
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
プリンス坂井の姫エスコート
2025/9/1(月)
皆様、こんにちは。24時間テレビが終わりましたね。今年も多くの寄付金が集まり、子どもたちや能登の被災地へ届けられると発表されました。使い道が明確ではない税金とは違い、このようなチャリティーは影響力のある人が呼びかけることで日本全体を巻き込む、素晴らしい取り組みだと感じます。寄付金がどのように使われたかをアフター24時間テレビとして定期的に放送すれば、来年も協力しようと思う人がさらに増えるのではないでしょうか。

新潟と中京の夏競馬が最終週を迎え、新潟記念はシランケドと坂井瑠星騎手のコンビが勝利を飾りました。これまで大味なレースが多かったシランケドですが、今回はプリンス坂井騎手の巧みな姫エスコートで持ち前の末脚を存分に発揮し、力強い差し切りを見せてくれました。馬体も成長しており、秋のG1戦線が楽しみです。
2着には期待されていたエネルジコが入りました。休み明けで若さが残る印象でしたが、それでも連対を確保できたことは大きな収穫です。この敗北を糧に父ドゥラメンテの新たな後継者としてさらなる成長を遂げることを期待しています。

今週は札幌が最終開催となり、いよいよ中山・阪神競馬が開幕します。多くの重賞レースが予定されていますが、特に注目しているのは紫苑Sです。エストゥペンダとリンクスティップはどちらも本物の実力を持ち、秋の女王へ名乗りを上げるだけの素質を秘めています。この2頭以外にも夏の間に大きく成長した馬たちが、秋の大舞台を目指して出走します。期待を胸に本格的な秋競馬を迎えましょう!
プロフィール
松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。