元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
中京マスター
2023/7/6(木)
皆様、こんにちは!猛暑日が続いていますが元気にしていますか?私はというと元気元気で、毎年楽しみにしているケンタッキーのレッドホットチキンのCMを見て、やっと出たか!とウキウキしています。あの辛さが病みつきになるんですよ。小さな幸せを毎年のように見つけ、迎えることができる。これが本当の喜びなのかもしれません。
先週は中京でCBC賞が行われ、団野君騎乗のジャスパークローネが見事な逃げ切りで勝利を挙げました。推奨穴馬とするのか最後まで悩んでいた馬だけに私としては悔しさも残りました。しかし、団野君は中京での活躍が目立ちます。全6勝の重賞のうち4つが中京ですからね。彼の良さは思い切りにあると思うのですが、やりきってダメなら仕方ないと腹をくくれる分と広いコースが得意なのかもしれません。馬としてもマイペースで逃げることができたことが勝因だと思います。しかし、ここまで簡単に競馬もさせてもらえないだけに次のチョイスは難しくなったなという印象です。
2着にはサンキューユウガが入りました。こちらは戦前から調子がイイと聞いていた馬でしたが、まさかここまで来るとは驚きでした。松山君は去年より勢いが落ちてきていますが、それでもここまで勝っているあたりは流石だなと思います。ひとつ彼の変化としては、以前の騎乗で褒めたヒザの使い方が変わってきてしまっています。彼なりの試しになるのでしょうが、長い脚をヒザで推進力をつける方が合っていると思います。ヒザの使い方が素晴らしい時は勝ちまくっていましたからね。
3着にはスマートクラージュが入りました。団野君の同期で、中京が得意な岩田望君の騎乗でした。朝から1,2着を連発していたことから彼もまた中京マスターです。若武者の中京マスターたちはこの後も注目が必要ですよ!1番人気に推されながらも負けたマッドクールは斤量も響いた印象でした。前残りの馬場に中京特有の少し重いターフ、重い斤量となれば克服は難しかったかなという印象。見た目のスピード能力としてもここは合わないスケジュールだったという結果でした。
今週も夏競馬!終わればセレクトセールが北海道で開催されます!今年はどんな高馬が出るのかも楽しみにしながら、まずは重賞観戦と行きましょう。今週は福島で七夕賞、中京ではプロキオンSが行われます。特に注目はプロキオンSになります。その中でもリメイクの成長に期待しています。前走は出遅れからの世界有数レベルでの5着で、日本のこのレベルの馬達には負けられない戦いだと思っているはずです。川田君がここ3週ほど体に疲れがでているのか、いつもの自信満々の騎乗から迷いが見える騎乗になっていることが気になりますが、それでも日本一の騎手の華麗な勝利を期待してしまいます。
そこに待ったをかけたいのがタガノビューティーやドンフランキー。とりわけ前者は雄大な馬体を活かし、ペースが向けば面白い一頭ではないでしょうか。その他にもシャマルの復活や母サンビスタに続く中京での重賞制覇を狙うジレトールも面白そうです。ちなみに中京競馬場では記念オリジナルビールを発売しているようですので、是非現地で入手してください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。