
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
ベテランの見本
2025/7/16(水)
皆様、こんにちは!北海道で毎年売上を伸ばしているセレクトセールが開催されました。これが1頭なのか?と驚くような値段が飛び交い今年も大盛況。海外からのバイヤーも駆けつけ、改めて品質の高さを認識できるセールになりました。当歳にはイクイノックス産駒も出ていましたが、どれも立派な馬体で、今後も見逃せない世界に誇る日本血統には注目が必要だと再認識させられました。

それでは、先週福島で行われた七夕賞を振り返りましょう。勝利したのは柴田大知騎手とコスモフリーゲンのコンビ。久しぶりの重賞制覇かつ特別な勝利になった気がします。これは重賞に限ったことではありませんが、なかなかチャンスが回ってこなくても現実から逃げるのではなく状況を理解し、輝くためにはどうすべきかを考えた行動で、本当に素晴らしいベテランの見本となる結果でした。
2着にはドゥラドーレスが入りました。レガレイラの兄になる当馬ですが、本当に戸崎君と手が合う血統という印象があります。今回は勝利したコンビを褒めるしかなく、彼らも完璧だったと思います。ロカ一族と戸崎君は注目の組み合わせと覚えておきましょう(笑)。

今週で福島、小倉、函館はそれぞれ最終週となります。そんな最終週の小倉では小倉記念が行われます。どの馬が勝っても不思議ではないメンバーに感じていますが、私はマイネルメモリーと田口君の初重賞制覇に期待しています。北海道からの移動で疲労だけが心配ですが、旅行好きの人がいるようにマイネルメモリーも気持ちを盛り上げて走りきってくれることを願っています。
その他ではメリオーレムやエピファニー、ここでこそ見たかったニホンピロキーフも前走の逃げが悪い方にでなければ楽しみです。選挙に競馬に、皆様でGOしましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。