
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

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【ケイタのリアル反省会!】
1年振りの背中の印象は……?
2013/7/18(木)

リーディングへの道をみんなで一緒に駆け上がろう!
競馬ラボ独占コンテンツ「週刊!戸崎圭太」では、JRAのトップジョッキーとして活躍する戸崎圭太騎手の生の声を毎週発信!レース・騎乗馬の話題はもちろん、“ポスト・アンカツ”としての活躍が期待される中、その安藤勝己さんから直々に叱咤激励のコーナーも!?
他にも、定期的に展開するQ&Aコーナーでは、ファンからの質問にもお答えいただきます!ファンと本人の架け橋となるコーナーとして、どこよりも「ケイタ情報」を発信いたします!
地方No.1ジョッキーの名前を欲しいままにし、JRAへ電撃移籍。新たなステージで頂点を目指す戸崎圭太騎手を競馬ラボでは徹底!応援宣言します。目指せリーディング!そして、もっともっと戸崎圭太を応援しましょう!
昨年のラジオNIKKEI賞を制した後は勝ち星から見放されているファイナルフォーム(牡4、美浦・堀厩舎)。その最後の勝ち鞍で手綱をとった、戸崎圭太騎手を背に挑んだ前走のエプソムCでは、コンビ復活に注目が集まるも、結果は5着。不振を脱却することはできなかった。約1年振りのタッグ、そして、2戦を通しての印象は?鞍上に振り返ってもらった。
-:エプソムCでファイナルフォームに約1年振りの騎乗。レースを振り返っていかがだったでしたか?
圭太:その前走のマイラーズCが「返し馬から、ちょっとチグハグになってしまった。レースも全く走らなかった」と聞いていました。それに、3歳の頃は直線でヨレたり、結構そういう気難しいところがある馬だったので、まずはレースに集中させて走らせよう、とは思ってましたね。スタートから気を付けて、なるべく集中力が切れないよう、気を付けて返し馬をして、ゲートを出して。その辺は上手くいきましたね。
-:レース前の追い切りを観ると、コーナーではちょっと外に張るというか、そういったところがまだ、残ってはいるんですね?
圭太:まあ、そうですね。右手前がちょっと右にヨレるというような走りはしてるんですよね。
-:エプソムCの直線でも途中まではそんな感じだったでしたか?
圭太:この間も直線では右手前で、ずっと変な形で走っていました。それを最後に左手前にして、というレースでしたね。その最後も左手前に“戻した”というよりか、左手前に替えて普通に走って。ちょっと右手前の方がバランスがいまいちな感じはしますよね。
-:手前の替え辛さがあるというと、コーナーの曲がり方が難しかったりするタイプなんですか?
圭太:いや、コーナーとかは大丈夫です。
-:直線での走りにクセがあると。
圭太:そうですね。モタれちゃうのは右手前にした時ですよ。ファイナルフォームは左手前の時は真っ直ぐ走ってくれるんですけれど、右手前になると、なぜかこうやって走っちゃう。それが大きく曲がっているからね。だから、映像を見ていても「乗り辛かったね」と周りには言われますよね。だけれど、そのバランスがあるというか、そうやって走っているだけなので、別に操作が難しいとかいう訳ではないんですよね。
-:その分、ジョッキーが逆側で引っ張って調整しているんですね。
圭太:そうですね、ちょっと抑えればいいだけです。ただ、見た目は結構、乗り辛そうな感じだと思いますよ。走り方が斜めになっているからね。そういう馬はあんまりいないですよね。
-:右手前が難しいとなると、普通は右回りがベターかもしれませんが、どちらの回りが良いんですか?
圭太:どっちですかね……。でも、抑えていないんですよ。乗り辛いわけではなく、バランスが悪いだけで。
-:前回のように左回りで右手前がモタれる時はどちらにモタれるんですか?
圭太:いや、モタれるというか、どっちかと言うと、右に行くのかなと。

