元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
よいお年を!
2023/12/21(木)
皆様、こんにちは!とうとうJRAの開催も残るところ3日間となりました。忘れられないレースはできたでしょうか?心に残るレースが多く、本当に素晴らしい年だったなと思います。唯一残念だったなと感じるのはCMですかね…。いつも同じ曲で面白くないCMだったなと。この2年は次こそよくなるかな、JRAの魅力を伝えてくれるかなと楽しみにしていましたが変わりませんでした。来年こそは面白いCMを期待しています。
先週土曜は中山でヤングジョッキーシリーズファイナルが行われ、横山琉君が優勝を果たしました。ここ数年でグっと力をつけてきたジョッキーでしたし、納得の優勝だったと思います。応援しまくっていた田口君は2位という結果になりました。当たったクジ運を考えると立派な結果だったと同時に1年目から割り込むほど上手くなっていると感じました。特にナミブ騎乗の際の4コーナーでの一息の置き方は新人ではありえないほど落ち着いていました。次世代を支える騎手になってもらえたらいいなと思っています。出場した全てのヤングジョッキーたちお疲れさまでした。
そんな熱い戦いの後の日曜に朝日杯フューチュリティSが行われ、ジャンタルマンタルと川田君が勝利しました。このレースでは川田君の判断力が生きたポイントがありました。スタートからポジションを取り、おさめたあとの4コーナーの手前。前にはルメールがいてそのまま持っておきたいところでしたが、そこで前に出さないとコースが無くなると思って見ていると、ベストのタイミングで川田君は内からポジションを取りに馬を動かしました。これこそが今回の勝利のポイントでした。
直線に入ると早く動かした分、最後はキツくなるところはありましたが、それでも抜群のレースの上手さは今からNHKマイルC王者の姿に見えました。ホープフルSもありますが、最優秀2歳牡馬へ圧巻のパフォーマンスだったのはこちらかなと思ってしまいますね。2着にはエコロヴァルツが入りましたが、こちらもさすがは豊ちゃん。前を行く馬が早仕掛けする中、一呼吸置いてから勝負を懸けるあたり、素晴らしいの一言でした。イメージとしては2000mでも保つ気がしますし、皐月賞で面白いのではないかと思ってしまいました。
最終日にホープフルSもありますが、やはり昔のホースマンにとって締めの大きなレースといえば今週行われる有馬記念になります。本日は枠順抽選会も行われ、各陣営が喜びや悲しみに襲われましたね。1番人気が予想されたスターズオンアースはまさかの大外16番に入ってしまいました。ルメールも思わず痛い顔をしていましたが、何度もサプライズを起こしてきているだけに、不利があったとしてもルメールならと思わせてくれますね。
いい枠に入ったなという感想はタイトルホルダーです。前回も立て直してきて、しぶとい競馬をしており、内から行きやすい好枠に入ったなと感じました。私が本命に推したいタスティエーラはオレンジ帽となりました。あの走り方なら年末の中山の馬場も合うと思いますからね。その他にもジャスティンパレスやスルーセブンシーズがいますから豪華メンバーです。2023年有馬記念をアレするのはどの馬か非常に楽しみです。それでは2024年にまた会いましょう!よいお年を!!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。