'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月4日時点1555勝
クラシックへ望みを繋げる!土日3歳重賞に挑む
2015/3/20(金)
2つの課題を克服したいローデッド
-:それでは久々の「週刊!戸崎圭太」更新となりますね。レース直前となるだけに手短ではありますが、今週末のレースのジャッジをお願いしたいと思います。まずはフラワーC(G3)のローデッド(牝3、栗東・荒川厩舎)ですが、前回はテン乗りながら、中山マイルの大外という条件を克服しての2着。今回は1800m戦になりますが、条件の違いはいかがですか?
戸崎圭太騎手:ハイ、よろしくお願い致します。ローデッドは前走の通り能力はあると思いますよ。しかし、精神的な部分など色々な課題はありますね。
-:前回は不利な枠で2着ですから、1ハロン延びても同じ中山で、普通だったら勝ち負けかなと思う人も多いと思います。そこまで手放しで信頼できるほどのものではないということですね。
圭太:能力だけを信じれば上位の存在ではあると思います。しかし、レースになると他馬があってのことですからね。展開もつきまといますから、前走も1600で(ペースが)遅いところをマクっていっての2着だったので、将来性を考えてもああいう競馬をもう1回やるのもどうかというのもあると思います。それに、ゲートの中もちょっと元気が良過ぎるタイプの馬なので、出方もどうなのかなと。もちろん枠によって乗り方も変わってきますよね。
-:もともとは姉のオースミハルカなど、この血統はおそらく気難しいタイプですよね。脚質的にはあまり切れるタイプではありませんか?
圭太:そうですね。長く脚をつかうようなタイプですから、距離が延びるのは問題ない、歓迎材料なのですが、テンションのさじ加減が難しいでしょうね。
-:ゲートであったり、道中のテンションなどが鍵だと。ファンが今日の調子はどうなのかとチェックする上では、どういったことを気を付ければ良いですか?
圭太:あまりイレ込んでいる仕草を見せているようだとどうかな、という気はしますが、その他は普通の(馬と同じような)見方で良いのではないでしょうか。
「脚の使いどころですね。器用なタイプではないので、馬込みに入ると自分の行きたい時に行けなかったりするとは思うので、そこは展開に左右されてしまいそうです」
-:馬場が荒れてきた時はいかがですか?今週は雨予報ではありませんが、前回よりは中山の芝も傷んでいる状態だと思います。
圭太:そこは大丈夫そうですよね。中京でも勝っているように、時計の掛かる馬場の方が良さそうです。
-:そして、先ほど仰られたとおり、多頭数でモマれる競馬になった時が不安材料ということですね。
圭太:モマれること自体は大丈夫だと思いますが、脚の使いどころですね。器用なタイプではないので、馬込みに入ると自分の行きたい時に行けなかったりするとは思うので、そこは展開に左右されてしまいそうです。
-:本質的には力のいる中京で脚を長く使えるような競馬であったりだとか、広いコースの方が良いのでしょうか。
圭太:広いコースでも、早めに脚を使ったら直線が長いので、そこを押し切れるのかというのもあると思いますし、脚の使いどころが難しいタイプかとは思っています。
-:お兄さんのオースミグラスワンは新潟の軽い芝で、32秒台の上がりを使っていたイメージがありますが、それとはタイプが違いますね。
圭太:まだ3歳ですからね。どうなってくるか分からないですが、能力はありますからね。今回に関しては、当日の気配と展開ですね。
▲1枠2番からのスタートとなるローデッド 鞍上はどう捌く?
上手くなだめたいブラックバゴ
-:皐月賞トライアル・スプリングS(G2)のブラックバゴ(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)ですが、こちらには一週前追い切りでも乗られましたね。
圭太:そうですね。追い切りは初めて乗りましたが、状態は変わらず、順調に来ている印象ですかね。
-:追い切りを頼まれた意図というのは何かあったのですか?
圭太:いや、特には確認はしていないのですが。
-:多少、難しいイメージというか、折り合いが難しいイメージがありました。
圭太:まあ、1度レースに乗っていますのでね。そこまで難しさは感じてはいないですよ。
-:圭太騎手が騎乗された時よりも、前回の印象では心配にも感じました。
圭太:一生懸命、真面目なタイプなのでね。テンションが上がるというよりは真面目過ぎるタイプで、それを上手くなだめてあげれば、という感じですかね。
-:気難しいのではなく、走ることに前向き過ぎるという感じですね。そういう意味では、1ハロン短くなるのはまだ良いかもしれないですね。
圭太:ええ、良いかもしれないですね。
「ゲートの中で元気過ぎたので、そこを我慢して普通に出てくれて、あとは普通の流れで行ければ……ですね」
-:皐月賞への権利という意味では、ここは3着以内に入らないと一戦です。今回、権利を獲るために、この馬にとって理想の展開はどういう展開ですか?
圭太:僕が乗った時はゲートの中で元気過ぎたので、そこを我慢して普通に出てくれて、あとは普通の流れで行ければ……ですね。
-:多少、ペースが流れてくれるくらいの方がレースはしやすそうですね。
圭太:まあ、そうですね。前に行くタイプではないと思うので、前が止まるような展開の方が良いかなと。
-:走ることに前向きという意味では、1月以来ですが、少し間隔が空くことに関しては悪い材料ではないというか、他の馬よりは良い材料でしょうね。
圭太:そうでしょうね。
-:土、日は3歳重賞が続きます。意気込みをお願いします。
圭太:馬にとって、クラシックに繋がる大事なレースだと思いますので、シッカリと仕事をして良い路線に乗せてあげる騎乗をしたいと思います。
※次週の「週刊!戸崎圭太」はいよいよ復活のアジアエクスプレスやフェノーメノの話題など、目白押しの内容です。3月25日(水)に公開予定。お見逃しなくどうぞ!
▲ブラックバゴの一週前追い切りに騎乗した戸崎騎手
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。