'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月18日時点1558勝
ダノンリバティ&イモータルら注目の一日を回顧!
2015/8/22(土)
ダート適性を証明したダノンリバティ
-:まず、レース回顧からお願いしたいと思います。レパードS(G3)のダノンリバティ(牡3、栗東・音無厩舎)は勝ち馬も強い競馬をされただけに届かずの2着でした。初ダートという課題があった中で、しっかりと適性を見せられたとは思いますが、感触としてはいかがだったでしょうか?
戸崎圭太騎手:先日の取材でも、「ダートは合うんじゃないか」という話をしたと思うのですが、自分としても期待を持って臨みました。負けはしましたが、初ダートで良いレースが出来たのかなとは思っています。
-:ダート初挑戦と言えば、砂を被って嫌がったり、走りがフィットしなかったり、懸念されるポイントは沢山あると思います。その点はいかがでしたか?
圭太:砂はやはり嫌がっていましたね。性格的なものから、嫌がるだろうと予測していたので。ただ、枠順も外枠が当たったので、最低限の(砂の)被り具合に収まり、嫌気を差す前に留まってくれて良かったです。不安は(内枠で)揉まれて砂を被った時のレース振りがどうなるかな、とは思いますね。ダート適性自体はいきなりの重賞挑戦ですからね。それで走れているので、力が通用することは証明出来たと思います。
-:重賞で初ダートの馬はなかなか勝ち負けに関わってこないですからね。そういう意味でも走りの適性は、見込んでいた通りなのかなと思います。
圭太:そうですね。
-:レース映像を視ている限りだと、砂をどれぐらい被ったのか、どこら辺で被ったのか、なかなか分かりませんでした。
圭太:スタートしてゴール板がありますが、そこで被り出したら、上に飛ぶように嫌がっていたほどです。1~2コーナーはさすがに外も回れないですし、促しつつ、そこだけは今後のことも考えて(砂を)被らせておいて、慣れてもらえたら良いな、という感覚でいました。
-:色々ことを考えながら、想定しながらの一戦だった訳ですね。
圭太:まあ、そうですね。
-:2戦目のエリカ賞はテンションが高かったというお話があったと思いますが、今回の気配はいかがだったですか?
圭太:すごく落ち着いていましたし、厩舎スタッフもテンションが上がるということは気を付けていたみたいです。
-:追い切りは動いていたじゃないですか。そういう意味では落ち着いていたというのは、普通だったらテンションが上がっていてもおかしくないと思います。
圭太:そうですね。僕も新馬戦と2戦目しか乗っていなかったので、そこから空いている分、どんなテンションだったかはわかりませんが、やはり(テンションは)上がるみたいです。それを落ち着かせる工夫はしていたみたいで、良かったみたいですね。
-:厩舎側も手の内に入れてきたのかもしれないということですね。ただ、お兄さんのガムランも難しさを口にしていたように、血統からも気難しい一族ではあるわけですよね。
圭太:そうですね。口には出来ない気難しさは感じますね。
-:最終コーナーを回る時もスムーズに回っていないといいますか、外に張ったりしていましたか?
圭太:外に張るよりは、逆に内にササっていたのが強かったですね。
-:それも一環と。
圭太:ええ、そうですね。
圧巻の走りをみせたイモータル しかし、評価は…
-:同日の新馬戦。イモータル(牡2、栗東・須貝尚厩舎)がなかなか良い勝ち方をしてくれましたね。
圭太:すごく素直で、躍動感のあるゆったりとしたフットワークでした。レース振りもゲートをスムーズに出て、申し分のない競馬で勝てたと思います。
-:相手が幾らか楽だったのかという気は受けましたが、ほとんど追わずしてあれだけの着差。驚かされる走りでしたが、話しぶりからはそこまで手放しで喜ぶほど、素質を評価ができるわけではないということですか?
圭太:僕も色々と(新馬の評価で)経験しているので……(苦笑)。まあ、良い馬ですよ。走る馬ですし。
-:それはジョッキーの「経験」込みの評価ということで。
圭太:ええ、そうですね(苦笑)。今の段階ではすごく良い馬ですし、今後も成長していってもらいたいですね。
-:関係者の話では「厩舎の2歳馬の中でもトップクラスの素質」と。
圭太:まあ、あれだけのパフォーマンスが出来るということは、素質がある証拠だと思いますのでね。
-:特殊なハミをしていたと思います。乗り辛さはありましたか?
圭太:いや、特にはないですけどね。何の申し分もなく。
-:距離的にはどんなフィールドで活躍できそうですか?
圭太:長くて良いと思いますよ。
-:直後の新馬戦、プリンシパルスター(牡2、栗東・矢作厩舎)はいかがでしたか。こちらも母がオークス馬という血統馬だったので、注目される存在だったと思います。
圭太:返し馬ですごくヤンチャ振りを見せていました。体のこなしも軽いですし、素早い動きでどんなレースをするのかなと思ったら、すごく賢いレースをしましたね。返し馬とは全然ヤンチャ振りが違いました。
-:ダイワメジャー産駒らしいうるささはありますか?
圭太:そういう感じじゃなかったですね。ただ、「元気が良い」という感じの良い感じで、どう出てくるかはこれからじゃないですか。
-:使っていって、テンションが上がりそうな懸念もなさそうと。
圭太:そこはどうですかね。気持ちは入ってきそうな感じはしました。
-:こちらに関しては、距離は短めのところ、1400~1600ぐらいですか?
圭太:そうですね。今はそんな印象を受けます。
-:着差はそんなになかったですが、現時点での評価としてはどんな感じですか?
圭太:評価が早いよねぇ、ハハハ(笑)。まあ、新馬戦を勝っていますし、賢いレースをしましたし、楽しみですよ。
インタビュー(後半)
「騎乗機会は僅かだが千直は大歓迎」はコチラ⇒
1 | 2
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。