'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月11日時点1556勝
1年半ぶりのタッグ レッドリヴェールと府中牝馬Sへ!
2015/10/16(金)
桜花賞以来のタッグとなるレッドリヴェール
-:今週はG1には向かわず、土日ともに東京競馬場での騎乗となります。まず、土曜の府中牝馬ステークス(G2)ではレッドリヴェールと昨年の桜花賞以来の騎乗になりますね。先週は栗東で追い切りにも騎乗されました。
圭太:ええ、乗るのは桜花賞以来ですが……ずいぶん久々だったので、この馬なりの成長は見られました。坂路での併せ馬にも先着して、状態は良いんじゃないかと思います。
-:前走は2着と好走しましたが、気になるのが、小回りの札幌競馬場で鞍上のルメール騎手も「距離が長い」と敗因を挙げていました。広いコースになる分、余計にこの距離が厳しくなってくるのでは。そう心配になりますね。
圭太:本質的なことをいえば、確かにマイルくらいがちょうど良いのかとは思います。数字の通り、小柄な馬なので、距離が延びていくよりはある程度のところで留まってほしいですね。しかし、そこは自分が上手くカバーしたいですね。
待望のコンビ復活となるレッドリヴェールと戸崎騎手
-:日曜日はアイルランドTでファントムライトとのコンビ。こちらは夏の新潟記念で3着からの転戦になります。
圭太:以前に東京で勝たせてもらった時(昨秋)よりは幾らか距離が長いほうが良いんじゃないかと思うので、引き続きこの距離(芝2000m)は良いでしょうね。そして、前走は馬場も渋っていましたが、それが良い方に出ていましたね。
-:そういう意味では、今回は好天が予想されますし、別定戦でのレース。どこまでやれるか、ということになりますね。
圭太:そうですね。馬場と斤量は前走より条件は難しくなりますが、ベストを尽くしたいです。
-:そして、ジョッキーおなじみの乗り馬であるアデイインザライフが日曜8R(3歳上1000万下)に出走です。
圭太:最終追い切りに乗ったのですが、フットワークは良いほうに向いてきている印象ですね。現級は勝っている馬ですので、期待していますよ。
アデイインザライフの最終追い切りの様子
サウジアラビアRCは反省の一言
-:準オープンでも2着でしたものね。実績は上位です。レース回顧に移りますと、まずは先週のサウジアラビアロイヤルC(重賞)のイモータルは惜しい2着でした。
圭太:観ていただいた通り、勝っていたレース。申し訳ないとしか言いようがないです……。
-:結果としては脚が余ってしまった印象ですが、前回と違って内にササるようなところも見られました。そこは気になりました。
圭太:レースに行ってしまえば、それほど気にならなかったのですが、前回よりもテンションがだいぶ高かったですね。返し馬の時点でそこは気になりました。しかし、それも言い訳にならないレースですね……。
-:ササる面もありましたが、行くところ進路が塞がれる運のない競馬でもありました。毎日王冠(G2)のステファノスは6番人気7着という結果でした。
圭太:前が残る展開だったのが堪えましたね。それに、外枠もこの馬にとっては厳しかった印象です。う~ん。
-:しかし、上がり33.2秒の脚は使っているものの、天皇賞を見据える上では、もうちょっと上に来て欲しかった印象も受けますね。
圭太:まあ、ストレイトガールのようにひと叩きして、上昇する余地もあるでしょうからね。改めて次に期待したいです!
僅かな差が明暗を分けることに 手前はブレイブスマッシュ陣営
-:一方、同じ藤原厩舎からラベンダーヴァレイは、満を持してのデビュー。追い出しを待つほどで着差以上の快勝でした。
圭太:デビュー戦からセンスの良い走りをみせてくれましたね。先生もレース後に「どこまで成長するか」と言っていたようですが、ボクも乗ったことのあるベルキャニオンら、兄姉も活躍しているように、奥のある血統ですからね。そこは期待しています。
-:そして、当欄でも期待を寄せていたアルバートは1000万下のクラスを快勝。久々のタッグでしたが、以前との違いも感じられましたか?
圭太:ええ、そうですね。乗ったのは去年以来でしたが、馬が本当に良くなっていて、前走はフロックではなかったのだと思い知らされました。この距離も大丈夫でしたね。
-:レース前の見通しでは「硬さが解消されてきた」という表現をされていましたが、他にもそういう成長過程を辿る馬はいますか?
圭太:そうですね。本当に良い馬はそういう傾向があります。それが早い時期に来るのか、遅い時期に来るのか、馬それぞれではありますが。
良血ラベンダーヴァレイは9月のデビューを見送り 満を持しての新馬戦を飾った
-:アルバートの今後にも注目ですね。そして、3日間開催は7勝の勝ち鞍。久々にまとまった勝ち星でしたね!
圭太:まあ、勝ち鞍は良い馬に乗せてもらっているだけなので……。一つ一つ良い騎乗をしていかないといけません。
-:とはいえ、年間100勝にもあと一つと迫りました。節目のVも今週達成となりそうですが、ちなみに、開幕した東京芝の印象はいかがですか?
圭太:例年、秋口は良い印象ですが、今開催も良い状態かと思いますね。
-:そして、次週は菊花賞(G1)でマッサビエルに騎乗。こちらは栗東にも乗りに行かれるようですね。
圭太:その予定です。もともと使っていった方が良いタイプだとは思いますし、ひと叩きしての変わり身に期待したいです。前走がもう少し見せ場を作ってほしかったのが本音ですが、それでも、今年は突出した存在もいないでしょうからね。
-:また、レース前に意気込みのほどをよろしくお願いします。ありがとうございました!
※次回は10月23日(金)に更新予定です。
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プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。