'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
12月16日時点1567勝
現在リーディング3位!乗り慣れたパートナーで星を重ねられるか?
2016/2/12(金)
乗り難しいイメージ無し!あとは相手関係
-:それでは、よろしくお願いします。まず、重賞の話題から伺いたいのですが、クイーンC(G3)のコパノマリーン(牝3、美浦・斎藤誠厩舎)はテン乗り。一方、共同通信杯(G3)のイモータル(牡3、栗東・須貝尚厩舎)には新馬、サウジアラビアロイヤルC(重賞)と騎乗されてきていますね。
戸崎圭太騎手:イモータルの2走前は僕のミスもあり、勝ち切れず申し訳ない思いですが、最後は良い脚で伸びてくれていましたからね。当時よりも相手関係は変わってきていますから、そこがカギになりそうです。
-:その2走前は確かに刺さってしまうようなシーンもありました。しかし、前走も折り合いに苦慮していたように、乗り難しさも出てきているのかと。そこはいかがですか?
圭太:いや、そこは気にしていないですよ。確かに折り合いを欠いてはいましたが、そういうイメージはありません。距離などの適性については、まだ僕もつかみかねているところもあるので、今回で見えてくるのではないかと思っています。力関係もそうですが、そういった意味で試金石の一戦ですね。
▲5馬身差の新馬勝ち、ロスがありながらも重賞2着のイモータル 反撃なるか
-:その他、平場のレースを含め、お伺いしていきたいと思います。まず、土曜東京9R・調布特別のサンクボヌール(牝4、栗東・石坂厩舎)、最終レースのカレングラスジョー(牡6、栗東・松永幹厩舎)はいかがでしょうか?
圭太:サンクボヌールは率直に「イイ馬」というイメージですね。前走も2着に好走していたように、ここでもやれる馬だと思っています。僕が乗った2走前は少し不利もありましたが、それ以前に18頭のフルゲートで18番枠。これに尽きますね。普段から自分自身は外枠を苦にしていないのですが、それでも、この頭数だと厳しかったですね。
-:前走も差して2着でした。戦法としては同じようなイメージですか?
圭太:そうですね。末脚を活かす形だと思います。それに、東京コースも合いそうな印象です。
-:サンクボヌール、先週のリラヴァティ(牝5、栗東・石坂厩舎)と奇しくも石坂厩舎の2頭の牝馬が同じシャルール(牝4、栗東・松永幹厩舎)に敗れているんですよね。それは余談ですが、カレングラスジョーは前走も3着でした。
圭太:僕が乗った3走前に2着で期待はしていました。前走は結果的にもう一列前で運べていれば良かったかな。それでも、ラストまでしぶとく食い下がってくれましたよね。このクラスでも上位争いを続けているように、順番はもうすぐというところまで来ていますからね。
-:そして、今回はさらに300m距離が延びます。この点はいかがですか?
圭太:イイと思いますよ。前回より乾いた馬場になりそうなのも良いですね。
▲全3勝を当該コースで挙げているマリオーロ
-:日曜に目を移すと、雲雀Sはマリオーロ(牡4、美浦・斎藤誠厩舎)とのコンビ。これで6度目のタッグですね。
圭太:それに、このコースも慣れたものですよね。後ろから行く馬なので、どうしても展開には左右される面はありますが、前走も4着に来ているように能力は通用していいはずですからね。
-:日曜は全国的に気温が高いものの、雨予報も出ております。道悪の適性はいかがですか?
圭太:良いと思いますよ(3歳時に不良馬場で2着の実績)。
-:条件戦で気になる馬についても教えてください。6Rのナナイロボタン(牝4、美浦・黒岩厩舎)はダート重賞で活躍したカラフルデイズの妹。前走は休み明けながら3着に食い下がりましたね。
圭太:そうですね。東京でも勝っていますし、一回叩いたことからも、ここはと思います。距離も短くなりますが、前走は長いと思っていたほど。むしろ距離短縮はプラスですよ。
-:8Rのアルディバイン(牡5、美浦・高橋裕厩舎)は近5戦中4戦に騎乗も惜敗が続いています。
圭太:あとワンパンチという感もありますが、仕上がりが良ければというところですね。
-:ちなみに、先週の東京芝も内枠有利の傾向が続いていました。2月の東京はDコース使用で最も幅員の短い開催です。コース形態と内枠優勢は関係ありますか?
圭太:いや、それは関係ないんじゃないですかね~。少なくとも僕はそこまで気にしていないですよ。それに12月、1月と間隔が開いていて、雨も少なかったり、ひと開催だけということも影響しているかもしれませんね。
「仏の圭太?」も怒りの一戦
-:いずれにしても、内が有利なことは否めませんから、良い枠を引きたいですね。そして、土日22鞍の騎乗。リーディングも3位の現状ですが、食らいついてほしいです。続いて、先週のレース回顧もよろしくお願いします。東京新聞杯(G3)はテイエムタイホー(牡7、栗東・鈴木孝厩舎)とのコンビで5着でした。
圭太:もう少し内枠が欲しかったですね。「折り合いに気をつけてほしい」という話を受けていたのですが、それも問題なかったです。スローで流れに乗って、折り合いも克服していたあたり、枠が悔やまれるところでした。
-:ピュアコンチェルト(牝3、栗東・田中章厩舎)は6番人気と決して圧倒的な支持を集めていたわけではありませんが、見せ場なく終わってしまいました。これは不利が大きかったですか?
圭太:そうですね。3角でふっ飛ばされて、馬が戦意喪失してしまいました。普段、周りに対して怒るようなことはしないのですが、珍しく僕も怒りましたからね。それくらいでした。
-:確かに怒ったなんて話は耳にしないですね。
圭太:そうですね。もちろん不利がなければ勝っていたと断言できるレースではありませんが、あまりにも不注意だったのでね……。
-:ノボバカラ(牡4、美浦・天間厩舎)はペースが速かったものの、手応えのほど終いで粘れませんでしたね。
圭太:どうも気難しさを出してしまっていますね。昔はそんなことがなかったのですが、気難しさを出して、モタれて追えなかったほどです。能力はあるだけに勿体無いです。
▲同着Vのヤマニンシャンデル 1着同着は戸崎騎手自身、昨年の香港遠征以来となる
-:先程も話題にしましたが、リラヴァティは初コンビで2着。近走はふるいませんでしたが、良い結果でしたね。
圭太:凄く乗りやすかったですね。イメージしていたように前々運んでしぶといところを見せてくれました。
-:最後に新馬のシュナウザー(牡3、美浦・久保田厩舎)は強かったですね。2頭で後続をちぎっているように、ここでは力が違ったのかと思います。
圭太:力もありますし、競馬センスがありましたね。厩舎サイドも追い切りで能力を確認していたらしく、その通りになったかと思います。
-:さて、来週はベストウォーリア(牡6、栗東・石坂厩舎)と挑むフェブラリーS(G1)など力の入るところ。そして、松田宣浩選手との対談も公開させていただきました。次週の取材もよろしくお願いします。
圭太:ハイ、よろしくお願いします。
※次回は2月19日(金)に公開予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。