'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
11月4日時点1555勝
ステファノス、プロディガルサンらで挑む秋を早くも展望!
2015/8/9(日)
揉まれ弱さが出た?レッドアルヴィス
-:今回はレース回顧の話題となりますが、プロキオンSのレッドアルヴィス(牡4、栗東・安田隆厩舎)は前哨戦の勝ち方からすると、意外な結果でした。敗因として挙げられる要素はありましたか?
戸崎圭太騎手:う~ん、もう少し頑張れるかなとは思ったのですが、ちょっと原因が分からないですね……。
-:走りのパフォーマンスからすれば、古馬の重賞でも通用しておかしくないほどに見ていました。気性面や折り合いなど、そういった敗因もあるのですか?
圭太:そのようなところは見受けられなかったのですが、「揉まれる競馬は少し苦手」とは聞いていました。なるべく前目でスムーズにと思っていたので、外は回されたとはいえ、スムーズな競馬はできたと思います。それだけに、もう少しやれるかなと思ったのですが、直線はもう反応がないというか、ダラダラした走りになってしまいましたね。
-:思い返せば、ファブラリーSの前も良い勝ち方をしてきて、人気薄ではありましたが、内枠でやっぱりあんまり見せ場なく終わった経緯もありました。考えられる敗因としては、揉まれたこと、気性面かなと思ったのですが、乗った印象では外枠の方が良いと。
圭太:外枠の方が見ながら行けますからね。内枠だと外で揉まれない競馬をしようとすると、なかなか出来ない場合もあります。自分で出していかないといけないので、そこはどうかと思います。それに、芝もちょっと苦手かもしれないですね。芝発走では勢いがつかないですね。
-:そもそもフェブラリーSの東京ダートのマイル戦も比較的、内枠は不利ですものね。
圭太:そうですね。
-:3歳時にヒヤシンスSで騎乗されて、ここ2戦との変化は感じられましたか?
圭太:まあ、確実に力はついていますよ。緩さなども解消されていますしね。
-:それにしても、今まで乗られてきた勝ち馬(ベストウォーリア)が、59キロを背負ってあれだけあっさり勝つというのは、僕はビックリしました。
圭太:そうですね。内々でずっとロスなく、良い競馬をしていた印象でしたね。すごい切れ味でしたよ。
福島は脚質を問うコース
-:重賞ではないですが、夏競馬なのでオープン特別のレースも。福島テレビOPのヒストリカル(牡6、栗東・音無厩舎)はファンにはお馴染みの存在ですが、テン乗りでの一戦でしたね。
圭太:う~ん、福島というコースに僕が戸惑ったというか、あの脚質なので、どの乗ろうかと思いながら、ちょっと早仕掛けで距離ロス。結果的には中途半端になったな、下手に乗ったな、という印象です。
-:向正面で少し動いて行ったので、そのまま行くのかと思ったのですが?
圭太:う~ん。行ったら行ったで、またダメですね。
-:昔、乗っていた安藤(勝己)さんが確か「あの馬はメチャクチャ溜めなきゃダメ」と言っていたので。
圭太:(納得するように)はぁ~、そうですか。
-:「本当に途中で動かすとダメだ」みたいなことを。今はどうか知れないですが。
圭太:レース映像を視て、(松山騎手が乗って)阪神の外回りで3~4コーナーから捲っていって押し切るという競馬だったので、あのイメージが強くなっちゃいましたかね。
-:とはいえ、今回はそうならなかったということですね。
圭太:まあ、2コーナーで番手を上げるのは良いと思うのですが、あそこからダラダラと走らせ過ぎたのは事実ですね。どこかでもう1回我慢しても、というか、2コーナーで上がってくのもビューンと行っている訳ではないので、もう1回溜めるべきでしたかね。
-:阪神での勝ち方を見ていると、まだまだやれるのだなという感じがしたのですが、その後が今イチというところが、この馬の難しさといいますか。それでも、また重賞でも勝ち負けしてもおかしくないかなと。
圭太:切れるというか、溜める馬なんだね。でも、あの捲った時は強かったですものね。強いし、あり得ない競馬ですからね。あの印象が強過ぎちゃいましたね。
-:そして、夏の福島開催が終わりましたが、開催を通しての印象はいかがだったですか?
圭太:後半は暑かったですね……。前半は楽でしたが。
-:気候のことですか(笑)。それは福島に限らず、全国的に言えることではないですか。勝ち星の数字はどうでしょうか。
圭太:まあ、勝てればもう少し勝ちたかったなというのはありますよね。
-:シーズンを通して行くのは3年目ということですが、もうだいぶ慣れたのではないかと思います。
圭太:最初に比べると、良くなってきたかなとは思います。前に行ける馬は良いのですが、後ろから行く馬の仕掛けところが難しいですね。
「(福島芝は)後ろから行く馬は本当に仕掛けどころが難しいのと、展開に左右される面があるかなと」
-:しかも、外を回って差し切れそうに見えるのですが、やっぱり結局は内側の馬が残っていますからね。レースを観ていてもまやかしのように見えます。
圭太:そうですね。そういう傾向が多いですね。
-:あれは、コース形態的に内を差すというのは難しいコースですか?
圭太:切れる馬なら良いでしょうね。馬のタイプにもよるし……。
マネージャー:後ろから行って内というのは……。
圭太:それは本当に賭けですよね。
マネージャー:みんな外に出して、3~4コーナーで上手く上がっていけるような展開にならないと、ちょっとあの直線では厳しいですよね。余程切れる馬でないと。
-:昔のラジオNIKKEI賞のケイアイチョウサンのような競馬はレアケースと。
マネージャー:腹を決めて乗らないといけないですね。
圭太:あの馬も切れるタイプの馬ですからね。シュッと脚を使える馬なので、ああいうタイプの馬は、逆に外を回ってしまうと勝ち切れないところがありますよね。本当にノリさん(横山典弘騎手)らしい乗り方というか、素晴らしい乗り方でしたけどね。
-:少しダラッとした脚を使うような馬だと、やっぱり外を回るように見られても、そうせざるを得ないようなコース形態だと。終わってしまいましたが、ファンの人もそういう馬の脚質を踏まえつつ、レースを観てもらえばというところで良いですね。
圭太:まあ、そうですね。後ろから行く馬は本当に仕掛けどころが難しいのと、展開に左右される面があるかなと。
インタビュー(後半)
「秋はステファノスとのコンビで天皇賞路線へ」はコチラ⇒
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プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。