現役関係者コラム

松田幸春の競馬なんでも相談室

先日、20数年続いている「松田会」の花見が行われました。
2、3人の欠席者がありましたが、皆元気な顔を見せてくれました。
この時期とあって、義父がシンツバメで勝った第21回皐月賞の話題で盛り上がりました。私はロングファスト(4着)、ロングミラー(2着)、ロングイチ(5着)と勝てませんでしたけどね(苦笑)。久しぶりに昔話をして楽しい時間を過ごすことができました。
次回は、全員出席を期待してます!!

今回は競走馬のハミについてお話してみたいと思います。
より強く!より速く!という目標に向けて厩舎関係者の皆さんは様々な創意工夫をしながら調教を実施しています。「良いものを持っているのに力が発揮できない」「馬場に出すと引っかかる」という話はよく耳にします。

充分に調教され悪癖がない馬は、騎乗者の指示に従順で運動能力を存分に発揮できます。しかし、そうでない馬は能力を発揮できないだけでなく、時には反抗することもあって歩様を乱し思いがけない事故にもつながります。馬の個性や調教目的にあったハミを使用することによってスムーズに走らせる事ができるのです。

ハミは、馬の前歯と奥歯の間の歯の生えていない部分に噛ませる馬具で、頭絡と連結して定位置に保定され手綱と連結して騎乗者の指示を馬に伝えるもの。車に例えればブレーキでありハンドルでもあるので非常に重要な馬具であります。競走馬に使用されるのは、ほとんどが水ろくハミというもので、基本的にはハミ身とハミかんの2つの部分で構成されています。それでは主要なハミを画像と照らし合わせてご確認ください。

★水ろくハミ

最も標準的なハミ。2本のハミ身は中央で単かんによって連結されている。手綱の操作により連結部の屈折度が変わり制御力は相対的に穏やかに馬に伝わる。ハミ身が細いもの(細ハミ)、標準のもの(太ハミ)があり細いものほど制御力が強い。


★エッグバットハミ

ハミ身とハミかんの連結部が卵型をしている水ろくハミ。ハミ身が太く口角にあたる部分が立ち上がり丸くなっているので馬の口を痛めることが少ない。


★Dハミ

ハミかんの形がアルファベットのDの形をしている水ろくハミ。レースや調教で引っ掛かる馬の矯正として使用する。


★孔付Dハミ

Dハミのハミかん上部に頬革の訪通し孔がついていてハミ身が馬の口の中で一層正しい位置にあるようにしたもので、ハミの保定が非常に良い。


★片枝リング

ハミとリングが馬の舌の上にくるようになっている。口の外にある枝が下顎を圧迫し、リングが上下に動くので、馬の舌がハミの上を超えることができない。舌を越し、正しいハミ受けをしない馬に使用する。