'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月4日時点1555勝
名コンビ・ベストウォーリアと盛岡で連戦、連勝へ
2014/10/31(金)
その日の気配に変化があるのはベストウォーリア
-:そして、ジェンティルドンナに続き翌日のJBCクラシック(Jpn1)ではベストウォーリア(牡4、栗東・石坂厩舎)に騎乗されます。すっかり石坂厩舎のジャージを着用されて、「チーム・石坂」の騎手になった戸崎騎手に引き続きの質問です。ベストウォーリアは今回、久々の2000mになります。そこが最大の課題なのかとは思いますが、その見通しはいかがですか?
戸崎圭太騎手:問題ないということはないでしょうが、走れないことはないのでね。別に2000になったからといって、全くダメだということはないので悲観はしていないですし、どういう競馬をしてくれるのか楽しみですね。
-:前回を見ると、折り合い面もだいぶ改善されてきたのかな、という印象がするのですが。
圭太:まあ、以前に2000mを走った時も、特に折り合いでどうこうというマイナス要素はなかったんですよね。ただ、今思えば、ちょっと走りに硬さがあったのかと思うので、その辺の硬さも、フットワークも軽くなってきているので、どういう走りをするのか期待を持っています。
-:前回のレース前は雨で馬場が軽くなった際の心配もあったように思えます。しかし、相手が重賞実績の乏しいメンバーだったとはいえ、あの勝ちっぷりを見たら、レベルが違ったと誰もが分かると思います。今回跨っての印象はどういう走りでしたか?
圭太:強かったですね。ベストウォーリアの雰囲気もプロキオンSよりも良かったですし。
「その日、その日で走る雰囲気が違う感じがしますね。随分気が乗っている時もありますし」
-:ベストウォーリアの気配を折れ線グラフで示すとどういう感じでしょうか?
圭太:う~ん、何かその日、その日で走る雰囲気が違う感じがしますね。随分気が乗っている時もありますし。
-:その上で前回の気合乗りはどうでしたか?
圭太:いや、乗っていました。プロキオンSの時はほんの少しですが、全然見た目では分からないくらい、僕が感じる本当にちょっとした程度でしたね。前走は少しオットリとしているのかなという気はしました。
-:それはユニコーンSの時と比較するとどうでしょうか?
圭太:ユニコーンSの時は、前走に近かったかなというのはありますね。ちょっとしたさじ加減の程度で、周りからは分かりづらい程度なのですが。
-:テンションというか、気合の乗り方に左右される部分があるということですか?
圭太:う~ん、どうなんですかねぇ。ただ、それでもプロキオンSを勝っていますからね。相手関係よりは、レースを見ると、やっぱり道中の手応えが違うと思うんですよね。それで判断をしてもらえれば良いのかな。いくら1400だから、1600だからと言っても、やっぱり手応えというのはペースが違っても、その雰囲気、手応えによりますからね。プロキオンSとこの間では全然違うので。前回がプロキオンSで1400だったとしても、勝った時の手応えよりは、もっと良い感じで付いていけると思うんですよね。
-:プロキオンSとか、2着に負けたアハルテケSとかを見ていたら……。
圭太:だから、具合が悪いとか、そういうことではないのですが、生き物ですからね。その時の気分があったりするのかな、というイメージではいます。
-:地方のダートも何度か走っています。その適性はどうですか?
圭太:全然問題ないと思いますね。むしろ向くと思います。
-:盛岡と言ったら、輸送距離も長いと思います。それでいて、前走が良い雰囲気だったのが、少し不思議に感じました。
圭太:全然問題なかったです。そういうことに関しては大丈夫なタイプだと思いますね。
-:上半期にはフェブラリーSで上位人気に推されたように、周囲の評価の高い一頭です。レースへ向けてのまとめをお願いします。
圭太:前走はああいう強い勝ち方をしていますし、また同じ舞台です。距離は延びますが、どういう戦い、走りを見せてくれるのか楽しみですね。G1ということで盛り上がれたらと思います。今は力も付けていますし、フットワークも良くなっていますのでね。
軽さの出てきたステラスターライト
-:こちらも話題にあげさせてください。その辺が2戦目というか、使ってからの課題になるということですね。そして、アルテミスS(G3)ではステラスターライト(牝2、美浦・堀厩舎)に騎乗されますね。
圭太:そうですね。水曜日(10/22)の追い切りに乗ったのですが、フットワークは軽かったですね。良い動きでしたし、これもまた楽しみですね。
-:「軽い」タイプですか?
圭太:そうですね。新馬の時は、どちらかと言えば力強さもあった印象でしたけどね。
-:レースを見ていると、軽い芝が向きそうな血統の割には、パワーがあるような、そんな印象を受けました。
圭太:そうですね。だけれど、今週は何かディープの感じがありましたね。
-:いずれにせよ、東京のマイルという条件だったら、こなせそうな要素ということですね。
圭太:そうですね。
-:2歳牝馬のルージュバック(牝2、美浦・大竹厩舎)は前回で新馬勝ちをして、ジョッキーの評価も高い一頭と聞きます。お馴染みの勝負服(キャロットF)になりますし、11月9日の百日草特別での簡単な見立てを教えていただければと思います。
圭太:凄くセンスの良い走りをしていたと思いますね。道中の雰囲気も良かったですし、最後の脚もね。外から来られたこともありましたが、一度4コーナーで待てた余裕もありましたし、追ってからの反応も良かったです。フットワークも良かったので、楽しみな存在ですね。課題を挙げれば、ちょっとテンションが高くなりそうな気配もあるので、そこが2戦目でどうなのかな、というところですね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。