'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月4日時点1555勝
ストレイトガールで連覇達成!チェッキーノでG1連勝目指す!!
2016/5/20(金)
ヴィクトリアマイルで連覇達成!
-:まず、先週のヴィクトリアマイル(G1)をストレイトガールで連覇!おめでとうございます!
圭太:ありがとうございます。
-:今だから言えますが、決して強気なトーンを感じてはいなかったので、ビックリしました。勝ちタイムも着差も7歳牝馬とは思えぬもの。凄かったですね。
圭太:ハイ。前走が前走だけになかなか強気にはなれなかったのですが、変わってくるだろうと信じていたとはいえ、厩舎の仕上げも凄いですし、馬も素晴らしいですね。ペースが向いたにせよ、強い競馬で頭が下がる思いばかりです。
-:昨年はある程度、流れに乗りつつ差し切りましたが、今年は戦前のお話の通り、差しに徹されましたね。そこも勝負の分かれ目だったかと思います。
圭太:先生とも作戦を考える中で去年と同じ競馬をしていたら、良さが出ないんじゃないかという見解でした。スタートも良かったですし、普通ならば流れに乗って行くべきなのでしょうが、そこは我慢しました。
-:もちろん差す形を決め打ちしておいて、流れが向いた事実もあるのでしょうが、それにしても強かったです。あれならペースが遅かろうが勝っていたんじゃないかと思うほどです。
圭太:内もなぜかパカーンと開きましたが、強かったですね~。あんなパフォーマンスで走れるあたり、思っていた以上に並大抵の馬ではないのだなと感じましたね。
-:そして、僕は検量室前でチェック出来ませんでしたが、ウイニングランも決まったようですね。思えば、去年は大波乱もあって、お客さんのリアクションが薄かったと話していましたが。
圭太:今年は……どうなんですかね(ニヤリ)?
-:レース後のインタビューなども安田記念で初めてG1を勝った時とは大違いかと。安田記念の時はウイニングランもお辞儀をしながらという珍しい動作だったのが懐かしいです。
圭太:まあ、そこは経験ですか(笑)。ハハハ。
距離克服に手応えアリ!チェッキーノと初コンビ!
-:さて、今週はオークス(G1)。テン乗りとなるだけにジョッキーからすると未知数な部分の大きいチェッキーノですが、最終追い切りに騎乗されましたね。
圭太:血統的にも落ち着きが課題のタイプとはイメージしていましたが、これだったら折り合いはつくのかなと思います。オットリしていて、ユッタリとしたトビのタイプですね。
-:前走で2000m戦もこなしていますから、距離克服に対して、他馬よりもアドバンテージはありそうですね。枠は7枠13番となりました。こちらはいかがでしょうか?
圭太:内でゴチャついてモマれるようなことにならなければ、と思っていたので、むしろ良いんじゃないかと思っています。前走も大外枠で勝っていますからね。デビューからここまで底をみせていない点も好感ですし、ローテーションも余裕があるので、楽しみですよ。
-:もともと戸崎騎手も外枠の時こそ結果が出るイメージですものね。ライバルとしては、一部報道では一強ムードとされるシンハライトがいます。
圭太:手強いですよね。ただ、この時季の女の子ですから、どんな馬が台頭してきてもおかしくない。そう気を引き締めていきたいです。
-:レースへ向けての意気込みもお願いします!
圭太:先週G1を勝った勢いで、と言いたいところですが、あくまでレースも違いますし、馬も違うので関係のないところ。初めて乗せてもらう馬で、これだけの実績馬。期待に応えたいと思います!
-:その他のレースの話題もよろしくお願いします。まず、個人的に期待しているのが土曜東京6R(3歳500万下)のスカイドラゴンです。前走が不可解な敗戦だっただけに、そこが気になりました。
圭太:ああ、能力はある馬ですね。ただ、前回はどうも調子が勝った時より落ちている印象でした。能力どおりならば、あんなことにならないと思いますよ。東京で勝った時は楽なレースでしたからね。
-:その勝った条件に戻ることも好感ですね。カーネーションCのクィーンズベスト、是政特別のトウカイトレジャー、8R(4歳上500万下)のフローラルダンサーといかがでしょうか?
圭太:クィーンズベストは僕が乗った時は後から聞けばフケがあったようですね。力は上位だと思いますよ。今年5走目ですから、良い状態をキープしていてほしいですね。トウカイトレジャーはダートもこなせなくはないのでしょうが、まずはこのクラスでどこまでやれるかな?というところです。初ダートが良い方に出てくれれば。フローラルダンサーはモマれ弱さもあるので、すんなり行ければ前回のように上位に来ても。ただ、勝ち切るまではどうかな?とも思います。
-:日曜は乗り数も少なめで、テン乗りばかり。珍しく話題にできるところが少ないのですが、丹沢ステークスのオーサムレジェンドは2度騎乗されています。
圭太:2度乗って、ダメでしたね……。僕とは相性が悪いのかもしれません。それは冗談ですが、能力はあると思うんです。先生とも前々で粘り込むような競馬が良いんじゃないかと話していたので、今回はそんなレースになると思いますよ。理想通りに運べれば、昇級でも悪い競馬にはならないと思いますよ。
いよいよ次週はダービーへ!
-:そして、先週はソルティコメント、ディアデルレイなどで勝たれましたね!
圭太:ソルティコメントは初騎乗でしたが、その前のレースで強い競馬をみせたとおり。ああいう形でレースが出来れば、昇級でも通用しておかしくないと思っています。まだまだ楽しみですよ。ディアデルレイはダート替わりもマイナスにはならなかったですね。スタートも良くて、砂をかぶらない展開でした。
-:ディアデルレイはブリンカーをつけたそうですが、そこはいかがでしたか?
圭太:これがダートならちょうど良かったですね。芝だと少し一生懸命になり過ぎるかな、と思ったので。しかし、快勝でしたね。
-:当欄では何度か話題にしているデルフィーノはいかがでしたか?
圭太:スローでも対応出来る馬ですが、位置取りがあれだけ後ろになってしまうと、あのペースでは厳しかったですね。ただ、理想は多少流れたほうが良いですね。東京コースに戻って巻き返してはくれましたが。
-:意外だったのが京王杯スプリングC(G2)のサンライズメジャーです。
圭太:外枠と他馬との出方を観て、あの形になりました。後方からでしたが、集中して走ってくれましたよ。勝てはしませんでしたが、良い走りをみせてくれました。
-:ここまで注目していた馬だったのですが、新味を引き出す結果になりましたね。驚きました!ちなみにストレイトガールは安田記念も視野に入れているような報道を目にしました。
圭太:そうですね。ただ、状態を注視しないといけないと思うので、流動的なはず。出走となれば、乗せてもらうことになるのでしょうが。
-:そして、来週はいよいよ日本ダービー(G1)。水曜日は栗東に赴いて、会見に臨まれるそうですね。
圭太:スマートオーディンの追い切りにも乗ってもらうよう言われたのですが、僕が乗ると動き過ぎてしまうので……。それに助手さんも折り合いがつくよう上手く調教してくれているようで、乗らなくて良いんじゃないかと思っています。
-:その来週はイベントにも出演されるそうで。
圭太:ええ。赤坂サカスでしたっけ?ええ、呼ばれました。
-:あまりイベントに出られることも珍しいので、ファンの方はぜひお集まりいただければと思います。そして、次週は週はじめ、週末と2度、お話を聞かせていただく予定。多忙なところ恐縮ですが、よろしくお願いします!
圭太:頑張ります!
※次回は「ダービーSP増刊号」として5月25日(水)、27日(金)と2度にわたって更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。