'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月18日時点1558勝
不利と言われる○○はむしろ歓迎!
2015/4/17(金)
外枠はむしろ歓迎
-:今回はレース回顧を中心によろしくお願い致します。まず、テン乗りで期待が集まった、日経賞(G2)のフェノーメノ(牡6、美浦・戸田厩舎)は残念な結果に終わってしまいました。
戸崎圭太騎手:スタートしてからも行きっ振りが良くなく、付いていけない走りでした。道中はいくらかハミを取りだしたのですが、勝負どころで(流れが)速くなってからは、やっと付いていったかな、という感じのレース振りでしたね。
-:追い切りで乗っていて、良い評価をされていました。もしかすると、復活もあるのかと期待しましたが、実戦ではなかなか感触通りに行かなかったということですね。
圭太:そうですね。レースに行ってから、どんな走りをするか楽しみにしていたのですが、残念な結果でした。次は巻き返しを期待したいと思っています。
-:次というのは、3連覇の懸かる天皇賞(春)ということですが、得意というか、実績のある条件なので、復活出来ると良いですね。
圭太:そうですね。期待しています。
-:フラワーC(G3)のローデッド(牝3、栗東・荒川厩舎)は、レース前のお話では人気ほど手放しで構えられるような評価ではありませんでした。こちらはいかがでしたか?
圭太:中間は厩舎サイドもゲート練習もしてくれて「練習ではすごくおとなしい」と言ってくれていました。しかし、課題のゲートは前回よりも良いのかなと思いましたが、レースに行くとテンションも高いですし、まだまだ心身共に幼さを感じました。
-:そのテンションの高さというのは、長距離輸送の分もありそうなところですか?
圭太:どうでしょうかね。そこは何とも分からないですね。
-:全体的にまだ幼さがあるということですね。前回は途中で動いて2着ということで、今回も後方で進めていく形でした。結果、届かずと残念ではありましたが、前回との違いはありますか?
圭太:コース形態ですかね。中山の1600は特殊ですからね。あそこで動いても、見た目ほどにロスがないというか、ハマる馬はハマるコース形態だと思います。1800は4つコーナーですし、難しい競馬になった印象でしたね。
-:あんまり小脚を使えないということを考えたら、この馬の中山1800というのは、少し割引材料というか、前回に比べたら少し分が悪い材料だったということですね。
圭太:そうですね。距離が延びることには、全然問題ないとは思いますが。
-:阪神の1800や東京の1800だったら、おそらく良い条件にはなるのかなという印象をうけます。
圭太:いずれにせよ、脚の使いどころが難しい馬ではありますね。
-:1月の中山のマイルでマクっていった時も、同じ開催でその他のレースでも、グランシルク(牡3、美浦・戸田厩舎)など大外枠でありながら上位に来ているレースもありましたね。
圭太:まあ、もともと僕は外枠が好きなので(笑)。
-:成績で見ても、外枠の方が良いという話を耳に挟んだことがあります。
圭太:おそらく良いと思いますね。僕は不利に思ったことはないですから。
-:これから中山の外枠に入っても、この鞍上ならばあまり減点をせずに見れば良いということですね。
圭太:ハハハ、ですかね(笑)。
-:ひとマクりできる脚があれば、フォロー出来る部分があるということですか?
圭太:外枠だと他馬に邪魔されずに、自分の馬の走りが出来るから、僕は好きですね。
厳しい条件が揃ってしまった高松宮記念
-:脚の使いどころだけじゃなくて、他馬との兼ね合いと。スプリングS(G2)のブラックバゴ(牡3、美浦・斎藤誠厩舎)はいかがでしたか?
圭太:道中が少し遅かったので、位置取りも少し前めで競馬が出来たら良かった印象です。テンションも使いながら高くなっている感じもするので、少し出していくのも……と懸念して、あの位置取りになってしまいました。
-:2走前に乗った時は「折り合いに心配はない」というお話でしたが、難しいところが出てきた訳ですね。
圭太:返し馬からそうでしたね。といっても、あれだけペースも遅くて、あの位置で我慢は利いているので、問題はないのかもしれませんが、いざ、もう少し前の位置に出していったらどうか、という思いがありましたからね。
-:少し間隔が開いた中での当日の気配でした。これから使っていって、またテンションが上がっていくイメージですか?それともガス抜きができるのか。
圭太:う~ん、気性面で落ち着いてくれれば良いですけどね。少し使い詰めというか、使ってきた部分はあるので、多少の疲れがあるのかなという気もしないでもないですね。
-:高松宮記念(G1)のレッドオーヴァル(牝5、栗東・安田隆厩舎)はいかがでしたか?
圭太:う~ん、少しハミを抜いて走らせてあげようかな、という考えでしたが、スタート直後に挟まれたり、リズムを崩しながらの競馬だったので、ちょっとかわいそうな競馬になってしまいました。馬場コンディションも良馬場でやってみたかったですね。
-:結果的には、以前は道悪で走っていますが、良の方が良いタイプだということですか?
圭太:悪いイメージはないのですが……、そこは良で乗ったことがないので、ハッキリとは分からないですね。
-:前回は精神面の課題がありました。そこの変化はありましたか?
圭太:集中はしていましたが……、むしろ競馬でのテンションが高いかもしれないですね。もう少し落ち着いてくれると良いかなと。
-:今回はブリンカーを試されていました。効果はなかったですか?
圭太:少し逆効果だったかな。レースでのテンションを上げ過ぎてしまった印象は受けますね。
-:成績のアップダウンが激しい馬なので、やっぱりそういったところに影響されやすいというか、精神面が直結しやすいタイプなのかなという印象ですね。
※次回は5月3日(日)に更新予定です
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。