'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
JCの騎乗は叶わずも東京最終週は16鞍の騎乗!
2024/11/22(金)
今週はジャパンカップ。残念ながら騎乗馬はなかったが、著名な騎手が集まる中で土日でも多数の乗り鞍を集めた。東京開催もこれで最終週。見せ場を期待したい。
4~5回東京は現在18勝をマーク!
——早速ですが、土曜の騎乗馬から伺っていきたいと思います。2歳未勝利戦からヤマメキングやソーダーンライトは2戦目になりますね。
追い切りの感じは雰囲気が良かったのですが、少し重たさがありますね。その分、レースでどこまで影響するかがカギでしょうか。ダートになるのは良さそうです。ソーダーンライトはスピードのあるタイプ。距離短縮はいい方に向きそうです。
——マイルの新馬からグーテンベルクは追い切りに乗られたようですね。
まだまだ走りは雑なところがあるのですが、背中の使い方は良かったです。素質自体は感じましたよ。
——テン乗りのカーマンラインは追い切りに乗られましたね。
このクラスで力は証明できていますし、追い切りでも動けていましたよ。展開に左右されそうですが、チャンスはありそうです。
——サトノトルネードは引き続きダートです。少し間隔は開きましたね。
どこの条件でもメリハリが欲しい印象がありますね。この条件が向くかどうか、ではあるのですが、そんな面をカバーできればと思います。
——バギーウィップは新馬勝ち。門別に使おうとして入らず、こちらにスライドしました。
今回も追い切りに乗りましたが、馬自体は良くなっています。しかし、終始内にモタれていました。体質的にも緩さは感じますし、実戦でもモタれる面が影響するか心配ですね。新馬当時よりもモタれ方はキツくなっていましたからね。
——アイアムイチバンは新馬で1番人気でした。この血統は縁があると思いますが。
使って良くなりそうなタイプではあると思っています。期待通り良くなってくれるといいですね。
——シンフォーエバーは新馬以来のコンビです。
新馬を勝たせてもらった時と馬がどう変化しているのか。そこは乗ってみないと未知数ですが、行きっぷりが良くなっていそうなのは気になりますね。
——アドマイヤマツリは昇級初戦ながら相手関係も強力と感じました。こちらの意見ではハンデでカバーできればと感じますね。
今回は斤量を活かしたいですね。それでどこまで頑張ってくれるかでしょうか。
精神面の課題が露呈したジュンブロッサム
——マイルCS(G1)ではジュンブロッサムと挑みましたが、人気より下の着順となってしまいました。
ゲートが全てというレースになってしまいましたね。
返し馬から気も入っていて、ゲート裏も気負いが目立ちました。発走まで何とか落ち着かせるよう努力しましたが、上手くスタートを切られなかったです。
——追い切りをみた印象では富士Sの際が非常によく感じましたが、状態面は変わりなかったですか。
そこは気にならなかったです。やっぱり今回はテンションの面が確実にゲートへ影響していますね。
——以前からこうなる懸念もありましたか。
いや~そうでもないですけどね。ただ、精神的な高ぶり多少なりとはどの馬でもあることですからね。
——後方からになっただけに外も回せなかったですか。
後ろからだったので、もう距離ロスなく行こうと。あの場所でも内が悪いのはわかっていましたけどね。外の方が走りやすいのは。
——アトリウムチャペルはどうでしたか。
この馬としては硬さも軽減されていい方でした。理想は内枠でロスなくいけて、脚を使えればというタイプ。もう少し噛み合わなければいけないですね。
——ビップスコーピオンは外枠になってしまいましたね。それでも見せ場は作っていますが。
外枠の分で分が悪かったです。ペースも落ち着いてしまい、自分からレースを作れるタイプではないですからね。安定して走ってくれるのは状態的にもよく頑張っているからこそです。
——初コンビのエセルフリーダはどうでしたか。
出入りの激しいレースでしたね。能力はありそうですが、気性的には気になる面もありました。直線で並んでから前に出ようとすると嫌気を出すところがありました。
——ビートエモーションで勝たれました。
ダート馬ながら素軽い動きのフットワークでした。ちょっとテンションがあやしいところがあって、ゲートもうるさいところがあると言われていました。それでも落ち着いて、その分、ゲートも出て思ったよりもいいポジションで進められました。最後もしっかり反応してくれました。
——デイジーは相手関係も変わってきたとはいえ、結果も残せなかったですね。
返し馬から硬さを感じましたが、もともと硬いので気にはしていなかったのですが、レースに行って、ペースも違ってくると進みも良くなかったですね。やはり芝の方が良さそうです。芝でも展開なりの助けは必要そうですが。
——ボンヌソワレは昇級初戦でした。
行きっぷりが強くなっていました。それが良いのか、悪いのか、まだつかめないけれど、その分、追ってからもひと脚でした。伸びてはいるけれど、もう少し体が使えるとより良くなりそうです。
——新馬のベルアーブルはどうでしたか。
凄く上手に走ってくれました。もう少し距離があってもよさそうですし、引き続き期待できそうです。
——ジュンアサヒソラで勝たれましたね。
追い切りよりも状態が上がっていたのでしょうね。ゲートの出方として馬は良くなっています。感触的にはトモの具合も良くなりそうです。
——先週は地方競馬教養センター時代の同期である森泰斗騎手の引退、倉富隆一郎騎手の調教師試験合格が明らかになりました。一部、一般紙の記事にもなっていましたが、感じるところはありましたか。
う~ん、だからといってというわけではないのですが、自分は今、充実して騎手に取り組めていますし、まだまだ続けたいという思いはありますよ。
——ゴールは決まっていないですか?
もちろんその時になったら、感情がどう動くかわかりませんけれど、今のところは全くないですね!体的にも昔に比べれば疲れが残りやすくなったくらいで、どこかが痛いとかもないですから。
——腰や股関節などが傷んだりしないのは凄いですね。先日、TENTIALさんのインタビューでも答えていたように日頃の体調管理が上手くいっていると。
そうじゃないですかね。
——そのインタビューでも基礎体温を上げるように、という話もありましたね。
それだけが理由でやっているわけではなくことなのですが、薦められて合っていると感じることをやっているだけですけれどね。基礎体温も上がると免疫力も上がるようですし、昔に比べると、0.2、0.3℃、体温は上がりましたよ。
——今週は火曜が笠松競馬場でトークショーでしたね。先週も他のイベントにも出られていたようで。他にはクラブのパーティーなどもあり大変ですね。特に写真で見る限りですが、1週前のルメール騎手のイベントでのファッションや笠松でのファッションは気になるところですが(笑)。
でも、服はほとんど買わないですよね。良いなと思った時に買っているくらいで。
——戸崎さんの頻度で「買わない」がどれくらいかわかりませんが、ブランドも気になるところですね。
クリストフの時のはNハリですね。笠松はニールバレットです。でも、ニールバレットは同じものをしょっちゅう着てますよ。またこれで良いのかなと思うくらいで。
——Nハリは以前にも仰っていましたね。阪神ジュベナイルF(G1)の騎乗は発表されて、次週は京都ということですね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いいたします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。