'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
11月18日時点1558勝
秋華賞は素質に懸ける!サングレアルと参戦へ
2014/10/15(水)
素質を信じて挑む秋華賞
-:秋華賞(G1)ですが、サングレアル(牝3、栗東・松田博厩舎)に引き続き騎乗ということですが、前走のローズSは残念な結果に終わってしまいました。
戸崎圭太騎手:残念な結果になってしまいましたね。オークスの時に初めて乗せてもらったのですが、返し馬に行った感じでは、その時よりはフットワークのスムーズさ、柔らかさというのもありましたし、馬は良くなっているな、とは感じましたね。ただ、体重的にそれほど増えていなかったので、そこは少し気になってレースに行きましたけど、出負けして……。
終いを活かすような競馬をしたいと思っていましたし、先生(松田博資調教師)からもそういう指示がありました。位置取りは気にはしなかったのですが、終いの手応えが今イチ伸び切れなかったというのはありますね。
-:勝負処では外に張るような仕草も見受けられました。
圭太:そうですね。3コーナーを回ってから、少し手応えも良くなったので、ポジションを少しずつ上げていこうかなと思ったところだったのですが、少し内の馬を気にしたのか、外に張るような走りになってしまって。ああいう形になると、力が外、外に逃げてしまいますからね。あんまり良い形ではないですし、それも影響したのかなと。
-:それにしても、今回は良い時の走りがみられませんでした。
圭太:東京で重賞を勝った時は、強い勝ち方をしていますからね。今回は気が乗らなかったのか……。休み明けだったので、また叩いて良くなればな、と思っています。
-:ただ、今回は関西圏の競馬でプラス6キロ。また体が減りそうな可能性はありますね。
圭太:正直、体重はそんなに減ってもらいたくないんですけどね。そういう意味でも精神面も敗因の一つにはあるのかな、と思います。
-:この馬に関してはフローラSで良い走りは見せているので、復活というか、本来の走りを出来るかどうか、というところが焦点だと思います。何か変わり身を見せられる余地というか、可能性を感じる部分はありますか?
圭太:フローラSで勝った走りを。持っているモノは持っているのでね。それだけを信じて乗ります。
-:何か乗り方を変えるとか、何かそういったことは特別にありませんか?
圭太:特にないです。前回外に膨れたのがちょっと気になったので、そこだけは気を付けようとは思っていますけど、あとは自信を持って挑みたいですね。
-:外に張るような仕草ですが、今まではああいうところはなかった訳ですよね。
圭太:と思いますね。
-:先生から見ての敗因とかそこら辺は感じれる部分はあったんですか?
圭太:「う~ん、何でやろうなぁ」とは言っていましたけど、「まあ、休み明けだし」ということは言っていました。「次は変わる」とも言っていましたね。
-:あとはやはり体重が気になりますね。
圭太:そうですね。もう少し増えてほしいとは思います。
-:枠などの条件で変われる余地があるタイプですか?
圭太:う~ん、それほど前に行く感じでもないのでね。ゲートも良いタイプではありませんから。
-:展開に注文はつきそうですか?どちらかと言えば、馬群に囲まれた時の方が良い印象があります。
圭太:確かにそういう方が良いのかな、という可能性はありますよね。とにかく馬を信じて、やるっきゃないですね。
-:府中牝馬S(G2)ではレイカーラ(牝5、美浦・堀厩舎)に騎乗されるということで、こちらも簡単によろしくお願い致します。
圭太:2回乗っていますが、乗りやすい馬ですよ。どんな競馬でも出来そうなタイプです。気性も素直ですし、そういうイメージですね。
-:条件的には府中の1800ですが、相性はどうですか?
圭太:どこでも立ち回れるような感じだと思うのでね。そこは大丈夫だと思います。
-:差してきている印象があるのですが、乗った時は前に行っているんですよね。
圭太:うん、スタートも速いのは速いんですよね。休み明けも心配ないでしょうし、人気もないかもしれません。一発狙いたいところですね。
リーディング奪取を再宣言
-:他には最近変わったことはありますか?
圭太:いや、特にないですね。今年はやっぱりリーディングを意識しているので、余計なことは考えずにひたすら競馬に集中したいなと思いますけどね。
-:ここから抜かれたらヤバイですね。
圭太:まあね、ステッキを置くべきですかね(笑)。
-:あと10、11、12月ですが、リーディング争いはエージェントさんも力の入るところですね。
圭太:そう思いますね。
-:ちなみに、同じエージェントさんの内田騎手の復帰のメドは立っているのでしょうか?
圭太:いや、まだ分からないみたいですね。10月中には、と思ったみたいですが、なかなか良くならないみたいです。尺骨って詳しく知りませんが、他の騎手の人も凄く痛い、と言っていましたね。僕も怪我には気をつけて、1日1日、1レース1レース、気を付けて乗らなきゃなと思いますよね。
「それまでは(リーディングを)獲りたいな、という感じでしたが、絶対に獲ります」
-:今は関係者からも(リーディングを意識させるような)そういう声が多いですか?
圭太:いや、特には。僕も(川島)先生がいなくなってからだね。絶対に獲らなきゃいけないと思ったのは。それまでは獲りたいな、という感じでしたが、絶対に獲ります。
-:今年だけでなく?
圭太:まずは今年ですね。今年。必ずモノにしたいと思います。
夏の新潟は圧倒的な勝利数でリーディングを獲得した戸崎騎手 残り3ヶ月のラストスパートに期待が懸かる
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。