'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
【ファンからの質問に回答】WASJは東京でこそ面白い!
2015/10/18(日)
WASJは東京でこそ面白い ファンからの質問に回答!
-:読者からレースとは別の質問も来ております。久しぶりにQ&Aコーナーにもお答えください。「猫背を治そうと試しているのですが、約1年が経っても治らないのですが、どうやったら治せますか?」という質問です。
圭太:そこは、専門分野ではないので、分からないですね。う~ん、ストレッチポールが良いんじゃないですか。ただ、直感で言っているだけですが……。
-:普段、やられているのですか?
圭太:たまにやりますね。やっぱり、騎手もどちらかというと(重心が)前の方になるので。猫背というのは腰なのかな。
戸崎圭太騎手マネージャー:背中だろうね。デスクワークが多い人はどうしてもなりますよね。だから、肩甲骨をなるべく広げて内に入れる。
圭太:あ~、そうなんだ。ならば、ストレッチポールは絶対に良いよ。
-:最近、体で悪くなったところはありますか?
圭太:特にないですね。「頭」が悪いぐらいですかね。
-:アタマの方は英語も入ってきて?
圭太:グチャグチャになってきていますね、フフフ(笑)。
-:まあ、冗談ですが、体は相変わらず鉄人ぶりを発揮されていると。
圭太:岩田さん(康誠騎手)と別の媒体で対談させてもらったのですが、岩田さんも自分のことを「体が強い」と言っていたように、強いんだろうね。ちょっとダメかな、というケガをしても、気持ちもあるのでしょうが、そういう話をしていましたよ。
-:岩田騎手の落馬というイメージもありませんよね。
マネ:(リーディング)上の人は、そうそう簡単に落ちないですよ。若手は感覚と怖さがまだないというか。経験を積まないとわからないですから。
-:そこら辺はやっぱり比例はするものですか?
マネ:ケガをしたら、やっぱり怖いというか、気を付けますよ。痛みに対する怖さより、休んでいる期間の嫌な気持ちを経験したら、やっぱり気を付けますよ。それでビビっちゃあダメなのでしょうが。
圭太:ボクも気を付けますが、海外の騎手はすごいよね。馬群の距離感、間隔がスゴイ。「そこを(入るの?)」みたいな感じで。
マネ:何とでもなっちゃう感覚だよね。ほぼひっくり返らないもんね。
-:戸崎騎手は海外で乗られていないので、日本へ乗りに来た人たちを見て、そう思う訳ですよね。
圭太:そうですね。
マネ:ちゃんと馬の脚が前に行った時にそうするというか、おそらく自然とそういう感覚が身に付いているのでしょうね。絶対に、何も考えないでウワっとなんてやってない。切り返す時でも、ちょっと持ち上げるぐらいの感覚で行ったり。
圭太:最近思うのは、そういう方が逆にひっくり返らないのか、という気がしないでもないかな。何て言うんだろうな……。
マネ:結局、ちょっと距離があるくらいで伸び切った同士の馬の方が、支えがなくてスコーンと行ってしまうんだろうね。意外に、真後ろで真っ直ぐ行く分には大丈夫だから。
圭太:そうそう。
昨年のWSJSでは勝ち星を挙げるなどあわや優勝という活躍(結果は同率3位)
-:外国人ジョッキーで特に距離感が近い人は、誰かいましたか?
圭太:「誰か」というか、全体的ですかね。だから、本当にスキを見せると、すぐに進路を取られるというか、その辺の判断は速いですよね。中にはやりたい放題な人もいましたが、上手い人は本当に綺麗に乗って、なおかつスキがないといいますか。
-:海外と言えば、凱旋門賞を観られたと思いますが、今年はいかがでしたか?
