元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
A/R/E
2023/9/14(木)
皆様、こんにちは!プロ野球で我が巨人軍は残念ながら優勝には届きそうもなく、早くて今日(木曜)、阪神のAREが達成されそうです。昔ほど力を入れて観ることはありませんが、悔しい気持ちをなんとか来年こそはと切り替え始めています。巨人軍には意味のある負けにするために頑張ってもらいたいです。
意味ある負けとは競馬にも言えます。日本ではなぜか2着ばかりで勝ち切れず、悔しい思いをしていたクラウンプライドが今までの敗戦を吹き飛ばし、新時代の幕開けを感じさせる勝利をコリアカップで挙げてくれました。メンバーとしては今まで戦ってきた相手よりも弱くなっていましたが、あの圧勝は並の馬では不可能です。勝つことに気持ちよさを馬が覚えてくれたら、次のレースでもと期待してしまいます。
コリアスプリントでもリメイクが重賞連勝の形で勝利してくれました。向正面では狭くなるところもありましたが、そこを上手く乗りこなし、リズムよく運んでくれた川田君の技がそこにあったと思います。我が家でも両馬ともにレース前から人間が引っかかるほど前のめりに応援の準備をし、レースでは冷静に見れば圧勝しているのに、ゴールまで大きな声でいけー!止まるな!勝て!と応援していました(笑)。孫も現地まで応援にいっており、勝利する姿を目の前で観れたことが本当に良かったなと思うAREでした。
日本では阪神競馬場でセントウルSが行われ、テイエムスパーダが見事な勝利を挙げました。富田君にとっては初重賞となり、しかも師匠の木原先生の管理馬ということで嬉しさが何倍にもなったことでしょう。札幌の重賞でも1番人気馬に乗りつつ、どこか縮こまってしまった富田君でしたが、今回は人気もなかったことから彼らしい思い切りがそこにありました。木原先生も残り少ない調教師生活の中で、弟子と重賞を勝利し、ましてやG1へ挑めることは感慨深いと思います。G1でも思い切りのいいレースをしてほしいなと思います。
テイエムスパーダにとって前回は超軽量での逃げ切りだっただけに、その後のレースからもフロックだったのかと思われていたかもしれません。しかし、彼らしい運びをすることができれば、まだまだチャンスがあることを見せたレースだったと思います。前半33秒台で逃げて、終いもあれだけ脚を使えば追いつける馬はいませんからね。あとはそのレースができるかは一頭で走るわけではないので、運にもよると思います。しかし、師弟コンビの素晴らしい重賞АREは素晴らしい感動をくれました。改めておめでとうございます!
今週は3日間競馬になります。皆さん、楽しみが多い週ですから資金にお気をつけてくださいね(笑)。土曜に阪神ジャンプS、日曜にローズS、月曜にセントライト記念と秋のクラシックに向けた馬達が沢山でてきます。そんな中でも注目しているのはセントライト記念になります。ある意味、皐月賞級に豪華なメンバーが揃ったと思っています。その皐月賞を制したソールオリエンスにとっては負けられない一戦になることでしょう。ダービーでは悔しい敗戦も、夏の休みでどこまで成長しているのか非常に楽しみです。
そこに夏競馬で結果を出してきたレーベンスティールがどこまで通用するのかに注目しています。体が成長していればまだまだ上積みがありそうなシャザーンやキングズレイン、自分の形に持ち込めば面白いウィズユアドリームなどもいます。菊花賞だけでなく、天皇賞(秋)に向かうメンバーもいるだけに、ここは面白い戦いになると思います。是非、皆様も勝ち馬馬券を持ってAREしてください!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。