
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
職人騎手
2025/5/15(木)
皆様、こんにちは!夏の気候に少しずつ近づき、我が家のエアコンも暖房から除湿へと変わってきています。そんな中、熊澤元騎手が本を出版しました。タイトルは職人騎手。息子が早速手に入れてくれたので、老眼鏡に手を伸ばし読み始めようと思います。
障害に平地に怪我をしても折れない心を持ち、やり通した騎手人生。周りのサポートや彼のプロフェッショナルとしての立ち回り。現役を続けていくうえで沢山の壁や葛藤があったことでしょう。だからこそ、私も読んで学びたいと思います。ぜひ、皆様もご購入を!

先週行われたNHKマイルCを振り返りましょう。勝利したのはG1勝利が4年振りとなった松山君とパンジャタワーのコンビでした。そんなにG1を勝ってない?と不思議に感じるほど活躍しているので意外でしたが、レースは見事でした。戦前からも距離がこの馬には長いのでは?と思っていましたが、ペースや展開の利もあり、外差しの馬場になっていたことからも全てが合致したという勝利でした。
2着にはマジックサンズが入りました。こちらは豊ちゃんらしいレースでしたが、内にしか進路がなかったことが松山君との差だったように感じます。外が1頭分でも開いていれば…と豊ちゃんとしては悔しい敗戦だったと思います。混戦を制したパンジャタワーが次はどの路線を選ぶのか楽しみです。

今週はヴィクトリアマイルが行われます。まず注目したいのはアスコリピチェーノになります。海外重賞を制覇し、まさに勢いは本物。ルメール騎手との相性も抜群だけに楽しみです。そして、私が1番推したいのはステレンボッシュ。桜花賞を制してから悔しいレースが続きましたが、東京1600mはベストではないかと思っています。国枝厩舎ラストイヤーに勝ち切りたいという戸崎君の気持ちが後押ししてもらいたいです。
その他ではパンジャタワー同様、少し長い?と感じているソーダズリングも先週であるなら今週も?と期待しています。プロフェッショナルの職人技を是非ご期待ください!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。