元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
おかえりなさい!
2024/5/22(水)
皆様、こんにちは!とうとう沖縄では梅雨入りが発表されました。あと数週間すれば関西も梅雨入りになるのかと心配しています。雨でも雪でも競馬の調教は休みになりませんからね。この季節になると手の感覚が薄くなりながら乗っていたことを思い出します。梅雨よりも夏の素麺と麺ツユを楽しみに乗り越えましょう。
先週は東京競馬場で牝馬クラシック第2弾オークスが行われ、チェルヴィニアとルメールのコンビが勝利を挙げました。ルメールにとってはドバイで負傷したあと初めてのG1勝利となり、本人もホッとしたのではないでしょうか。チェルヴィニアは戦前から左回りで結果が出ていましたし、距離が延びてこそと思っていましたが、ここまで彼が乗ると変わるのかと思わされる勝利でした。
勝利騎手インタビューでは「ただいま!」と奥さんに感謝の言葉を述べ、1人で乗っているわけではないとトップ騎手が示してくれたと思います。2着には2冠を狙ったステレンボッシュが入りました。こちらは1コーナーの入りで落鉄していたようで、非常に悔やまれるレースになりました。気持ち距離が長いようにも見えたので秋華賞ではリベンジがあると思っています。
そんな悔しい思いを戸崎君は今週晴らすことができるのか、全てのホースマンの夢 日本ダービーが行われます。1番人気にはそのジャスティンミラノが選ばれるでしょうね。名門・友道厩舎のことです、ここを目標に完璧な仕上げでくると思っています。あとは枠がピンク以外ならというところでしょう。
2番手はレガレイラになるのではないでしょうか。牝馬ながら非凡な走りをしてきただけに、改めてルメールに戻るのは大きいはず。この2頭を負かすならシンエンペラーだと思っています。まだまだ若さはありますが、才能豊かなだけにここで!と期待しています。ホースマンにとっては1年の集大成になります。果たして、どの馬が夢を勝ち獲るのか。当日のジョッキー紹介など全てを楽しみましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。