元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
総決算
2024/12/26(木)
皆様、こんにちは!2024年も最後のコラムとなりました。今年は本当に色々なことが起こりました。悲しいニュースが多かったなという印象ですが、素晴らしいレースも多く忘れられない年になったと思います。日本競馬界も未来へ進む変革期に入りました。積み上げた過去をより良いものにするため、変える勇気を持った挑戦を2025年にしてもらえたらなと願います。
それでは有馬記念を振り返りましょう。勝利したのは戸崎君とレガレイラのコンビでした。母馬ロカは期待されながらも結果を出せずに引退してしまいましたが、素晴らしい娘で再びG1タイトルを手にしました。鞍上の戸崎君は本当に素晴らしいレースをしたなという印象です。枠、並び、展開を頭に入れ、スタートから少し促すとポジションを取る事に成功しました。横山親子が逃げることで、ペースが早くならないことまで頭にあったと思います。
そこからも彼の良さが活きました。前に馬を置き、長い時間促し続け、4角前では一気に出していくと、外から来たシャフリヤールに併せ、最後の根性比べでレガレイラの良さを見せつけたのですから。素晴らしい総決算のグランプリを演出してくれました。レース後には剥離骨折が発表され来年の春は白紙となりましたが、更に強くなって帰ってきてくれることでしょう。
土曜日は2024年最後の中央競馬。締めくくりのG1としてホープフルS が中山競馬場で行われます。有馬記念で勝った方は更なる勝負、負けた方は取り返すラストチャンスと、まさに希望を持ったレースになるのではないでしょうか。
私が期待しているのは3頭。前走余裕残しで勝ち切ったクロワデュノール、調教で抜群の動きだったピコチャンブラック、期待の血統マスカレードボールになります。ここに豊ちゃんの全G1制覇が懸かっていたりと、人馬ともに大注目のレースになります。
2024年の最後が皆様にとって素晴らしい締めくくりとなりますように願っています。また来年よろしくお願いいたします!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。