'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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待望の2勝目はダートで!?レパードSへ挑むダノンリバティ
2015/8/2(日)
初ダートも、適性を見込んでいたダノンリバティ
-:レパードS(G3)はダノンリバティ(牡3、栗東・音無厩舎)との再コンビということですね。この馬には新馬とエリカ賞に乗られていますが、新馬では奥のありそうな勝ち方が印象的でした。改めてこの馬のタイプから教えていただけますか?
圭太:能力は感じていましたが、ダートも良いかなという印象はあったので、今回のダート挑戦には期待していますね。
-:それはダートを走っていた兄弟に乗られていたから、そういう印象があったのですか?
圭太:もちろん、それもありますし、あの馬自体も乗ったイメージでダートも良いかな、とは思いましたね。新馬の時は強い勝ち方だったので、(次も)芝に行くだろうなとは思っていましたが、ダートでもやれるなという走りではあったので。
-:その新馬の時は段々と良くなってきそうな雰囲気がありましたね。エリカ賞は骨折明けだったのですが、ケガの影響がありましたか?
圭太:いや、そこは度外視して良いレベルのレース振りでしたよね。というのも、ある意味、すごいレースをしていましたよ。ゲートも出ないし、外には逃げていく……。それに太かったというのもありますよね。
-:仕上がりの問題に加え、気性面も悪い方に出てしまったということですね。しかし、見た目には気性的な問題ではなく、仕上がりの問題で後方を回ってきているのかなと見えました。それ以上に難しさを感じるレースだったということで。
圭太:そうですね。それはそれは(気性が)すごかったですよ。
-:確かあの後に聞いた時も「気性面が大変だ」とおっしゃっていた記憶があります。
圭太:その後も力を出し切れないような感じのレースをしていますものね。乗り難しそうなレースはしているイメージです。
-:そういう意味ではダートに替わって、そこがどうかという気はしますが、それは今回も課題であることには違いないということですね。
圭太:まあ、どうなのか、ですよね(苦笑)。そこはわからないですね。
勝ち星から遠ざかっているダノンリバティだが、毎日杯では僅差の2着など重賞級の能力をみせている
-:そして、兄弟には乗られてきて、勝ち星も残されています。似ている部分はありますか?
圭太:フットワークや走りの感じは似ている気はしますね。
-:ガムランにはよく乗られていたと思いますが、改めてガムラン自体はどんなタイプですか?
圭太:ガムランは難しいですよね。トビが重く、全体的に重い走りですよね。素軽くはないなと。先行力はあるのですが。
-:前に行ってはいるものの、スピードに長けているわけではないと。2歳までの成績を見たら、もう少し出世しても良いのかなというイメージがあっただけに少し納得でした。
圭太:気性面も難しいですよ。その下(コナピーベリー)もそうですけどね。こちらの方がまだ軽さはありましたが、気性面は似たところがあります。母系に通ずるところなのかもしれません。
-:走りよりも、気性面が似ているというか、共通している部分を感じる訳ですか?
圭太:そうですね。それに走りも、全体的に言ったらダート向きかなと。
-:今回はダートにはなりますが、好走しているパターンが割と毎日杯のような追い込みの印象があります。ダートでもそういった競馬になりそうですか?
圭太:スタートしてからは、リズム次第で行こうかと思っていますので、出たなりですね。
「やっぱりこちらで(レースを)つくろうとすると、難しさを出すタイプの馬だと思います。乗って、その日、その時の感じで行こうかなと思いますけどね」
-:新潟のダートというのは、広いように見えてコーナーも急でしょうし、小回りみたいなものですよね。ある程度、上手く立ち回れないといけないのかなという感じがします。
圭太:前残りのコースだと思いますが、あんまり意識せずいきます。やっぱりこちらで(レースを)つくろうとすると、難しさを出すタイプの馬だと思います。乗って、その日、その時の感じで行こうかなと思いますけどね。
-:砂の質も、おそらく軽いですよね。あとは砂を被った時にどうなのかなと。
圭太:う~ん、それも分からないですね(苦笑)。
-:パドックの気配はどういうタイプですか?
圭太:2戦目はガチャガチャしていた感じですね。返し馬からすごかったです。
-:レース前から危険な雰囲気を察知していたぐらいのレベルだと。現地で観る人は、そこら辺の気配もチェックしておいた方が良いですね。
圭太:まあ、そうですね。
-:レパードSは連覇が懸かりますが、意気込みを聞かせて下さい。
圭太:ダートでまた乗れることになって、ダートでもやってみたいなと思う馬だったので、乗せてもらえる良い機会だったと思います。それでも、ダートは初めてなので、どういう競馬になるか分からないですが、期待して臨みたいなと思います。
あの名馬もダートで走れていた?
-:これはよく伺う話ですが、芝からダートに替わる際というのは、ファンはどういったところを見て、この馬だったらダートでも走れそうだな、とチェックすれば良いですか?
圭太:(よく考えて)う~ん、難しい質問ですね(笑)。
-:そうは言わず、馬にも乗ったことのない初心者にも分かるポイントを教えてください!
圭太:難しいんじゃないですか。だって、俺も分からないです。(ダートならダートで)乗ってみないと分からないので、分からないですよね。
-:単純にこの馬はダート血統だから買おう、というくらいの方が良いですかね。
圭太:まあ、それくらいですよね。それが一番アテになるところじゃないですか。それは見るところじゃないですかね。
マネージャー:返し馬でのフットワークだけでは分かりきらないですよ、ハハハ(笑)。
-:走る雰囲気で、競馬に乗ってらっしゃる人の方が、絶対に分かる部分があるはずじゃないですか?
圭太:まあ、乗っていればねぇ(笑)。
マネージャー:過去の経験で、こういったフットワークの馬はダートだったな、という経験が蓄積されてきて、ある程度はわかりますよね。でも、実際にやってみて違ったとかもあるから、何とも確率の問題になってしまいますよね。
-:この前、ある調教助手さんが言っていたのですが、「トビが細かい、ピッチ走法だからダートを走るかと言ったら、別にそうでもない」と言っていたので。
圭太:そう、そうでもないですね。
マネージャー:オルフェーヴルも完全にピッチじゃないですか?だから、オルフェーヴルって、ダートもこなせそうなイメージがありますよね。トビ的には、芝、ダート関係なく強いみたいな感じがしないでもないですね。
圭太:う~ん、俺は違う意見だなあ(笑)。
-:ドリームジャーニーはどうですか?
マネージャー:走りは似ていますよね。
圭太:ドリームジャーニーの方が、まだやれるのかなというイメージがあるな。
-:ドリームジャーニーは体のボリュームがダートではどうなのかな、と思いますね。
圭太:多分、距離が持たない感じでしょうね。あくまで見た目だけの話ですけどね……。
-:少し話題はそれましたが、ダートで新たな一面が引き出るか、ダノンリバティの挑戦に期待です。
圭太:そうですね。僕も楽しみにしています。
※次回は8月9日(日)に公開いたします!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。