-:それでも、余裕があるからそういうことも出来るということですよね。右でそういう風になるということは、本当は左回りは良くないということですよね。右回りの方がおそらく良いということですよね?
圭太:まあ、普通ならそうですね。でも、左回りで外を回るなら、逆でも良いですよね。右回りでは内にササって凄く乗り辛いですから、左回りの方がダメだと思うんだけれど、僕自身は左回りの方が全然、乗りやすかったんです。中央ではそういう馬が多いですね。以前、乗せてもらったスズカセクレターボなんかも多分、そんなタイプ。あれも左回りでかなり斜め外にすごくササっていたらしくて。だけれど、左回りの方が走るから乗りやすいんですよね。
本当はモタれ方にしても、ラチがある方にモタれた方が乗りやすいんですよ。右回りだったら、右に寄れる方が。だけれど、右回りで右に寄っていく馬を左回りにしたら、ラチと反対に行っちゃう訳じゃないですか。だから、普通は乗り辛そうと思うんですけれど、あんまり中央の馬はそうじゃなく、逆にそっちの方が良かったり……。
-:どういう理由なんですかね?
圭太:わからないです(笑)。
-:そして、地方では右にモタれる馬は右回り、左にモタれる馬は左回りがいいということですね?
圭太:そうですね、そっちの方が乗りやすかったです。中央は馬場が広いせいというのもあるのかなあ~。逆に「右回りで内にササるから、左回りを使おうか」と結構、言われることが多くて。「それはダメでしょ、逆でしょ」と思っていたけど。
-:地方の方が左回りが多いから、クセが出やすいとか?
圭太:いや~。寄れる方の回り方に行きたいというのはありますけどね。
-:ただ、アメリカなんかも左回りばかりというし、左回りの方が得意な馬というか、基本的には走りやすいというのが基本なんじゃないですか、馬というのは?
圭太:ああ、左回りがね。確かに左利きと言いますもんね。
-:人間もそうですよね、トラック競技は。
圭太:ああ~、確かに左回りだ。
-:僕が思ったのは地球が東に回っていく、左回りと聞いたことがあって、僕はそれかなと思ったんですけど。
圭太:結論は分からないですよね。ただ、左回りの方が走りやすいと言いますよね。

左から6頭目がファイナルフォーム、右にモタれるような走り方をしているのがわかる(パトロールビデオより参照)
-:レースの話題に戻ります。前回は終いの脚もジリジリとした感じではありました。
圭太:う~ん、正直、あんまり良いイメージがないんですよね。本当にどこか走り方も変わっちゃったし……。それが体調面なのか、何が原因なのかよくわからないですけれど。
-:どこか痛いところがあって、それを出せないとか?
圭太:痛みではない気がします。走りがあんなに軽くて、バネもあるような感じだったんだけれど、なんだか伸びきっちゃって、バターン、バターンと走ってるようなだけで。
-:一度、3歳の時に乗られていて、前回は久々に乗られたと思うんですけれど、感触の違いはどういったところがありましたか?
圭太:力は付いて、大きくなっているな、というイメージはありましたね。
-:一方で悪くなった点はありましたか?
圭太:う~ん、その走り方が幾らか伸びきっちゃってるというか……。道中なんかもそういう形だったんです。
-:最近の走りを見ていると、あんまりフットワーク自体は大きくない方ですよね?
圭太:いや、前は違かったんですね。以前はまとまりが出来ている上で、大きな起伏・バネがあるような感じが、そのバネが小さくなっているような……。どこか、軽さがちょっとなくなってるかな、という感じが……。
-:それはどんな要因があってかというのはわかりますか?
圭太:う~ん、わからないです。
-:その中でいい材料を探すとしたら、ゲリラ豪雨など、急な雨がある季節です。雨が降ったとしたら、道悪は結構、良い材料じゃないでしょうか?
圭太:ダメな感じはしないですね、力もあるし。

