'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
12月23日時点1569勝
ベストな条件で巻き返す!ウォーリア&圭太
2015/2/21(土)
追い切りに初騎乗 その手応えは?
-:それでは、フェブラリーS(G1)に挑むベストウォーリア(牡5、栗東・石坂厩舎)についてよろしくお願い致します。いつものお話とは異なるポイントは幾つかありますが、まずは枠が出たばかり。先ほど5枠10番に決定しましたが、率直な印象はいかがですか?
圭太:こちらが出る上ではちょうど良いかなという率直な印象ですね。ただし、世間で中心視されているコパノリッキーを負かす上では、向こうは良い枠に入ってしまった感もありますね。というのも、予想される逃げ馬がコパノリッキーより外に入ったら、どうなのかな、付け入る隙はあるかな、とも思っていましたからね。これでコパノリッキーもスンナリと逃げ馬を先に行かせられるでしょう。
-:隊列も決まり易いし、ペースも落ち着きそうですね。
圭太:でしょうね。スローになりやすいと思います。
-:ただ、その展開とペース、枠を考えればスンナリ位置もとれるでしょうし、そこで我慢できるわけですからね。
圭太:そうですよね。コース成績は見ての通りですし、条件は整っているでしょうからね。
「先生も『いつもより良い状態で(放牧から厩舎に)帰ってきた』と言っていました。いつも見ている方の評価も良いわけですから、心配はないのでしょうか」
-:そして、これは珍しいと思ったのが、栗東へ当週の追い切りに乗りにいったこと。これはベストウォーリア目当てということですよね。
圭太:そうですね。先生(石坂正調教師)からも「乗ってほしい」という依頼がありまして、ベストウォーリアと新馬に乗りました。新馬は除外ですが……。
-:その追い切りは映像でも拝見しました。どんな感触でしたか?
圭太:追い切りに乗るのは初めてだったのですが、良い状態、良い雰囲気で来ていますよね。
-:一週前の立ち写真を見ると、いつもと比較してお腹の肉付きや毛艶がどうかな、という心配がありました。そんな面はありませんでしたか?
圭太:特にそういうところはなかったですね。追い切りは初めての騎乗なので、追い切りだけでの正確な比較はつきませんが、先生も「いつもより良い状態で(放牧から厩舎に)帰ってきた」と言っていました。いつも見ている方の良いわけですから、心配はないのでしょうか。僕は不安なく向かえますよ。
イメージを超越するタイプ
-:そして、今までの実績、厩舎のコメントを拝見する限り、チャンピオンズC以来という、少し間隔のあるローテーションは良い方向にも出そうですが、ご自身からの評価はどうですか?
圭太:乗っている印象だけでいえば叩いていって良くなってくるイメージだったのですが、成績を残していますよね~。休み明けで走っているように、そこも問題にしていないですね。むしろ僕の印象とは違って、良いのかもしれませんね。
-:再び立ち写真の話に戻れば肉付きの良いタイプですし、叩き良化型に思えます。それでも、成績は良いんですよね。もうここは成績をうのみにしてもいいのかもしれませんね。
圭太:ねえ。と思います。
-:そして、馬場状態に関しては、一時は力の要る馬場の方がいいのかもしれない、という見解もありました。結果的にどんな馬場でもこなしていますが、今週は週中に雨もあったので、パサパサの状態にまではならないかもしれません。改めていかがですか?
圭太:良馬場のほうがいいのかもしれないと思っていましたが、逆に軽い馬場で走っている時も多いのかな?こちらも認識違いなのかもしれないですね。
-:東京のマイル、なおかつフェブラリーSといえば、スピードもパワーも要求される舞台じゃないですか。そこで好成績を残していて、持ち時計もレースの勝ちタイムに匹敵するものはあるとなれば、やはりスピードにも対応できるのかもしれないですね。
圭太:成績どおり、コース相性はいいですからねえ。ワンターンというのもプラス材料ですし。
強調材料が揃う一戦
-:ここでは何度も伺っているのですが、改めてこのコーナーを読んでくれる方のために振り返ると、前走は状態面が敗因だったということでいいのでしょうか?
圭太:終わってみるとそうなのかもしれません。坂の地点で発走するコースとはいえ、スタートも躓いていましたからね。道中の走りも……でしたからね。
-:なおかつ距離もあったかもしれませんね。
圭太:でも、距離は長いところの時に良いリズムで走らせてあげてられないですからね。コーナー4つはわかりませんが、あながちダメとは思っていないんです。
-:一方のJBCクラシックですが、完敗に映る着差には見えます。
圭太:あの時はとにかく絶好調過ぎるというか、気が入り過ぎていましたからね。馬場入りの時もそうでしたし。
-:無事に思えた盛岡への2度の遠征も、結果的にはこたえていたのかもしれませんよね。なおかつ精神面のセッティングも、休み明けはちょうど良くなるのかもしれませんね。
圭太:そうですね。巻き返せる条件は揃っていると思います。
「僕は初めて乗せていただいた時から、フェブラリーSは良い舞台になると思っていますし、ようやっとそのチャンスが巡ってきましたからね」
-:今回は強調材料が数多く感じられる一戦となりそうです。一方で懸念される部分はありますか?
圭太:枠順も良かったですからね。内に包まれてモマれるような競馬にならなければとは思っていましたが、その心配もありませんからね。1ターンの競馬に戻りますから。
-:去年は乗られていませんでしたが、押せ押せの競馬できて、ここでも人気をしたものの、見せ場なく終わってしまいましたからね。良い枠を引ければと思っていましたが、その通りになりましたよね。
圭太:でも、競馬は上手ですからね。馬込みもダメというほどではないですし、どんな競馬もできますから。
-:あとは能力差がどこまであるか、というところですね。では、レースに向けての意気込みを聞かせてください。
圭太:僕は初めて乗せていただいた時から、フェブラリーSは良い舞台になると思っていますし、ようやっとそのチャンスが巡ってきましたからね。この馬の力を出しきれるよう頑張りたいと思います。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。