元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
信じていた力
2024/11/14(木)
皆様、こんにちは!競馬界にまたもや衝撃が走りました。横山琉騎手と佐々木騎手にスマホ関連の騎乗停止処分が下りました。特に佐々木騎手に関しては、ここまで飛躍してのところで何をやってるんだという思いです。海外だと検量室でも携帯電話が使えますが、ここは日本です。いくら馬のレベルが世界にいこうが日本の施行ルールがあります。それが変わるべきと思っていようが、違反していいわけではありません。
彼らはJRAあっての騎手であり、辞めればJRA騎手ではありません。個人が思うようにルールを作りたければ自分で競馬を施行するしかありませんから。勿論、ルール改正に向けて取り組むことも必要かもしれませんが、それが変わるまではルールの中で公正な競馬を行ってもらいたい、そう思っています。
先週行われたエリザベス女王杯を振り返りましょう。勝利したのは久しぶりの勝利となったスタニングローズとクリスチャンのコンビでした。圧倒的に前が有利な馬場状態と積極的にポジションを取るクリスチャンの技術がかみ合い、圧勝といえる内容でした。陣営としても、まだまだやれると信じていたと思います。結果が出ないことでどうするべきかを考えに考えたと思います。その思いが結果に繋がった素晴らしい勝利でした。
2着にはラヴェルが入りました。こちらは馬も素晴らしかったですが、何よりも川田君の上手さが一際光りました。道中はレガレイラを内に入れ込み、自身は馬場の良い外に回し、素晴らしい末脚を繰り出したのですから。川田君なくしてこの着順は無かったのではと思える騎乗でした。京都の坂に騎手の技が光る、非常に面白いレースでした。
今週はマイルCSが行われます。週刊天気予報では雨となっており、またまた荒れるレースになるかもしれません。そうなれば注目はソウルラッシュに集まりそう。馬場状態次第でチャンスがあるなと思っています。
日本のスピード競馬についていけるかチャリンも面白い存在。非常に力がある海外G1馬ですし、今の馬場なら力が発揮できると思います。その他にもナミュールやブレイディヴェーグなどが集っており、楽しみがつきません。やられたらやり返すルメールの倍返しにも注目しています!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。