'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月18日時点1558勝
世界の名手・ムーアとの交流も 読者とのQ&Aコーナー
2015/1/30(金)
読者からの直球質問に回答!Q&Aコーナー
-:昨年末は有馬記念を制し、リーディングを獲得と、戸崎騎手の注目度は増すばかりですが、読者からも沢山質問が来ていたので、久々にそんな話題にも触れていただければと思います。以前もこの話は伺いましたが、まず「ムーア騎手の話題が以前出ていましたが、ジェンティルドンナのことは話されましたか?」という質問が来ております。
戸崎圭太騎手:そこまでは色々と話していないですかね。(ムーア騎手が日本に)来る前に僕も跨ったので、ある程度自分の中でも感触はありますからね。ジャパンCが終わってからの感触は聞きましたが、「やっぱり馬場が渋ったのが一番影響した」と言っていましたね。
-:そこが一番の敗因という感じだったのですね。
圭太:追い切りに乗った後にも聞いたら、「(ジャパンCを連覇した)一昨年よりも状態は良い」とも言っていましたね。
-:厩舎の人もそんな見解は示していましたね。2013年のジャパンCでは、ムーア騎手も勝った割にジェンティルドンナに対して辛口なコメントでした。それがドバイを勝ってからは、凄く評価が上がったのか、ガラッと良いイメージを持った印象がありました。また、「ムーア騎手が戸崎騎手の腹帯を使っているのを見掛けましたが?」という質問ですが、それは本当なんですか?
圭太:たまに、使ったり使われたりというのがありますね。自分も借りたり……ね。まあ、僕の場合は、地方時代のもあったので、けっこう道具は管理してあるのでね。他の騎手仲間でも、貸し借りはし合っているというのはありますね。多分、貸したんじゃないですか?
-:「多分」というと、それは、競馬界としてよくある話なのですか?
(バレットも務める)マネージャー:まあ、勝手に使うということはなかなかないですけどね。バレット間でけっこう貸すんですよ。例えば、鉛入れとかは遠征に来ていると、そんなに道具類は持って来ないので、ちょうど良いぐらいのがあるかな、なんてね。破損した場合に自分のところの騎手の分を貸してあげたり。それは騎手が知らない間でも恐らくあることかもしれませんね。
-:ルールに抵触することでもなく、よくあることなのですね。
圭太:そうですね。僕が知らない間でもあることです。
イラストつきの戸崎騎手の腹帯 地方競馬時代から使用しているオリジナルのデザインだ
-:続いての質問です。「昨年で一番嬉しかったこと、また悔しかったり、残念だったことを教えて下さい」
圭太:嬉しかったことは有馬記念ですね。悔しかったこと? う~ん、何かあるかなぁ……。まあ、レースの中の悔しかったことは沢山あって、あり過ぎるくらい。悔しいことのほうが多いので、挙げきれないですね。
-:「よく『乗りやすい馬』とコメントされていますが、具体的に乗りやすい馬とはどんな状態なんでしょうか?」という質問です。確かに、「乗り易い馬」はけっこう聞くフレーズかなという印象はありますね。
圭太:あ~、多いですかね。つまりは素直、言うことを聞いてくれるということですかね。レースには色々な流れがあるので、行ってしまってはいけない部分で騎手が控えたい時にスッと納まってくれる。行けと行った時にすぐに反応して動いてくれる。僕はそういう馬を基本的に「乗りやすい」と言っていますかね。
-:最近、乗りやすい馬の代表格はいましたか?
圭太:ジェンティルドンナですね。他にも乗りやすい馬はいますけどね。
-:相対的に乗りやすい馬と乗り辛い馬は、どちらの方が多いもんですか。やっぱり乗り辛い馬の方が多いわけですか?
圭太:そうですね、う~ん。それは多分、タイプがあるんでしょうからね。だから、自分が「乗りやすい」と言っていても「いや~、ちょっと難しいな」と感じる人もいるだろうし、逆もあると思うんですよね。
-:まだまだ続きます。「ジェンティルに2回騎乗されて、今回騎乗するにあたり、ジェンティルドンナは戸崎ジョッキーのことを覚えてくれていましたか?」
圭太:う~ん、フフフ。まあ、どうなのか分からないですけどねぇ。僕は天皇賞(秋)で凄く相性の良さを感じたので、僕自身はそう思っていますけどね。
-:(馬は)乗ったことを覚えているもんなんですか?
