
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

3月24日時点1601勝
祝・モーニンで2016年重賞初制覇!今週はテイエムタイホーで東京新聞杯
2016/2/5(金)
-:まず、根岸S(G3)で今年の重賞初勝利、おめでとうございます!
圭太:ありがとうございます。
-:モーニン(牡4、栗東・石坂厩舎)はフェブラリーS出走へ負けられないレースだったと思います。見事に陣営の期待に応えられたわけですが、今回はテン乗りということで、戦前とのイメージの違いはありましたか?
圭太:良い走りをしていましたし、高い能力を秘めていると思いました。そういう意味では、思い描いていたとおりですかね。スムーズな競馬をする意味では、外枠も良かったです。

-:今回以上の馬体重で勝っていたこともありますが、次戦へ向けて、上積みのある状態でしたか?
圭太:そうですね。間隔も空いていましたが、この2戦を目標にしていたでしょうし、力を出せる中で先を見据えられる状態だったと思います。
-:そして、気になるのはフェブラリーSですが、ベストウォーリア(牡6、栗東・石坂厩舎)に騎乗することは以前から伺っていましたが、石坂調教師はレース後、「ミルコ・デムーロ騎手と戸崎騎手の二人を確保している」というお話でした。どちらに騎乗するかは決められたのですか?
圭太:いや、まだわからないです。それに、僕が選ぶというよりは、先生と馬主さんが決める形だと思いますよ。
-:確かに先生も「私の考えはある」とレース後に語っておられました。いずれにしてもフェブラリーSは楽しみになりますね。今週は東京新聞杯(G3)でテイエムタイホー(牡7、栗東・鈴木孝厩舎)に乗られます。テン乗りですが、印象を教えていただけますか?
圭太:とにかく折り合いに気をつけたほうがいいのかと思います。7歳でも重賞で連対しているくらいですからね、力はあると思いますよ。
-:土曜のメインはノボバカラ(牡4、美浦・天間厩舎)に騎乗。こちらは何度も乗られていますね。
圭太:ええ。3歳時には重賞で連対したくらいで、力はあるはずです。古馬と混じってからは幾らか成績が芳しくないですが、あとひと押しあればというところです。
-:先行有利のコースとはいえ、2走前も格上挑戦で3着。力はあるはずですよね。
圭太:あとはゲートが課題だったり、前向きなところがあるので、上手くレース運びをしたいですね。僕が乗せていただいて、まだ勝っていませんから、勝たせてあげたいですね。
-:当該コースは10度目の挑戦。久々の勝ち星に期待ですね。同じく土曜の東京9R、箱根特別はルミナスウォリアー(牡5、美浦・和田郎厩舎)が出走します。

圭太:追い切りにも乗せていただいたのですが、順調に来ていると感じました。折り合いに課題はありますが、このクラスでも上位争いをしているように、チャンスはあると思います。
-:長丁場を選んで使われていますが、脚質的には瞬発力勝負よりも、ペースが上がったほうが良いタイプですか?
圭太:そうですね。僕が勝たせていただいた時もスローでしたが、折り合いも我慢してくれました。前走も僅差でしたし、あと一歩ですね。
-:日曜東京6Rのアサマ(牡4、美浦・小桧山厩舎)は4戦連続の騎乗。こちらもあとひと押しですね。
圭太:そうですね。状態や枠順、相手関係が噛み合えば……というところです。大崩れはしないものの、条件が揃って欲しいですね。
-:近走は東京、中山で走っていますが、どちらのコースが良いのでしょうか?
圭太:この馬についてはどちらも問題ないと思いますよ。あとは気性の難しさも出てきているので、そこも課題ですね。
-:日曜東京10Rの早春ステークスはジェラルド(セ7、栗東・池添学厩舎)とのコンビ。前回は勝利に導かれましたね。
圭太:前回はスペースも空きましたが、スムーズな競馬が出来ました。ベテランの年齢といえますが、まだまだ活気のある雰囲気でしたよ。
-:3角からは促しつつの競馬でしたね。
圭太:そうですね。追って味のあるタイプといいますか、そんな競馬になりそうです。
-:先週の話題も触れさせてください。サトノキングダム(牡3、美浦・国枝厩舎)はデビュー2連勝を決められましたね。
圭太:新馬戦よりずいぶん乗りやすさが出ていましたね。課題だったゲートもこなして、二の脚も良かったです。
-:着差は僅かでしたが、ラストもキレましたね。
圭太:良い脚でしたね。次は弥生賞(G2)と聞いていますが、1F距離が延びてもこなしてくれましたし、楽しみです。

-:ファントムライト(牡7、栗東・藤原英厩舎)は惜しい競馬でした。勝ったかと思ったのですが。
圭太:直線でケツァルテナンゴに先に抜けだされる格好になったのが惜しいですね。良い競馬は出来たと思うのですが、惜敗続きだったので、何とか勝たせてあげたかったのですが。
-:しかし、これで負けたら、という競馬でした。ちなみに、金曜からの雨の影響もあったかと思いますが、馬場状態はいかがでしたか?
圭太:幾らか緩さが残っていましたね。そういう意味では、ファントムライトにプラスでした。しかし、ケツァルテナンゴも以前、乗せていただいていて「こんな馬場は合うんだろうな」と警戒していましたが、その通りになってしまいました。
-:他に気になったのはマッチレスヒーロー(牡5、美浦・金成厩舎)ですが、東京替わりがプラスに働くと思いきや、あと一歩でした。距離が千四だったことはいかがでしたか?
圭太:距離自体はこなせると思います。最後も良い脚を使っていますからね。厩務員さんの話では、今回の仕上がりがもう一つだったようで、間隔が開いた分かなと思います。十分にクラスのメドは立てているので、次は決めたいですね。

-:最後に今年は18勝を挙げて、リーディング2位ですね。決して人気馬ばかりに騎乗されているわけではないですし、中身が濃いかと思うのですが。
圭太:いえいえ、勝っているレースはいずれも返し馬の時点で「今日は良い雰囲気だな」と感じていて、それが結果になっているだけです。決して騎手の力で勝っているレースはありませんよ。
-:いつも謙虚な戸崎騎手ですが、それでも今年はこの馬で勝つのか、と思わされるレースも多いです。
圭太:いや、そんなことはないです。もっと良くしていかないといけませんし、反省ばかりです。勝ち星のペースはマズマズかと思いますが、良いタイミングで乗せてもらっていますし、いつ良い馬が回ってこなくなっても不思議ではない時代です。気を引き締めて乗っていきたいです。
-:力強い言葉を聞けましたが、気になるのが返し馬です。返し馬で良い雰囲気を感じているということは、馬をジャッジする上で返し馬にファンの方も注目してもらったら、参考になるかと思いますが、見方を教えていただけますか?
圭太:見方?難しいなぁ~。正直いうと、馬乗りではない限り、返し馬では難しいと思いますよ。よっぽど並足の雰囲気のほうが……。
-:ということは、ファンにとってはパドック診断のほうが向いているということですね。
圭太:そう思いますよ。それに、皆さんもそちらのほうが慣れているでしょうし。
-:今週も人気薄での一発があるか、楽しみにしています。ぜひファンの方にはパドックを診た上で戸崎さんの馬券を勝ってほしいですね。
圭太:そうですね(笑)。今週も頑張ります。
※次回は2月12日(金)に公開予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。