'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
【ヴィクトリアM】ストレイトガールと連覇なるか!?そして、ダービーへ!
2016/5/13(金)
連覇へ現役続行のストレイトガール その勝算は?
-:先週はスマートオーディンで京都新聞杯(G2)を制し、重賞連勝!ダービーへ向けて弾みをつけましたね!
圭太:ありがとうございます!コーナーが4つの競馬、距離などを克服してくれて、楽しみになりました。京都も以前2着に敗れたコースでしたが、こなしてくれましたからね。
-:少々、ポカがあるようなところのある馬でしたが、ここへ来ての上昇ぶりは見逃せませんね。ダービーへ向けての展望は、レース当週に詳しく話は伺わせていただきますが、簡単に見通しとしてはどんな心境ですか?
圭太:チャンスのある一頭だとは思います。今まで観てもらった通り、ある程度、競馬の形が決まっているので、そこが強みでもあり、ウィークポイントでもあるかもしれませんね。追い切りに乗る予定はないのですが、一応、レース当週は栗東で会見などは出ようと思っています。馬の気配もそこで確認できるんじゃないかと思います。
-:いずれにせよ、再来週へ向けて楽しみが膨らむばかりですね!一方、NHKマイルC(G1)のイモータルは11着。残念な結果に終わってしまいました。
圭太:ここでも口にはしましたが、やはりまだ先々の馬なのかなと、終わってからより思いました。僕も皐月賞よりはNHKマイルCが合うんじゃないか、と進言させてもらったのに、結果が出せなかったのは申し訳ないのですが、現状はもう少し距離があってもいいのかもしれませんね。
-:となると、マイルは厳しかったと。
圭太:ええ。ゆったりとした競馬ではないと現状は厳しかったですね。勝つために良いポジションはとれたのですが……。
-:左回りは崩れていなかっただけに、ここまでの大敗は予想していませんでした。今週はヴィクトリアマイル(G1)でストレイトガールとのコンビ。連覇が懸かる一戦ですね!
圭太:前走は前が残るペースだったにせよ、あれだけ失速してしまったことはショックですね。ただ、藤原先生ならば、大きく馬を変えてきてくれるのではないかと信じています。前回を度外視して乗りたいと思います。
-:前年度の覇者でありながら、大本命と目されているわけではありませんが、昨年と今年ではメンバー構成も流れも変わってきそうです。どんな形がベストですか?
圭太:先生とも話してはいますが、ペースは流れてほしいですね。差しの利く競馬がベストです。昨年も後続がなし崩しに脚を使わされる独特なペースでしたが、それでも、瞬発力を見せて、一時はダメだと思ったところを差してくれましたし、スプリンターズSも良いキレ味でした。それに、先週までの競馬を見ると、枠なり位置取りも求められそうですから。
-:その先週は内を通った馬が目立つ馬場でしたね。もちろんこれまでのように、週が替わってガラっと変わることもありそうですが……。
圭太:そうですね。まあ、去年は千二でも勝っていますが、もともとはマイルのほうが競馬はし易いと思っていたので、そこも期待しています。せっかく引退を引き延ばして、ここまで来ましたし、また一緒にレースへ迎えることが嬉しかったですから。関係者の思いに応えたいです。
-:健闘を祈ります!土曜の競馬から、最終レース(4歳上1000万下)のディアデルレイはダートに替わりますね。
圭太:ええ。初ダートですが、聞くところでは調教のダートの動きも良いらしいですね。
-:以前、この馬の話を伺った際、時計のかかる芝がベストと言っていたので、そういう意味でも適性がありそうですね。
圭太:そうなんですよね。芝では2勝させてもらった馬で、ダートに替わっても期待したいです。
-:同じく土曜2R(3歳未勝利)のリアリゾンルレーヴ、5R(3歳未勝利)のルールブリタニアはいかがですか?
圭太:リアリゾンルレーヴは新馬から期待していたのですが、厩舎スタッフも手を焼くほど気難しい馬らしいですね。でも、ここ最近は安定してきて、前走も2着と結果を残してくれました。引き続き楽しみですよ。ルールブリタニアはヴィクトリアMにも出るミッキークイーンの全妹ですよね。一度叩いてどう変わり身があるか、その上積み次第です。しかし、良血に違わぬ良い馬ですよ。
-:日曜に話題は移りますと、テレ玉杯のデルフィーノはこのコーナーでも何度か話題にしてきましたね。
圭太:ええ。東京の方が良いとは話したと思いますが、前走が負けすぎなのは気になりますね。馬そのものは良い意味で状態の波がなく、いつも安心して乗れるのですが、このクラスでは壁があるのかどうか。ちょっと疑り深くなってしまいますが、競馬って色々な要素でガラっと変わってしまうものだと、改めて感じさせられました。
-:以前も中山で3着があり、広いコースが向いているからといって、そこまでやれないことはないだろう、と思っていただけに前走は驚きでしたが、改めて見直したいですね。4R(3歳未勝利)のミスドバウィはどうでしょうか。
圭太:新馬、未勝利と乗せていただいて、ダートでも良いんじゃないか、なんて話をさせてもらったんです。その点、前走はダートで大敗してしまって、申し訳なかったのですが、今回はまた芝に戻りますからね。改めての思いです。
重賞でも通用の手応え感じたアポロケンタッキー
-:先週のその他のレースもよろしくお願いします!アポロケンタッキーは条件戦勝ち以来の騎乗でしたが、ここでも連勝を伸ばしましたね。
圭太:ずいぶん前より良くなっていますね。僕が乗った時もそこまでではなかったのですが、前走、前々走と観ても、レースぶりが良くなっていることは感じていました。もちろん乗った感触も成長を感じましたよ。
-:レースは人気を分け合ったドコフクカゼが引っかかって早目早目の競馬になったことはしめしめ、といったところでしたか?
圭太:いや、むしろあんまりついて行きたくないし、逃せられないし、こちらとしてはやり辛かったです。ただ、それも杞憂に終わって、ここでは力が違いましたね。流れ云々ではなく、完勝でした。
-:ここへ来て連勝でもう重賞に挑戦する以外は行き場のない状況と言えますが、レース条件的には長丁場を選んでいます。ダートでありがちな1800m以下の条件では厳しそうですか?
圭太:いや、ここ最近のレースぶりなら大丈夫だと思いますよ。
-:ダートの新星となるか、重賞制覇も目前といった雰囲気ですね。マラムデールは大接戦でした。
圭太:新馬で乗せていただいて、当たり前なのですが、成長していると感じました。レースぶりも良く、リズム良く走って、終いもしっかりしていましたからね。だから昇級でも勝てたんだと思いますよ。
-:同じく松田国英厩舎のプロクリスは惜しい3着でした!
圭太:こちらも以前、東京で勝たせていただいて好きな馬なのですが、もう少しでしたねえ。ただ、マイナス14キロは正直気になりました。女の子だけに、そこは気になりますよね。
-:そして、次週はオークス(G1)!チェッキーノとのコンビですね。続く日本ダービー(G1)のスマートオーディンと牡牝クラシック連勝となるよう願ってます。
圭太:ええ、桜花賞馬がいなくなったことは残念ですが、チャンスはあると思います。気を引き締めて頑張ってきます!
※次回は5月20日(金)に更新予定です!
ともにダービーへ挑むことになった松田国英調教師(左)と
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。