
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
過程には全て意味がある
2025/6/2(月)
皆様、こんにちは!第92回日本ダービーが行われ、北村友一騎手とクロワデュノールのコンビが皐月賞の悔しさをリベンジしました。レースを迎えるにあたり、前走叩いた上積みや風格が見られ、あぁ勝つなこれはと思ったほど。管理する斉藤崇厩舎は初ダービー奪取となりました。クロノジェネシスの相棒でもあった北村君ともう一度頂点へという思いをしっかりと結果で出したのは素晴らしいの一言につきます。牧場関係者含む全員がクロワデュノールを信じ、疑いなく競馬をしたことが全ての結果に結びついたレースでした。

怪我を乗り越え、一時は騎手人生に終了を迎えるかもしれなかった時間を超えた北村君からの『全ての過程に意味があった』という言葉は染みました。支えた家族や友人、バレットに北村君を信じて依頼した斉藤先生やノーザンファーム、全ての方が報われる勝利になりました。勝利騎手インタビューで降った雨はその関係者全ての歓喜の涙だったのだと思います。
2着にはマスカレードボール、3着にはショウヘイが入りました。このダービーで誰よりも上手く乗ったのはルメールだったと思います。枠を活かし、内々で競馬をしながらも直線は馬場の伸びる外へ。それでも何度か手前を換えていたため、パンパンの良馬場なら更に差が縮まったのでは?という走りでした。秋以降の再戦か楽しみです。


ダービーが終われば、次のダービー馬を探す旅が始まります。今週からは2歳新馬戦が始まりますし、東京競馬場では安田記念が行われます。本命にはソウルラッシュが選ばれることでしょう。ドバイで世界一の馬を倒した今、負けられない一戦になります。鞍上は浜中君になりますが、今度は彼とでG1制覇と見ています。他にもジャンタルマンタルやブレイディヴェーグらG1馬がいます。今週も全てに意味があるレースを期待しましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。