-:この馬はディープインパクト産駒で、ディープの馬では、堀厩舎のエバーブロッサムとか、リアルインパクトも乗られてると思うのですが、良い時に騎乗された印象でも良いんですけれど、何か共通する点とか、感じるところはありますか?
圭太:ディープは良いですね~。やっぱり、良い馬です。全身にバネがあるというか、それは感じますね。新馬勝ちのリターンラルクもそうだったし、リアルインパクトもファイナルフォームも良い時はそうだったし、エバーもそうだしね。全身を使える共通点がありますね。
-:どこかディープインパクト産駒というと、少しキレじゃないですけれど、もう少し軽い走りというか。その点、ファイナルフォームやリアルインパクトは重厚さがあるよな違ったタイプかな、とも思いました。
圭太:リアルインパクトは馬格があるから、まだ、ちょっと違うところもありますけれど、それほどパワー型ではないと思うんですよね。まだ、ファイナルフォームの方がパワーがあるなというのは感じますね。ただ、全体的に全身を使うというか、背中にバネがあるのを感じるかな。
-:余談ですが、逆に産駒の特徴として、そういったモノを感じない血統はありますか?
圭太:チチカステナンゴは気が悪い、とかね。最近は種牡馬を頭におきながら乗るようにしているんですけれど、シンボリクリスエスなんかも、気性面ではシックリとこないし……。
-:チチカステナンゴはあまりキレないんじゃないですか?
圭太:それ以前に走る気が足りないから、気持ちがあんまり……。そういったところからディープなんかはレースに行ったら素直というか、走りに前向きというか。
-:それは少しあると思うのはやっぱり牝馬にも結構、良いのを付けてる訳じゃないですか。それでいて育成も結構、シッカリとしたところでおそらくやっているから?
圭太:そういうのもあるんですかね。

-:久々のファンの方から質問コーナーにお答えいただきたいと思います!まずは…
Q.「中央競馬でもナイターあるといいのになぁ…と思うのですが、ジョッキーの方にとってはナイター競馬って大変なんでしょうか?」
圭太:いや、ナイターの方が良いですね。まあ、僕はここ最近は、攻め馬をしていなかったので、している人は大変かもしれないですね。ただ、昼にゆっくりとできるのが僕は好きですね。結構、周りの人もそう言ってますよ。
-:やっている方だと起きている時間が必然的に長くなるので大変そうですね。的場(文男)騎手は、あれだけの大ベテランでも、いまだに攻め馬をやってますね?
圭太:やってますね。すごいですね。
Q.「日々、進化しようと精進されていると思いますが、そのために心掛けていること、座右の銘はありますか?」
圭太:座右の銘は“自分に勝つ”ですね。
Q.「牡馬と牝馬はどちらが好きですか?」
圭太:牝馬です。理由は分からないですけれど、今までの傾向を見ると、牝馬の方が良いイメージが湧くのでね。
-:自分の騎乗にフィットしている訳ですか?
圭太:はい。繊細な部分があるから、その中でいい部分を上手く出して乗りたい、という考えも自分の中であるので、牝馬の方が好きかなと。
Q.「試験勉強で奥さんが淹れてたコーヒーはどこの会社のモノですか?」
圭太:どこの会社? どこの会社なんだろうな(笑)。まあ、色々な種類があったと思いますよ。ありましたよ、きっと。
Q.「どんな寝相をしているのですか?」
圭太:寝相は自分で分からないですよね……?
-:確かにそうですよね。でも、その答えで良いんじゃないですか?そして「背骨を曲げないようにうつ伏せで寝たりするのですか?」とも聞かれております。
圭太:別にうつ伏せにしますけれど、それが理由だからではないですね。
-:それだけ体が出来てたら、あんまりこんな姿勢で寝ようとかはないですよね?
圭太:特別、気にはしないですね。そういう風に思って、イライラするのが嫌じゃないですか。変なことに気を使って。もう、自然体でいってますけどね。
-:ちなみに調整ルームのベッドというのは寝心地はいかがなんですか?
圭太:そういうところは全然、気にしないので、別に寝られますし、特別、高級なものとかでもないですよ。部屋は6畳くらいのスペースで、ある程度は決まってはいるようですが、どの部屋が誰とも固定はされていないですからね。
■クイーンSは連覇の懸かるアイムユアーズとのコンビ!次回は7月21日(日)に更新予定です!!

プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。