圭太:どうなんですかねぇ。ずっと乗っていたりすると、あれっ、今日はちょっと違うな、という感じはあるのかもしれないですよね。1回1回替わると、それが当たり前みたいな感じになっちゃうのかもしれないし、ずっと乗っていたのに違う人が乗ったりすると、確かにそれは感じるかもしれないですね。
-:人間側から見るジャッジとしては、覚えていてくれているかどうかというのは、そこまで細かくは分からないということですね。
圭太:まあ、そうですね。そういう反応はどこで取って良いか分からないんで。厩務員さんや助手さんならば別でしょうが。
-:切実な質問?です(笑)。「技術的にも尊敬していますし、好きな騎手なのですが、なぜか馬券での相性が最悪で、私が軸にした時に限って必ず飛ばれます。本当に笑っちゃうぐらい噛み合いません。好きなのに絡んでもらえないのは悲しいですが、これも相性なのかと思って諦めています」
圭太:(勝った時にこないとは)よく言われますけどね。
-:「ご自身も一方通行の報われない思いを持ち続けたことはありますか?」
圭太:まあ、色々なことでありますかね。乗りたいなと思っていても、全然(騎乗依頼が)なかったり……(ニヤリ)。
-:「リーディングになって、何か自分へのご褒美として買う予定はありますか?」
圭太:いや、特にないです。普段から買うべきものは買ってるし、物欲はそんなにないですね。
-:これも前回の取材でも伺っていますが「ジェンティルドンナは中山が苦手だと言われていたので、どう導こうと考えていたんですか?」苦手というか、走っていないですからね。
圭太:ああ~、ジェンティルがね。苦手ではなかったということですね。
マネ:まあ、走ったことがないからね。こなせたということですね。
-:もちろん乗る時には、そんなことを考えて乗る訳じゃないですよね。
圭太:まあ、そうですね。乗る前は微塵たりとも、不安はなかったですね。
-:レースからだいぶ時間が空いているというか、前だったら、条件による差も考えるということですね。
圭太:まあ、そうですね。レース前はそんなことを考えないですから。
-:これは毛色の違う質問かもしれません。「連対時の脚質を見ると、追い込みが他の人に比べて一番多いのですが、後ろにいて不安などはないのですか?」
圭太:(後方は)不安ですね。
-:この数字は見たことがないのですが、追い込みが多いというのが、ちょっと意外な気がしたのですが。
圭太:僕も意外だなと思いましたね。別に、そんな得意でもないし……。参考にしたいですね。ハハハ。
-:定番の質問かもしれません。「趣味がゴルフだということですが、一緒にゴルフをするなら、誰と回ってみたいとかあるのですか?」
圭太:ウッズ、ミケルソン、ワトソンとか。
マネ:海外(の選手)に行っちゃうんだ。
圭太:海外だよ。いや、幸さん(幸英明騎手)です!
-:これは僕も気になる質問ですが、「英語を勉強されているみたいですが、英語の先生になってもらいたい外国人騎手はいますか?」
圭太:騎手で?いないでしょ、そんな。
-:勉強の最近の進捗はどうなんですか?
圭太:まあ、slowly(スローリー)ですね、フフフ。
マネ:先生に会ったら「今週はやるよ」と言っていたのに、やらなかったですね。
圭太:うん、やらなかった。
-:スローリーどころじゃない感じですか?
圭太:うん、ベリースローリー。この英語があっているかどうかもわかりません(笑)。お陰さまで、何か取材とかも多いから、有馬の後くらいから時間がないですね。
-:リーディングをとったことに加え、余計に忙しいですね。
圭太:落ち着いたら、またビッシリいきますよ。
Q&Aコーナー(後半)
「乗り替わり、テン乗りの時に気を付けていることは?」の答えはコチラ⇒
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プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。