元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
人馬完走へ
2024/4/23(火)
皆様、こんにちは!最近は落馬事故が続いています。先週も福島牝馬Sでは木幡初君が落馬し、吉田隼君も巻き込まれてしまいました。怪我の詳細が出ていないので心配しています。木幡家は育也君が2週前、先週は初也君に木幡巧也君まで落馬するという形となり、御家族も冷や汗が止まらなかったと思います。
ただ、今回に関しては初也君に制裁を出すべきだったと思います。勝負の世界ですから、攻めることは必要です。しかし、無謀とは違います。大きな怪我になっていないこと、安全なレースになるように願っています。
京都でも松山騎手が落馬し、全鞍乗り替わりとなりました。マイラーズカップも騎乗予定だったソウルラッシュは団野君へと乗り替わりになりました。レース前から雨が降っていたため圧勝だろうなと思っていましたがその通りの結果に。3~4コーナーでは馬場が合って行きっぷりも抜群だったことから自信満々の仕掛け。内にいたニホンピロキーフと田口君はもう一呼吸置きたかったでしょうが出すしかなくなりました。こればかりは流れですからベストな選択だったと思います。
直線ではソウルラッシュが引き離す中、川田君が流石の騎乗で内から抜けてきて2着、ニホンピロキーフが3着に入りました。セリフォスは一番良い時は超えてしまったのかなという印象で、ニホンピロキーフは小倉の重賞では本命を打ちたいなと思う走りでした。今年の夏、田口君は相棒と共に重賞制覇を果たしてほしいなと思います。
今週は天皇賞(春)が京都競馬場で行われます。人馬共に一心同体で成長してきたテーオーロイヤルと菱田君のコンビに期待しています。もしもがあるならば一戦減らしたかったとは思いますが、鍛えられたコンビで初GI制覇を見せつけてほしいと思います。
続くようにドゥレッツァが選ばれると思います。戸崎君も流れがいいですし、長距離に向く騎手だと思います。あとは馬が菊花賞を勝っているものの長距離向きではないのでは?という懸念があるので、いい意味で裏切ってほしいと思っています。ダービー馬タスティエーラや私の穴推しメイショウブレゲも楽しみです。今週こそは落馬事故のない競馬でありますように。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。