'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
10月28日時点1550勝
京王杯2歳Sでアッと言わせるV “けい太”が魅せた!
2014/11/28(金)
可能性を秘めたセカンドテーブル
-:京王杯2歳S(G2)のセカンドテーブルからお聞きしたいのですが、テン乗りで2歳馬ですし、レース前の厩舎とのやり取りと言ったら、おそらく直前の話くらい。人気的にも細かな打ち合わせとかはないのかな、と想像しているところですが、重賞勝ち馬のアクティブミノルが前に行って、向こうが良いスタートだったにも関わらず、すぐにハナを取す形になりましたね。
戸崎圭太騎手:先生(調教師)からは特に指示はなかったです。僕自身、戦前からは絶対に(ハナに)行こうという気はなかったですけれど、外から来ていたので、被されるよりは、という感じで、ちょっと出して行きましたね。
-:行ってからの雰囲気は、ペースもキツくなかったですし、これだったら勝ってしまうのかな、という感じがしました。道中の手応えや雰囲気はいかがでしたか?
圭太:雰囲気も良く、乗りやすくて良いフットワークで走ってくれてましたね。ゴールするまでは脚がどこまで持つか、想像もつきませんでしたが。
-:新馬は良い勝ち方をしていて、2戦目はアレッという感じでした。それ以来の実戦でいくらか間隔も空いていて、夏から冬への季節の変化もあったと思います。環境面の変化による仕上がりや状態はいかがでしたか?
圭太:良い感じの返し馬だったので、特に休み明けとか久々というのは感じなかったですね。ただ、それは比較がないだけに返し馬ではあんまり分からないんですよね。
-:それにしても、まさか一発あるとは思わなかったです。
圭太:そうですね。でも、「調子が良い」とは聞いていて、前にも行けるし、という期待はどこかにありましたよ。
-:ダートは合いそうですか?
圭太:う~ん、芝かな……。
-: 1200で勝って、1400でも逃げ切りました。将来性としては、どういったフィールドで活躍するタイプですか?
圭太:基本乗りやすいのでね。そんなにテンションが高い訳でもないですし、操縦もしやすい。距離が延びる分はもっと楽に行けるというか、追走も出来るし、良いのかもしれませんね。
京王電鉄のイメージキャラクターであるけい太君と「合体」の戸崎けい太騎手
同名であることは表彰式で知ったとのこと
絶好調、これまでのキャリアが裏目に出たJBC
-:JBCクラシック(Jpn1)のベストウォーリアはいかがでしたか?
圭太:ベストウォーリアは少し引っ掛かりましたね。馬は絶好調で、前走もああいう形で2番手でフッと落ち着いてくれたのですが、なかなか落ち着いてくれなくて、1コーナーくらいまでけっこう力んで走っていたので、それが影響した感じですかね。
-:「引っ掛かった」というのは、戸崎騎手の口から出るのが少ないキーワードだと思いますが、この馬に幾度となく乗ってきた中でも、今までの中でも余計に引っ掛かったという感じですか?
圭太:今まではこういった事はなかったですね。
-:JBCの時にも「絶好調だった」と何度かおっしゃっていましたけれど、これが絶好調のデキで1600だったら、まだこなせたかもしれない、という可能性があったんでしょうね。
圭太:あとは展開ですか。まあ、馬は絶好調で今までで一番のデキ!というほど気も乗っていたし、イレ込んでいるという訳ではなく、気合いが乗っている感じでしたからね。
-:ポジション取りというか、位置取りは、意図していたよりも行ってしまった部分もあるということですか?
圭太:そうですね。
-:しかし、栗東からはあれだけ通り盛岡まで、2度も行って好調とは、恐れいりますね。
圭太:だから、あとは短いところというか、1600ぐらいまでの距離ですが、そこをずっと使ってきているので、馬の気持ちが入っていたというのもあるかもしれないです。これまでの距離経験と、状態面の両方でそうなってしまった感じですかね。
-:やっぱりワンターンとコーナーが4つになるのは、馬の戸惑いというのは他の馬でもあるものですか?
圭太:それは勿論です。これは引っ掛かる話とは別ですけどね。今回はコーナーを回る前に引っ掛かっている訳だから。けれども、戸惑いは絶対にあると思いますね。
-:特にこの馬に関しては、ほぼ……?
圭太:ワンターンですからね。
-:もう少し戦前に経験さえしていれば、どうにかなっていた部分があったかもしれないですね。JBCスプリント(Jpn1)はセイクリムズンに騎乗。こちらはいかがでしたか?
圭太:外枠がちょっと痛いかな、という感じでしたね。状態は確実に上がっていた感じはありましたので。
-:その前のレースでかなり体重を減らしていたんで、そこから上がっていくのかな、という心配もあったのですが、違いや良くなってきた部分はありましたか?
圭太:返し馬ではトモの張りもありましたね。踏み込みも良かったですし。惜しむらくは速い馬場よりは……(時計が掛かる馬場が良い)という感じですね。
-:あの条件で馬場と枠を考えると、もっと苦しい戦いになる感じもしたのですが。
圭太:う~ん、やっぱり素質はありますね。そして、今は1200というよりは、もうちょっと長めでも良いのかなという感じが受けますね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。