'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月23日時点1569勝
【有馬記念】レガレイラと自身10年ぶり勝利なるか&ミッキーファイトで名古屋大賞典を制覇!
2024/12/20(金)
競馬界の一年を締めくくるビッグレース、有馬記念の発走が近づいてきた。今年はレガレイラとの初コンビで臨むが、有馬記念と戸崎騎手でいえば過去5度の騎乗は二桁人気。今年はどんな人気となり、どんな結末となるだろうか。また、名古屋大賞典ではミッキーファイトを重賞2勝目に導いた。レース後の声にも注目を。
有馬記念はレガレイラとのコンビ!
——今週は有馬記念(G1)!ということで初めてコンビを組むレガレイラに関しては追い切りに騎乗されましたね。
比較はありませんが、順調に来ているように感じましたね。初めて乗せていただくにあたり、どんなプランで臨めればいいかイメージできるように乗りました。
既にG1を勝っているので地力があるのは当たり前のことなのですが、走る馬というイメージはわきましたね。操縦性も問題なかったです。
——走りの質やタイプはどうでしたか。
キレと長く脚を使う面を両方持っていると言えばいいのかもしれませんね。
——と言いますと、現時点ではまだどちらに振れているか、まだ途上という段階でもある感じですか?
そうですね。両方持っているといいますか。いい意味でも、その逆でも、まだ完成されていないように感じました。
——精神面では気になったところはありますか。
激しくなるようなところはなかったですからね。特に気になりませんでした。レースでは時にスイッチが入ることがあるようなので、そこは気を付けてほしい、とは言われています。
——これまでのレースでは本当にゲートが遅いというよりは他馬の動きに影響されて、遅れていることもあります。
ただ、影響されやすい位置にいるということは速くないですからね。
——そういった面も体質が成長すれば変わるのでしょうか。
まだ頼りなさがある面がしっかりしてくれば、そうかもしれませんね。
——枠順抽選会に出席はされませんでしたが、枠順も決まりました。
外だけは厳しいと思っていましたし、良かったです。それに偶数も良かったと感じました。
——牝馬と相性がいいと言われる戸崎さんだけに初コンビに期待される方もいるかもしれません。
牝馬で有馬を勝たせてもらっていますからね。いい結果になれば…ですね。
——勝手にSNSを見ている限り熱心なファンの方に「ドゥラドーレスの毎日杯のリベンジを」なんてことも言ってらっしゃりました。
ん?どういうことですかね。
——レガレイラは半妹なんですよね。
あ~そうだったんですね。陣営は違いますけど、一つのテーマとしては面白いですね。
——戸崎さんにとって有馬記念は2019から2021年は騎乗が叶いませんでしたが、2014年に勝利したレースであります。
月並みですが、世間的に注目度の高いレースでありますし、今年はひと際盛り上がりそうですね。そんな一戦でいい結果を残せればと思います!
——今週のその他の騎乗馬では土曜のサトノクロークはどうでしょうか。
もう少し、もうワンパンチといった感触ですが、中山コースは合いそうですね。
グレーターバーチュはハミ受け、折り合いが難しいですよね。上手く走ってくれればと思います。コアは前走が芝で上手に走ってくれている。もう一つで勝ち負けでしょうか。
——ダノンマカルーは中山で一変しましたね。
前走はいい内容でしたね。ペースが上がって流れに乗れるか、ですが、前走でこの条件に上手く対応してくれましたからね。
オリエンタルナイトは組み立てというよりはどこまで粘れるか、というタイプですね。ラレーヌデリスの2走前の中山では結果的にちょっと外回った分の差もあります。差が差だけに悔しかったですし、今回は上手くいくといいですね。
ミッキーファイトを重賞2勝目に導く!
——先ほどは名古屋大賞典(Jpn3)をミッキーファイトで制されましたね!おめでとうございます。
ありがとうございます。プラス14キロという馬体重を見て、その点がどうかなと感じていました。陣営からは「馬格が大きくなった」とは聞いていたのですが、乗った感触で言えば、前走から大きな変化はまだまだ感じなかったです。それでも走り切ることができていて何よりです。
——常々仰っているもっと成長して欲しい面はまだ残っていたということですね。
そうですね。変わるのか、変わらないのか。馬次第ですが。体重は時季的なものもあるでしょうね。もう少し絞れてもいいと感じました。
——スタートは上手く行きましたね。
もうあまり上手じゃないと割り切って思っているところはあります。ポジションをとれないこともあると思っていたくらいです。今日は上手く出てくれて、予想以上で楽な展開になりました。
——以前も課題にしていたハミ取りの面では大丈夫でしたか?
