
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
勝ちのための仕掛け
2025/7/4(金)
皆様、こんにちは!我が家でもんじゃ焼きパーティーが開催されました。北海道から関西へ移動した人生でなかなか食べる機会がなかったのですが、ここ数年で初めて食べてからブームとなっています。あのお焦げが堪らず美味しく、お好み焼きも好きですが、もんじゃも本当に美味しいです!

夏競馬真っ盛り、どの開催場も前残りが目立った先週の競馬を振り返りましょう。特に目立ったのが函館記念でした。鞍上の佐々木君はすっかり重賞の常連となり、ヴェローチェエラは初めてのタイトルを手にしました。前残りになっていた馬場を読み切り、思い切った仕掛けでの勝利は素晴らしいの一言。
騎手として、分かっていてもリスクを考えると動ききれない場合があります。しかし、調教師も元騎手で佐々木君に対し、勝つための懸けをしてもいいという信頼関係があったからこその仕掛けだったと思います。勝つためには時に大胆に挑戦することが必要です。負ければ何をやってるんだ!と怒られることもあります。しかし、勝利というものを掴むためには大胆に動くことも必要です。
環境が行動を制御することも多いですが、佐々木君は何を言われても勝ちに行くためなら失敗になっても仕方ないと決めて乗れる騎手で、それが本当に素晴らしいと感じた勝利でした。皆様も勝ちに行くための挑戦を見守ってあげてください。

今週は小倉で北九州記念が行われます。アブキールベイが重賞連勝を決めるか、地元で川田君がロードフォアエースと勝ち切るか、それとも新星の誕生となるか楽しみな一戦です。個人的にはエイシンワンドがスプリントに戻ってきたのが気になります。スプリントこそがベストだと思いますし、ここでも良い走りを期待しています。夏本番!熱い走りを見届けましょう。
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。