'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
12月16日時点1567勝
快哉の一戦!ヴィクトリアマイルで待望のG1勝ち!
2015/6/4(木)
先行馬に肝を冷やした直線
-:ストレイトガール(牝6、栗東・藤原英厩舎)でヴィクトリマイル(G1)優勝おめでとうございます。
戸崎圭太騎手:ありがとうございます。
-:最後までどちらが勝つかわからない大接戦でしたね。
圭太:最後の最後、馬に助けられて勝てたという思いですね。
-:僕はレースを真正面から観ていたので、その時は分からなかったのですが、だいぶ後続も離れた中でケイアイエレガントが抜け出して、そこからビューンとストレイトガールが伸びてくる展開でした。実際乗っている方からすると、ちょっとヒヤヒヤするところもあったのですか?
圭太:ちょっとヒヤッとしましたね。直線に向いて、人気馬は後ろにいましたので、僕もそれを意識しながらいたのですが、残りどれくらいのところでしたかね……ケイアイエレガントがまたさらにギアが上がって伸びていったので、その瞬間“あれっ”と思って(目標を)切り替えて、あとは前だけだと思いましたね。
-:それは前にいる馬が伸びていく感触というのは、前後にいても分かるものですか?
圭太:ええ、分かりますね。
-:そこでようやく踏ん切りが付いたと。
圭太:そうですね。前は捕らえられる形では行ってはいたのですが、それにしても、またケイアイエレガントのギアが一つ入ったような伸びをしていたので、焦りはありましたね。“また伸びるんだ?”と。
-:向こうの力に困らされたといいますか、予想外の動き、脚を見せられたということですね。レース前の想定では、どの馬がライバル、相手になってくる印象があったのですか?
圭太:ヌーヴォレコルト、ディアデラマドレ、大半は後ろからくる馬と思っていたので。
-:レース自体は、好位の5番手辺りを追走する形でしたが、レース前の藤原先生との打ち合わせ、実際の競馬に行ってのポジション取りというのは、イメージ通り、作戦通りだったのか、いかがでしたか?
圭太:「何番手で」といった話は流れによって色々ありますので、概ね6~7番手というイメージでいましたが、中団より前でちょうど良いところになったのではないでしょうか。それよりも、1200をずっと使っていた馬なので、ペースだけは間違えたらダメだと思っていましたね。気持ち良く行ってしまってもマズイだろうし、少し我慢はしておかないといけないと思っていたので、その中で折り合いも気を付けないといけない、そう意識していました。
-:実際に乗る分には折り合いもそんな苦労はなかったようですね。
圭太:攻め馬で良い感触を得ていたので、問題はないと思ってはいましたね。
-:展開としてはある程度は流れるだろうという考えはあった訳ですよね。
圭太:そうですね、僕の中では。前に行く馬が飛ばして行くタイプだったので。
人気馬には悩ましいレース展開
-:ただ、それは想像を上回るほどのペースで行っている訳ですよね。あの馬(ミナレット)が3着までに残るということにビックリしました。なおかつハイペースで追い込みが利かないことにも驚いたファンも多いと思います。ここはどう分析されますか?
圭太:ビックリでしたね。あの日も前の日も差しが決まっていて、ストレイトガールにはちょうど良い馬場になってくれたとは思ったのですが、あれほど前が残るとは思っていなかったですね。ミナレットはハイペースで行ったと思いますが、その後ろは平均ペースで流れている、幾分速いペースだったと思います。そのペースに付いていく中で、なし崩しに力を使ってしまった馬たちが、最後伸び切れずに前が楽になったのかなと。
-:よくファンや競馬に乗らない人らからすれば、“展開が速いから差しが決まる、追い込みが決まる”と単純に考えてしまうと思いますが、それだけではないということですね。
圭太:そうですね。ドスローでも丸っきり後ろでいた馬たちで決まって、後ろが有利になる場合もあるので、そればっかりはひとえにペースで決められないですね。
-:それは道中のラップ、馬のリズムも関係してくると。
圭太:そうですね。その馬に合ったレースが出来ていれば、(ペースが)速かろうが力は出し切れますよ。まあ、本当に絶妙なペースだったと思いますね。ミナレットにしろ、ケイアイエレガントにしろ、本当にあれ以上速くてもダメ、遅くてもダメ、というペースだったと思います。平均ペースだったら上位人気勢が力を出しきっていたかもしれませんから。
-:もしかしたら、もっと順当に上位人気馬が占めている結果になっていたかもしれないということですね。ちなみに昨日の芝の状態自体はいかがでしたか?
圭太:土曜日よりも乾いていました。ただ、内よりも外めの馬場が良い意識はありましたね。
-:この馬は善戦タイプの印象もありますが、理想の条件でやれていない中での戦いが続いていました。前回は乗っていらっしゃらないですが、大敗した理由は感じられた部分はありましたか?
圭太:やはり大外と馬場が堪えたのではないでしょうか。
-:馬券を買う上で、普通だったら信頼しやすい安定感のあるタイプだと思いますが、前回が前回だっただけに、そこはどうだったのかと不思議がった人もたくさんいたと思います。
圭太:人気は随分と落としているなと思いましたね。去年も惜しい結果でしたし、2~3番人気にはなるかと思っていたので、僕のせいで(人気)落ちちゃったのかなと(笑)。
-:ハハハ(笑)、それで落ちたとしたら、良い方に見返す結果になった訳ですね。移籍してG1は3勝目になりますが、G1のタイトルに対する思いはありますか?
圭太:G1は良いものだなと思いますが、今年は最初からチャンスがある馬に乗せていただいてたので、ずっと歯痒い思い、悔しい思いをしていました。ようやく勝てて良かったという思いが強いですね。もっと早くに勝てたものを……。まあ、そればっかり言っていられないので。昨日は勝ちましたが、今週も大事なレース(オークス)が残っていますから、喜んでばかりではなく、切り替えないとな、という思いはありますね。
-:東京コースでのウイニングラン。有馬記念でも早々に勝ち馬整理枠に引き上げられましたし、安田記念以来ですが、ウイニングランの味はいかがでしたか?
圭太:どこか盛り上がりが今イチだな、とは感じたのですが……。ウイニングランもやり辛かったですね(笑)。
-:ただ、ヴィクトリアマイルではそこまで入っていないでしょうからね。ただ、それは次のオークスで、お客さんの入るところでもう1回と。
圭太:ええ、そうですね。
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▲「反応がイマイチだった!?」ウイニングランから引き上げる戸崎騎手とストレイトガール
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。