やっぱりもう少し落ち着いて走るとよりいいかなと感じましたね。
——最後はもっとスパッと差し切れるかと思いましたが、ノットゥルノもさすがでしたね。
60キロを背負っていましたし、ペースも流していっていたのでね。ラストはもっとあっさり行けるのかと思っていました。今の名古屋で楽勝している馬でもあるように流石でした。
——弥富の馬場は重かったですか?
重たいと思います。それでも対応してくれました。
——それにしても、来年へ向けて賞金を加算できたのは良かったですね。
それは一番大きかったかな。良かったです!
——気の早い話ですが、戸崎さんが乗られていない際に東京ダート1600mは経験しています。適性はどうですか。
どうなのかな……。まあ、まだ時間があるのでね。その時でいいんじゃないですか。
——そうですか。1週前は1勝に留まりましたが、今年は年間130勝台には到達しましたね。その中でエスコーラはどうでしたか。
ゲートがうるさかったので心配しましたが、上手く出てくれました。ポジションをとって運びたかったのですが、スピードの乗りはもう一つ。外から被せられたこともあり、後手後手になってしまいましたね。ただ、過去の走りを映像などで見ていることを思えば、いい頃と比較すると本調子ではないのかな、とも感じてしまいましたね。
——カズタンジャーはコースも合うかと思いましたが、意外な結果でした。
スタートが遅くていつも後ろからになっているそうでしたし、リズム良くいければと思っていました。前につけてリズムよくは行けたのですが、最後は反応がなかったですね。
——アグラードは2着。この日の中山ダートは差しもきいていましたが、ダート2戦目で対応しました。
ゲートがうるさくて、後方からに。それはかえって良かったかもしれません。道中はリラックスして走れていましたね。今後はゲートや折り合い面が上手く噛み合うといいですね。
——サトノアルタイルは新馬前に乗られていた馬でしたね。
当時は動きがもう一つで延ばしたんですよね。その頃から比較すれば確実に良くなっていましたよ。使いつつ良くなりそうです。
——ショウナンカチドキはどうでしたか。
特に問題なく運べましたね。いい形だったのですが、追ってからがもう一つでした。1200mはいいと思いますよ。
——ウィンダミアは外枠の分ですか。着差的に惜しい結果でした。
それでも、あの枠から頑張って走ってくれましたよ。
——ターコイズS(G3)のイフェイオンはどうでしたか。
いいスタートを切っていいリズムでしたね。そんなに差はないんですけれどね。多少休み明けの分はあったかもしれません。
——間隔が空くとイレ込みがきつくなるイメージもありました。
レース前なんかはそういうところがありましたけどね。レースは許容範囲内でしたよ。
——ベストシーンは高速決着の中で3着でしたね。
まだ体が軽いといいますか、もう少し成長してくれると、良くなりそうですね。それでも現状の走りをしっかり引き出してくれたように感じます。
——ヤマメキングはどうでしたか。
展開が向いたのもあるのでしょうが、能力もあったのでしょうね。まだ良くなる余地はありそうですが、ひとまず結果が出て良かったです。
——次週はホープフルS(G1)も予定されています。今週は月曜に森泰斗騎手の引退式にも出席されていましたが、旧友たちと親交を温めていましたね。戸崎さんも勝負服を着ての出席でしたね。
そうですね。皆が勝負服を着ていましたからね。
——引退といえばフリオーソも種牡馬を退いたニュースがありましたね。
僕の中では一番の馬なのでね。第二の人生(馬生)を終えて、余勢をゆっくりできるといいですね。産駒にも乗せてもらって、代表産駒であるクロジシジョーにも乗せてもらえたのは良かったです。地方競馬でも安定して活躍していたイメージで、長く活躍してくれた印象です。
——今後、会うことは・・・?
はい、機会があれば行きたいですね!
——今週もありがとうございました。
ありがとうございました。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。