'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
12月16日時点1567勝
日本ダービーは5枠10番に決定!スマートオーディンと最高のパフォーマンスを誓う!
2016/5/27(金)
追い切り、枠、思惑通りに進み、さあダービーへ!
-:今週は2度目のインタビューとなります。度々恐縮ですが、よろしくお願いします!
圭太:よろしくお願いします。
-:では、水曜日は栗東トレセンへ向かわれ、スマートオーディン(牡3、栗東・松田国厩舎)の最終追い切りにも騎乗されましたね。
圭太:ええ。結果的には乗ることになりました!正直、僕が乗ると、動きすぎてしまうので懸念していましたが、むしろ乗って良かったですね。
-:おお、その良かった部分も教えてもらえますか?
圭太:追い切りに乗るのは3度目でしたが、毎度、走る気満々。元気があり過ぎるはずなのに、今回は凄く落ち着きがありましたね。「この雰囲気ならば、時計もそんなに出ていないのかな?」と思ったのですが、上がりも12秒台を切っていて、流石だなと思わされました。良い意味で折り合いが付きながら、雰囲気も良かったですね。
初めて調教に乗った時は折り合いもどうなのかな?と思っていましたが、スタッフの方も懸命にケアされてきているようで、進境が窺えますからね。今回も中2週なので、テンションが上がらずに行ければいいなと思っていましたが、落ち着きもあって、不安なく向かえそうです。
-:状態面という一つの条件もクリア出来ました。そして、枠ですが、「どこでも良い」くらいのお話でしたが、やはり多頭数のコース替わり。内枠が良いんじゃないかと思っていました。
圭太:ええ。5枠10番ですか。どこでも良かったのですが、良い枠じゃないですかね。
-:さらにこの並びを観て、レース展開はどうなりそうですか?
圭太:もちろん色々なパターンを考えないといけないのですが、ある程度は落ち着きそうですよね。
-:となると、これまたスマートオーディンにとっても理想的になりそうですね!では、最後に、レースへ向けての意気込みもお願いします。
圭太:ここまで良い形で連勝して臨めますからね。当日は好天が予想されていますし、お客さんも沢山入ってくれるはずの好メンバーです。皐月賞組の4強は手強い相手ですが、スマートオーディンも未対戦ですからね。この馬もスイッチが入れば、良い脚を持っていますからね。連勝してきて、手応えを掴めていますし、僕も最高のパフォーマンスを誓います!
スマートオーディンの最終追い切りに騎乗する戸崎騎手
次週は鳴尾記念でステファノスとのタッグ!
-:ありがとうございます。では、今週のその他の馬の話題、先週のレース回顧で触れていない部分もお願いします!まずはダービー直後、薫風Sには当欄ではお馴染みのマッチレスヒーロー(牡5、美浦・金成厩舎)が出ますね。
圭太:う~ん、ちょっと難しい馬で、何か勝つ時は、道中から引っ張りきれない勢いで行くのですが、前走なんかは全く進んで行かなかったです。すごく落ち着いていることは本来、良いのでしょうが、それが良いのか悪いのか……。
-:乗られていなかった2走前は、芝スタートが悪かったのかなという気がしたのですが、前回を観ると、そういう理由でも雰囲気でしたね。
圭太:そうですね。
-:クラスの壁なのか……というところでしょうか?
圭太:いや、もう走りっ振りが違うので。そういうところじゃなくて、馬の気持ちですね。終いはあれだけ来られているので、当日の雰囲気と、どうやって乗ろうかなというところです。もともと難しさはあったらしいのですが、これだけ変わるのは僕の経験では、今までないですね。
-:青嵐賞のレイズアスピリット(牡5、美浦・上原厩舎)は前回3着でしたね。
圭太:これも随分と折り合いを欠くタイプだったようなのですが、前走は気にせず行ったら、馬群でも許容範囲でしたね。チャンスはあるかなと思っています。
-:富嶽賞のラテラスは前回がまさかの大敗でした。力はあるはずなのですが、意外でした。
圭太:凄く(手応え)良く4コーナーまで行ったんですけどね。直線は全然反応がなかったので、原因不明です。なんとも答えようがないのですが、ただ、乗り味はすごく良いですよ。
-:続いてレース回顧ですが、メイSのロジチャリス(牡4、美浦・国枝厩舎はいかがでしたか?
圭太:初めての騎乗で、追い切りも乗ったこともないし、未知数でしたが、映像を観ている限りではレースセンスは感じていました。ただ、あまり気持ち良く走らせても、終いが甘くなりそうで、後ろからビュッと切れる感じもなさそうだったので、そんなイメージ通りで行けたかなと。
-:もともと2歳時から良い相手と走っていて、もう少し出世するのが早いのかなと思っていたのですが、ようやく噛み合いましたね。
圭太:そうですね。昔は気性もヤンチャな部分もあって、そこが解消されて、集中して走れるようになったんじゃないですか。
-:カーネーションCのクィーンズベスト(牝3、栗東・大久龍厩舎)はレース数を使っているので、どうなのかな?と思って観ていました。
圭太:正直、僕もそう感じていたのですが、素晴らしいですね。立て直しているといいますか……。僕が中山で乗せていただいた時に、硬さもちょっとあって、雰囲気が?な感じだったので。でも、聞けばフケだったらしいんですよね。ただ、すごいメンバーとやってきての好走の実績もありましたし、改めて乗せてもらって良くなっていて、キャリア通り走れる馬だなという感じでしたね。
-:一連の中でもシッカリと状態をキープできているということが凄いですね。
圭太:そうですね。これだけやってきて、スタッフも馬もすごいですね。
-:しかも、輸送もあった上で。
圭太:そうそう。やはり良いモノは持っていますね。
-:そして、丹沢Sのオーサムレジェンド(牡4、栗東・藤原英厩舎)は4着でしたね。
圭太:僕は、前々走で乗せてもらった時に、ちょっと前に壁をつくったり、カッコ良い競馬を、という感じの乗り方になってしまいましたが、それだと馬が走りきれないようなところが見受けられました。今回は「もう(ハナに)行くか、2~3番手、前め前めで行った方が良い」というのを先生にも伝えましたね。前走は逃げ切りで強い競馬をしたので、そんなタイプの馬かなと。今回も2番手で渋太さを活かして、クラスも上がっていたので、頑張ってくれたかなと。
-:このクラスでも戦える能力がある馬ですか?
圭太:そうですね。ソコソコにはやれると。
-:同じ藤原英昭厩舎のステファノス(牡5、栗東・藤原英厩舎)ですが、今週の追い切りでも騎乗されましたね。
圭太:ええ。先生もそう言っていたのですが、力強さが出てきた印象です。まだ、重さを感じますが、今週やったことで変わってくるでしょうし、宝塚記念へ向けて良い走りをみせてほしいですね。
-:好相性の藤原英厩舎ですし、宝塚記念まで楽しみです!改めて今週はダービーで健闘を祈ります!
圭太:頑張ります!
※次回は6月3日(金)の更新です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。