'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月4日時点1555勝
大役果たせるか 遂に引退ジェンティルドンナと2度目のタッグ!
2014/12/21(日)
ジャパンC当日の馬場状態とは
圭太:渋太さを活かそうと思っていましたし、先生(矢作芳人調教師)からもそういう指示がありましたので、ある程度前の位置で競馬しようとは思っていました。最後はタレていってしまいましたが、やっぱり力のある良い馬ですよ。
-:良い頃の結果から比べると、最近は不振が続いていますね。
圭太:特に状態が悪いこともないですし、雰囲気は良かったですよ。
-:あの日の馬場自体はどんな状態だったでしょうか?
圭太:少し緩かったですね。アンコイルドにとっては、もっと悪くなった方が良かったかなと思いますが、全体的に緩い感じですね。
-:そういう中で、ジェンティルドンナに1回乗って、有馬記念(G1)への参戦という可能性も無きにしも非ずの中で、ある程度、存在を意識する部分もあったと思います。馬場が少し緩かったということで、あの日の馬場は敗因にもなるというレベルということですね。
圭太:そうですね。苦手な馬は影響するかな、という感じはします。ジェンティルドンナに乗った感じは、何かこなせそうな感じもするのですが。
-:イメージだけでいえば、悪い馬場をこなしても不思議ではないように感じるのですが、やはり時計の出るレースが向きますよね。
圭太:成績が伴わないのは、やっぱり苦手な部分もあるのでしょうね。
-:JC後のムーア騎手からすると、グリップが利かないというか、全然ダメだったという通訳さんの談話でした。中山の芝の話題になりますが、今の時点での見通しというか、中山の馬場への適性はどんな印象ですか?
圭太:晴れなら別に大丈夫じゃないですかね。
-:路盤改修が行われた中山コースです。乗ってみて馬場はいかがでしたか?
圭太:緩かったですね。開幕週なので先行有利なのかなと思いましたが、あの週はけっこう差しが利いていたので。
-:2週目はそうでもないですね。
圭太:そうですね。開幕週の方が差し有利でしたね。水分量、週中の天気によってのものだと思います。
-:レースを使ってのダメージはありましたか?
圭太:いや、まだ大丈夫だったですね。当日はもちろん、レース前に雨さえなければ良い状態が見込めると思いますよ。
JCではアンコイルドに騎乗した戸崎騎手(写真左)
課題とされる右回り
-:そして、これから聞かれると思いますが、課題の右回りです。
圭太:ハイ。それは、そんなことを気にせず乗りますけどね。ダメであろうが、そんなのはしょうがないですもんね、フフフ。こっちが右回り、左回りと競馬場を替えれる訳じゃないから。
-:右回りが苦手な理由というのは、感じられる部分はありますか?
圭太:何かダメなんだ……?というぐらいですね。そんなバランスが悪いとか、どっちにモタれるとか、特にそういうのはないので。
-:バランスは悪くないけど、フットワークは別に綺麗でもないと。
圭太:そういう走法が影響あるのかな、という気がしますね。利き脚とか、そういうのも一理あるのかな、という気は。馬は左利きが多いなんて、一説として耳にしたことはあるのですが。
-:ジェンティルドンナ自身、手前はどちらが好きだという感触はありますか?
圭太:特に感じないですね。そもそも、僕は右回りでの走りを経験していませんから。こればっかりはやってみないと分からないのが正直なところです。
12/17(水)、坂路で戸崎圭太騎手が騎乗
馬なりで4F53.8-39.4-26.2-13.5秒をマーク
サンライズネオを0.7秒追走し0.2秒先着した
外よりも内枠が理想
-:今回は枠順の公開抽選じゃないですか。あれはジョッキーも参加されるのですか?
圭太:一応、参加型ですが、どうなるか分からないですね。
-:調教師、馬主さんも一緒に出る訳ですか?
圭太:関係者ですね。ただ、場所が場所なのでね。美浦と栗東、スタジオと分かれるわけで、果たして集まるのかな、という気はします。
-:ただ、1分間しか考える時間がないという話です。
圭太:それは前もって希望を決めておくんじゃないですか。それは先生らとも事前に聞きますよ。厩舎には自分の意見は言いますが、正直、僕は選びたくないですね(笑)。
戸崎圭太騎手マネージャー:でも、相手に取られちゃったら。
圭太:それは順番を決めておく訳だから。
-:じゃあ、四の五の言わず、最後に決まれば良いんじゃないですか。8枠になります。
圭太:それだと、やっぱり不利なところでしょ(笑)。中山の2500で外はダメですよ。やっぱり枠順の有利不利はありますね。
-:ファンでも知っていますね。という意味で、現時点で明かせる部分としては、ある程度、内枠希望ということですね。
圭太:まあ、基本はそうですよね。
「本当に乗りやすいのが一番良いことなんですよ。どういう乗り方でも出来るというのが」
-:凱旋門賞の場合は、スポーツ選手が最初の馬を引いて、番号を引いて、という決め方。希望制だと色々とシュミレーションが大変そうですね。
圭太:番号を決めてもらいたかったですね。初の試みでしょ?
-:日本では初です。アメリカなどではやったことがあると言っていました。
圭太:へえ、選べるんだ。
-:もちろん抽選前にそういう打ち合わせとかも、直前にならないとやらないということですね。
圭太:そうですね。タイミングはあるので、やっておこうかと思っています。
-:ジェンティルドンナとのコンビは2度ですが、歴史的女傑が遂に引退レースを迎えます。最後の大役を務めることになりましたが、決意を聞かせてください。
圭太:右回りがダメだとか……、中山は初めてですよね。そんな不安材料も囁かれますが、何にせよ乗りやすさは一番だと思っているので、思い切って乗ろうかなと思っています。引退レースなので、有終の美で終われれば最高です。有終の美を飾って、無事に引退式という形を取りたいですね。
-:有終の美を飾れるのか期待は高まりますが、有馬記念はドラマがあるレースだと思います。良い形で終われれば、という感じですかね。
圭太:はい。何にせよ、もう引退レースなので、無事に帰ってくるのが一番だと思っていますので。
-:中山は合いそうじゃないですか?
圭太:レースセンスはありますのでね。
-:余程、東京よりも中山の方が、良いのかなという印象があります。
圭太:直線の坂がどうなのかな、という雰囲気はありますよね。そんなことを考えたら何もないので。本当に乗りやすいのが一番良いことなんですよ。どういう乗り方でも出来るというのが。
-:初めてのコースでジェンティルの能力が引き出されるようなことはないですか?
圭太:どうなんですかねぇ。泣いても笑っても、これが最後。最後の鞍上を任され、引き受けたわけだし、それに応えたいと思います。
-:レース当週にも何らかの形でコメントをお聞かせください。ありがとうございました。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。