圭太:トレヴをすごく応援していたのですが、3連覇という偉業を達成してもらいたいと思っていましたし、競馬は本当に難しいと痛感させられました。勝ち馬もさすがデットーリですね。カッコ良い素晴らしい騎乗でしたね。
-:馬群からあれだけ離れて勝ち切るというのは、なかなか観たことがないなという感じがしますね。凱旋門賞も去年は別でしたが、馬群自体はいつもタイトですよね。
圭太:うん、キッチキチですよ。だから、ワールドスーパージョッキーは、今年は札幌だったので、そうでもなかったのですが、東京で密集した時、あの雰囲気はすごく良いですよ。
-:以前から「タイトなレースの方がおもしろい」とおっしゃっている印象がありますね。日本ダービーでも内枠有利の馬場状態でも「かえってそれが締まった競馬になる」と歓迎されていたのも印象的でした。
圭太:WSJSはタイトだし、騎手が慣れていてシッカリしているので、ちょっとやそっと寄られても……。たとえ強気な競馬をしても、逆に大丈夫、安心できるところはありますよね。分かりますか?その感覚。
-:それはお互いさまで、どうこうは問わないところがあるということですね。
圭太:まあ、そうですね。
-:そういう意味では、あのシリーズは狭いコースでやるよりは広いコースでやる方が?
圭太:う~ん、僕はそっちの方が楽しいなと感じますね。
戸崎騎手も注目した今年の凱旋門賞
-:海外の話題で言えば、ペンネーム・一口馬主さんから「国内ではだいぶ活躍されたと思うので、海外の活躍も期待していますが、海外のレースで勝ちたい、獲りたいレースはありますか?」とのことです。
圭太:全部です!
-:他には「私は戸崎騎手と同じ栃木県出身です。子供が生まれる前によく中山競馬場に行き、よくパドックで戸崎騎手の写真を撮っていました。ファンなどに撮られるのは苦手ですか?」という質問もありました。
圭太:いや、特に苦手ではないですよ。それに、レースがあるので、そんなに気にもしていないですし、キョロキョロしたらいけませんから。それに、カメラを持たれている方がたくさんいらっしゃるのでね。どのカメラが僕を撮っているのか分からないですもん。あまり見られないですから。
-:ひと昔前に比べたら、デジカメが普及して、カメラファンじゃないですが、カメラを持ったファンが増えたのかなという気はします。
圭太:あ~、確かに見ますよね。
-:ちなみにファンとの交流ということでは、浦和競馬場でも大雨の被害に対する募金活動をされたというのは、何か率先して?
圭太:いや、やっているのを知らなかったのですが……。
マネ:たまたま早く着いて、みんなに「行くぞ」と言われて(笑)。
-:ニュースを観ていたら、ご出身の壬生町も被害地域として名前があったので、率先して出られたのかなと思ったら、たまたまだったのですね。
圭太:「たまたま」から、「そう言えばそうだよな!」と思って。美浦のある茨城、地元の栃木も被害にあっているし、改めて参加しなくては、という思いにかられました。
-:その他の質問がまだあります。「何かの記事で、戸崎騎手の時だけジェンティルの反応が違ったということを石坂先生が言っていましたが、そんなことを言われたことはありますか?」とのことです。
圭太:いや、馬の調子が良かったんだと思いますね。
-:同じ方は「引退式でキスをして吹っ飛ばしたのは、恥ずかしかったのでしょうか?」と続けて質問ですが、その現場はボクもみました(汗)。
圭太:ああ~、恥ずかしかったんじゃないですか。「陰でやってくれ」ということだったんでしょうね。もしくは、相性が良いと思っているのは俺だけだったのかもしれない、フフフ。嫌われているのかもしれないです。気の強い娘なんでね。
-:ペンネーム・おだださんという方から「スプリンターズSはジェンティルドンナを彷彿とさせるレースだった」とのことでしたが、そんなことを思いましたか?
圭太:いやいや、特には思わないですね。ただ、中山で女馬、最後のレースという、ちょっとそういう共通点はありましたかね。(冗談まじりの口調で)ドラマをつくるのには欠かせない騎手なのかな。それは書いておいてくださいよ。
-:ハハハ、この秋もドラマを作ってください!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。