'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
今週から東京開催!根岸Sはモーニンとの初タッグで臨む
2016/1/29(金)
-:今週から東京開催が開幕!目玉はフェブラリーS(G1)の前哨戦である、日曜の根岸S(G3)ですね!モーニン(牡4、栗東・石坂厩舎)とは初コンビですが、これまでに他馬に騎乗して、その実力は肌で感じていらっしゃると思います。
戸崎圭太騎手:ええ。3度同じレースに乗っていて、特に印象的だったのが2走前ですね。(ノボバカラに騎乗して隣の枠からスタート)モーニンをマークするような騎乗をしていて、どちらも先行していたのですが、速いペースだったにもかかわらず、直線でグッとギアを上げてきましたからね。これで「オッ、強いな」と思っていましたよ。
-:あくまで旗から見た印象で、距離短縮、週末の雨予報はどう感じますか?
圭太:う~ん、千四の方がむしろ良さそうですよね。それに軽い馬場もイイんじゃないかな。あくまで推測ですが。
-:根岸Sは奇しくも、タガノトネール(セ6、栗東・鮫島厩舎)、レーザーバレット(牡8、美浦・萩原厩舎)、キョウエイアシュラ(牡9、栗東・森田厩舎)、タールタン(牡8、栗東・吉村厩舎)ら戸崎騎手が乗ってきた馬と相対することになりますね。
圭太:そうですね。中でも実績と勢い上位はタガノトネールですか。南部杯、武蔵野Sで2着ですからね。その武蔵野Sでもモーニンに先着しているし、その辺りは警戒しないといけませんね。
▲G1に向けて根岸Sはなんとしても賞金を加算したいモーニン
-:勝てばフェブラリーSを見えてくるでしょうし、モーニンは楽しみな馬ですね。土曜のメイン・白富士S(OP)にはファントムライト(牡7、栗東・藤原英厩舎)とのコンビ。こちらはお馴染みの存在ですね。
圭太:勝ち切れないレースが続いていますが、ここでは上位の存在ですよね。
-:福島記念、新潟記念と重賞で3着。東京コースに替わるのはどうなのかと思いますが、雨予報は間違いなく良いですね。
圭太:コースはそんなに問題ないかと思います。ただ、新潟記念の結果からも馬場が渋ってくれるのは歓迎ですね。相手関係もここ数戦よりは軽くなっているでしょうし。
-:注目度で言えば、日曜のセントポーリア賞(2歳500万下)。サトノキングダム(牡3、美浦・国枝厩舎)は前走が圧巻でした!
圭太:(すかさず)楽しみです!ただ、前走を観てもらったらわかるように、スタートが遅いところは心配ですね。馬場もあんまり渋らないほうが良いのかな。
-:タイプ的にはどんな馬ですか?
圭太:今のところ乗りづらさなどは感じていませんし、2歳や3歳は新馬勝ち直後にコロっと変わってしまうこともあるので、この時季の馬は未知数だと思っています。しかし、間違いなく素質はあるでしょうね。これは前走で跨った時から感じましたので。
-:ケンタッキーダービー、ドバイWCを制したアニマルキングダムの弟。どこまでやってくれるか楽しみですね。
圭太:そうですね。まずはゲートを上手く出したいです。
-:その他、日曜1R(3歳未勝利)のキョウエイラヴ(牝3、美浦・中川厩舎)、8R(4歳上1000万下)のマッチレスヒーロー(牡5、美浦・金成厩舎)、最終R(4歳上1000万下)のディアデルレイ(牡5、美浦・牧厩舎)はいかがでしょうか。
圭太:キョウエイラヴは新馬戦から高いパフォーマンスを見せてくれましたよね。取り消し明けの新馬戦ですが、特に状態面も不安を感じませんでした。マッチレスヒーローは前走、初めて中山で乗りましたが、東京のほうが良い印象でしたね。勝ち切れないタイプですが、競馬は上手な馬。得意のコースで巻き返したいですね。ディアデルレイは競馬に注文のつかないタイプ。昇級戦にはなりますが、馬場が渋るのは良いんじゃないかと思います。
▲G1馬の弟サトノキングダム そのポテンシャルや如何に
-:先週のレース回顧もお願いします。まず、AJCC(G2)のショウナンバッハ(牡5、美浦・上原厩舎)は3着と低評価を覆しました。
圭太:終いは良い脚を持っているタイプですが、正直、東京の方が良いんじゃないかと思っていましたね。しかし、末脚に懸ける競馬をしようと思っていましたし、人気馬の後ろで内々を上手く運べたと思います。
-:相手関係もそこまでハイレベルだったとは思いませんが、意外にも低評価を覆しましたね。
圭太:末脚勝負だけに展開が向かないと厳しい面は否めませんが、持ち味はありますからね。
-:また、先週、話題にしたビヨンジオール(牡4、美浦・的場厩舎)、ディプロムソング(牡5、美浦・的場厩舎)で勝ち星を挙げられました。
圭太:ビヨンジオールは「色々、条件が噛み合わないと」とは言っていたものの、ハマりましたね(笑)。ペースも良く、枠も良い。下げても折り合いを我慢してくれました。ディプロムソングは耳を絞ったり、前までとは違った気配をみせたのですが、競馬の幅も広がりましたかね。
▲ディプロムソングは競馬の幅に可能性を見出すことが出来た
-:そして、小耳には挟んでいたのですが、ストレイトガール(牝7、栗東・藤原英厩舎)が引退を撤回。現役を続行と。
圭太:そうですね。もう7歳ですか。まだ元気はありますし、意地をみせてほしいです。
-:最後に今週から東京開催になりますが、意気込みのほどを聞かせてください。
圭太:昔は「東京コースが好き」と常々口にしていたのですが、年々乗って行くうちに馬の力が問われるコースなのだと、改めて感じました。去年の僕は中山の成績が良くて、東京が少し劣ったのかな。それは中山だと、上手く小細工が利くというか、騎手の乗り方でカバーできるところがあると思うんです。その点、良い馬に乗れないと、東京は厳しいですよね。それは僕だけの力でどうにもならないところがあるのですが、だからと言って、気を抜かず、結果を残していきたいです!
-:今週もありがとうございました。来週もよろしくお願いします!
※次回は2月5日(金)に公開予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。