'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月18日時点1558勝
前走はまさかの大敗 マッサビエル反撃の可能性は?
2015/10/23(金)
前走は参考外 本領発揮となるか
-:いよいよ牡馬クラシックも最終戦。菊花賞(G1)が迫ってきましたね。タッグを組むマッサビエルは前走で13着と大敗してしまいましたが、今週は栗東トレセンで追い切りにも騎乗。巻き返しの糸口を掴まれたかと思います。まずは追い切りの印象から教えていただけますか。
圭太:時計はだいぶ出ていますよね(CWで80.7-12.5)。しかし、時計ほどの手応えといいますか、そこまでの感触がなかったのは事実です。
-:ということは、馬場も時計が出やすい状態だったのでしょうか。
圭太:そこまではわからないですが、「一番」の時間帯でしたからね。それもあるかもしれませんね。
-:菊花賞は特にその傾向が強いと思いますが、レース当週にそれだけ時計を出すことも珍しいですよね。
圭太:そうですね。しかし、先生からもしっかりやるよう言われていたので、求められた通りの内容ではあったんじゃないかと思います。それに、一度使った方が良いタイプでしょうからね。状態的には上向くのではないかと思います。
21日、栗東CWコースでタンタアレグリアと「呉越同舟」の最終追い切り
-:そして、枠順も発表されました。ジョッキーは普段ならば枠の並び、他馬との兼ね合いを気にされていますが、今回の枠順はいかがですか?
圭太:いえ、今回の並びは関係なかったですね。
-:えっ、そうですか?
圭太:というのも、ゲートでなかなか落ち着きがないですし、テンのダッシュが良いタイプではないですからね。それにこのメンバーなら、それだけガンガンいくタイプもいないでしょうからね。
-:となると、いずれにせよ後方からの競馬と腹をくくってはいるわけでしょうか。
圭太:まあ、そうですね。表現し辛いのですが、もともと精神面も繊細なタイプなので。
-:そんな中でマッサビエルが上位争い、勝ち負けを演じるために必要な条件、レース展開はどう見られていますか?
圭太:やっぱりハイペースでしょうか。そして、メンバーを見渡しても長い距離の適性は上位だと思いますので、そこを活かしたいですね。なおかつ内枠であれば理想でしたが、そこは仕方ないですからね。
3年連続の年間100勝達成!
-:わざわざ京都に乗りに行かれるわけですから、好勝負を期待しております。続いて、先週はアーバンキッドで100勝を達成されましたね。おめでとうございます。待望の節目の勝ち星となりました。
圭太:ありがとうございます。でも、常々言っていますが、ミスがまだまだ多いですから……。そこを良くして、一つ一つしっかり乗っていきたいですね。
-:その勝ち星をもたらしてくれたアーバンキッドの印象はどうでしたか?
圭太:初戦からセンスの高さをみせてくれましたね。スローでしたが、折り合いもしっかり付きました。
-:レースは追って追ってといいますか、反応の良さよりもジワっとくる脚ですね。
圭太:ええ、そうです。もしかしたら、もう少し距離があってもいいかもしれませんね。
-:ちなみに、折り合いにも不安はありませんでしたし、直線の反応を見ていると、テンションは心配なさそうなタイプですね。
圭太:2歳ですからね。それはわからないですよ。未知数なところは慎重に見極めていきたいですね。
記念のインタビューに答える戸崎騎手
-:アイルランドTのファントムライトは新潟記念につづいて3着でした。
圭太:前走も内容のある結果だったので、オープンならば、とは思っていました。ただ、スムーズさを欠いたのもありますが、現状は東京よりも中山だったり、力を要するようなコースがいいかもしれません。
-:確かにサッと動くよりはズブさも感じますね。
圭太:ええ、東京でも走れてはいますが、展開に左右される面は否めないでしょうね。
-:アデイインザライフは勝っていた条件ですが、もう少し伸び切れず3着でした。
圭太:う~ん、調教も走り方は良くなっていましたが、完調にはもう少しかな、と思っていた面が出てしまいました。
-:最後に府中牝馬ステークス(G2)のレッドリヴェールは残念ながら大敗。スムーズさを欠いてしまいましたね。
圭太:そうですね……。せっかく久々乗せていただいたのに、スムーズに運べませんでした。手応えもまだあったのですが、小柄な馬だけに厳しい印象でした……。
-:東京の重賞では苦戦が続いてしまっていますが、次週のアルテミスS、天皇賞も期待しています!まずは菊花賞もご健闘を祈ります。
圭太:ありがとうございます。
※次回は10月30日(金)に更新予定です。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。