'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
12月16日時点1567勝
圭太も胸躍る「楽しみしかない」ルージュバックの復帰戦!
2015/11/13(金)
京都で一気4勝!
-:先週は京都で4勝。一週で6勝と固め打ちとなりましたね!
圭太:ありがとうございます。
-:中でもネロはオープン特別初勝利。それも後続を突き放す快勝でした。関西圏でここだけの複数勝利も久々ですね。
圭太:そうですね。ネロは行き脚がつかなくて、あの位置からでしたが、結果的にレースの幅が出るような競馬でした。他にもメラグラーナはここでは力上位でしたし、ウエスタンレベッカはハミが抜けなかったのですが、大逃げの形になって、よく最後まで踏ん張ってくれました。
-:一方、重賞は不安要素もあったのですが、残念な結果になってしまいましたが、まずはダノンリバティからよろしいですか?
圭太:あれだけ人気したので、申し訳ないとしか言えません。外外を回らされて苦しい展開になってしまいましたし、上手く内に入れることが出来ませんでした。
-:気の難しい馬だけに、雨で嫌がるようなところはありませんでしたか?
圭太:それはないと思いますよ。脚質もそんなに影響はしなかったでしょうからね。
-:土曜日の京王杯2歳ステークスはトップライセンスと初コンビですが、7着でした。
圭太:思っていた以上に前が楽な展開になってしまいましたね。それでも、良い競馬はしていましたし、遅いペースでも我慢がきいていました。順調に使っていって、経験を積んでくれればと思います。
-:現時点でのセールスポイントはどんなところですか?
圭太:この若さながらもレースセンスが良いですよね。
-:また、小回りの中山で走ることがあれば、そこが活きそうですね。ダイワスカーレットの仔ということで話題の血統馬ダイワウィズミーもデビューしましたね。
圭太:先生(調教師)から聞いていたよりも、センスが高く乗りやすい印象でしたね。ただ、まだレースを理解していない雰囲気で、道中は上手に走っていたものの、直線ではササるようなところがありましたからね。距離ももう少しあって良いのかな……。そう思いましたね。
-:使ったことで変わってきそうな部分はありましたか?
圭太:う~ん、乗り込み量自体は相当積んでいたようですからね。
さあ、ルージュバックの復帰戦へ
-:話題は変わって、今週はエリザベス女王杯(G1)です。ルージュバック(牝3、美浦・大竹厩舎)はオークス以来の実戦ということで、未知な部分は大きいのですが、率直にどう感じていらっしゃりますか?
圭太:この中間も乗っていないので、詳しくはわからないのですが、先生(大竹調教師)とも一緒に調教を見させてもらったりしました。あくまで見た雰囲気では、順調に元気良く来ているのかな、そう感じましたね。
-:ひと夏を越したことでの体格の変化はありましたか?
圭太:そこは目立ったものは感じませんでしたが、追い切りの雰囲気も良さそうでしたよね。もう、状態や気配に関しては、今回は返し馬に行くまでわからないですが、それがむしろ楽しみですよ。
-:攻め馬でよく動くので、調整もなかなか難しいタイプですよね。ジョッキーが乗ったら動き過ぎてしまうかもしれませんし。最終追い切りのVTRを見ると、この馬らしい豪快な、大きなフットワークが印象的でした。まず、間隔、調整過程は今回の課題だと思いますが、以前、ぬかるんだ馬場に脚をとられていた、というお話をしてもらったことを思い出しました。今週は雨予報ですが……。
圭太:そうですね。ただ、それも以前より体はしっかりした分、そこは良くなっているかもしれません。むしろ力を要するような馬場の方が良いんじゃないか、とさえ思いますからね。
-:それは意外ですね。枠はどうでしょうか?
圭太:これは京都ですから、絶対的に内枠ですね。他のジョッキーもそうだと思いますよ。
-:なかなか難しい一戦だと思いますが、一時は大物かと謳われた存在。力を見せて欲しいです。
圭太:そうですね。ある意味、今回は開き直って乗れますからね。もう楽しみでしかないですよ。どんなルージュバックになっているのか、どんな走りをみせてくれるのか。客観的に楽しみです。
エリザベス女王杯へ向けて調整中のルージュバック
-:スターの資質を持っていたはずですから、改めて期待しています!土曜日の武蔵野S(G3)はテン乗りですが、タガノトネール(セ5、栗東・鮫島厩舎)とのコンビですね。
圭太:同じレースにも乗っていますから、イメージはあります。まあ、どうやって距離を持たせようか、そこがカギになりそうです。
-:確かに前走のマイルチャンピオンシップ南部杯こそ2着でしたが、元は1400ばかり使っていましたよね。
圭太:そうですね。ただ、競馬センスの高さはありますからね。
-:同じく土曜で僕が注目させてもらっているのは、未勝利のフェイズベロシティ(牝2、美浦・萩原厩舎)と最終レースのホスト(牡4、美浦・金成厩舎)です。
圭太:フェイズベロシティはフットワークの良さが印象ですね。前走はササるところもありましたから、そこを克服しつつ、勝利に導けたらと思います。ホストは芝での結果でしたが、このクラスでも実績がありましたよね(2着)。前回、乗った限りではクラスが上がっても通用する手応えは掴めましたよ。
-:馬名もイケメンの戸崎騎手には似合いますね。
圭太:えっ?いやいや、それは似合わないでしょう(笑)。
-:余談は良いとして……(笑)、最後に読者から質問です。「昔はダートを主戦場とされていた戸崎さんですが、ダートで砂をかぶるのは痛いものですか?」との質問です。
圭太:痛いですね。ただ、今は(通称ですが)ダート板といって顔を保護するものをつけているので、昔ほど気にならないです。それでも、少しは当たりますけどね。
-:それを嫌がるのが外国人ジョッキーなんて、聞きますね。
圭太:ええ、それはあると思いますよ。
-:外国人騎手がダートを苦手とする原因なのかもしれませんね。参考になる話をありがとうございます。引き続き質問も募集中ですので、どしどし読者の方にはお送りいただきたいですが、次週はマイルCS(G1)でレッツゴードンキ、東スポ杯(G3)でプロディガルサンとのコンビ。楽しみにしております。
圭太:ハイ、よろしくお願いします。
※次回は11月20日(金)に更新予定です。
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大井競馬での引き上げの様子 ダート板があっても口元は泥だらけだ
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。