
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
ベテラン刑事
2025/10/30(木)
皆様、こんにちは。ウマ娘の新CM「あったけー(武)」とは真逆の寒さが増す日々に、我が家ではこたつが登場しました。北海道出身で寒さが得意そうに思われますが真逆で、北海道では暖房を入れて室内を暖める家が多いため、寒さにはそこまで強くないんですよね。本日もこたつで温まりたいと思います。

先週行われた菊花賞を振り返りましょう。新CMでは刑事役をしているルメールがエネルジコと組んで菊花賞3連覇の偉業を達成しました。まさに神業のような騎乗で、馬主様からすれば「(ル)メールシー(Merci)となったことでしょう。
力はある馬でしたが、折り合いをあそこまで完璧につけ、豊ちゃんが動いたタイミングから一呼吸置いて追走させながらも息を整え、一気に突き放しての勝利は簡単に見えて技術が凝縮されたものだったと思います。古馬と混ざってもやれる馬だけに、ダービー馬クロワデュノールとの対戦も楽しみになりました。


今週は東京競馬場で天皇賞(秋)が行われます。人気が割れそうなメンバー構成でどの馬にもチャンスがあると感じる中、私の注目はホウオウビスケッツと岩田康君のコンビになります。人気は落とすでしょうが、じっくりと築きあげてきた絆がジョッキーに久しぶりのG1勝利をもたらせてほしいと願っています。
他ではマスカレードボールとミュージアムマイルの3歳コンビがどこまでやれるか、タスティエーラやジャスティンパレスなど古豪が底力を見せるのか非常に楽しみです。アメリカではブリーダーズカップ(BC)が開催されザ・ロイヤルファミリーもありますし、見所満載の週末になりそうです。
プロフィール

松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。




