
元騎手という視点から最新競馬ニュースを大胆解説。愛する競馬を良くするために、時には厳しく物申させていただきます。週末重賞の見所と注目馬もピックアップ!
真・マイル王
2025/11/26(水)
皆様、こんにちは。大好きな大相撲が終了し、安青錦関が見事な優勝を達成されました。ウクライナからは初となる大関の誕生です。師匠の安治川親方(元 安美錦関)が持つ相撲の技術を安青錦関が純粋に信じ、吸収してきたからこその強さであり、まさに圧巻の優勝でした。古来の技術に新たな視点からの考えが上乗せされ、真の大関としてその先にある横綱へと歩みを進めてほしいと願っています。

先週、京都競馬場ではマイルCSが行われ、ジャンタルマンタルと川田君のコンビが圧倒的な走りで勝利を収めました。これで牡馬が出走できるマイルG1全てを制覇し、2歳・3歳・4歳でのG1計4勝は、種牡馬価値としても最高の結果となりました。
未だに「最強マイラーは?」と聞かれると、多くのファンはタイキシャトルの名を挙げると思いますが、私はこの結果からもジャンタルマンタルが真の日本最強マイル王になったと感じています。しかも、海外血統であることは日本の肌馬にとっては最高となるでしょう。あとは海外G1の付加価値までつけばと期待しかありません。
期待していたラヴァンダは馬場やジャンタルマンタルのポジションを見て、勝ちに行く競馬をしました。結果として「溜めていれば」と思うところもありますが、これも競馬です。G1に相応しく勝負にいったレースだったと感じています。次こそはリベンジに期待したいところです。

今週はジャパンカップが行われます。クロワデュノールが正式に出走を表明し、非常に楽しみなレースとなりそうです。まずは、日本のダービー馬でもクロワデュノールとダノンデサイルに注目しています。ここにマスカレードボールやフランスのカランダガン、古豪ヨーホーレイクと楽しみすぎるメンバーが集結し、本当に心躍る一戦です。まさに頂上決戦!日曜日を心待ちにしましょう。
プロフィール

松田 幸春 - Yukiharu Matsuda
北海道生まれ(出身地は京都)。1969年騎手デビュー。通算成績は3908戦377勝で、その中にはディアマンテ(エリザベス女王杯)、リニアクイン(オークス)、ミヤマポピー(エリザベス女王杯)など伝説の名馬の勝利も含まれる。1987年にアイルランドの研修生として日本人騎手では始めて海外の騎乗を経験しており、知る人ぞ知る国際派のパイオニア。1992年2月の引退後は調教助手に転じ、解散まで伊藤修司厩舎の屋台骨を支え、その後は鮫島一歩厩舎で幾多の名馬を育て上げた。時代を渡り歩いた関西競馬界の証人であり、アドバイスを求めに来る後輩は後を絶たない。






