシャレについて触れてみたいと思います。
よく皆さんも、たて髪を編んでもらった馬や、リボン飾りをしている馬をパドックで見ると思います。そして極たまに、お尻のあたりにマーカーと言われる市松やひし形の模様をつけている馬をご覧になったことはありませんか?海外ではポピュラーなのですが、日本ではまだまだ浸透していないんですよ。マーカーを行うにはテンプレートという道具を使用して、日本では未発売の水を含ませて専用スポンジを使います。
① マーカーする箇所を綺麗にブラッシングする
② テンプレートをあて、専用スポンジを毛並と逆の方向に滑らせる
③ 乾いてくると柄が浮き上がってくる
※角居厩舎のプレリアル号に協力してもらいました
このように、競走には直接関係はないですが、馬達も人と同じようにオシャレをしているんですよ!是非、福島で出走予定のオシャレな馬(プレリアル)を見つけて応援してください!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。