'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
上昇一途のステファノスと宝塚記念へ!下半期も「自然体」でベストパフォーマンスを誓う!
2016/6/24(金)
好条件ズラリ!ステファノスと上半期の総決算へ!
-:今週は宝塚記念(G1)でステファノス(牡5、栗東・藤原英厩舎)に騎乗!昨日は栗東で追い切りにも騎乗されました。まずはその感触から教えていただけますか?
圭太:はい、よろしくお願いします。併せ馬で前の馬を追いかける形でしたが、力まずに集中していましたよ。確実に上積みはありますね。フットワークもいいですし、本当に状態は上向いていると思います。
-:前走との比較でいえば、前走はプラス9キロの馬体重でした。
圭太:目方の通り、今回へ向けて余裕を残した状態だったと思うんです。前哨戦ですし、ひと叩きした期待は出来ますね。480キロ台の馬体重も久々だったのかな。
ステファノスの最終追い切りに栗東トレセンへ駆けつけた戸崎騎手
-:3歳時以来の馬体重だったようですね。それに香港帰り、半年ぶりでしたからね。その前走はレコード決着の中、クビ差の2着でした。勝ち馬とは枠や通った差を考慮すれば、悪いレースではなかったと思います。
圭太:前にも言ったかもしれませんが、もともと枠に左右されやすいタイプだと思うんです。と言うのも、二の脚がつかないところがあって、ある程度、内枠がとれないと少し後手後手になりますね。レースも外枠でキツい条件ではありましたし、勝った馬も内々を上手く回っていましたよね。こちらは最後、ジリジリとなったところは休み明けの分でしょうから。
-:その点、今回は4枠8番と良い枠をとれました。そして、宝塚記念では恒例といいますか、週末は馬場も悪化しそうですね。
圭太:パンパンの馬場よりは周りが嫌がるような馬場、力のいる馬場はむしろ良いでしょうからね。それは去年の香港や中山記念でも証明している通りだと思います。
-:血統的にも母父クロフネですものね。ここまで伺う限り、状態・枠・馬場といい条件は揃いましたね。
圭太:そうですね。鳴尾記念の前からも、ここは良いんじゃないかと思っていましたが、思っていたように揃いましたね。展開的にも逃げ馬が内に入ったので、すんなり収まるのかな?そこは当日の雰囲気次第だったりもするのでしょうが、楽しみです!まあ、前からも宝塚記念は良さそうですね、なんて何度も言われていたかと(笑)。
-:ええ、しつこく言っておりました(笑)。今年はショウナンパンドラやミッキークイーンの参戦がならなかったのは残念ではありますが、頭数も揃いましたし、良いメンバーも揃いましたよね。
圭太:ドゥラメンテを筆頭に良いメンツですよね。相手は手強いと思いますが、適性の差でなんとか迫りたいですね。
-:それでは、最後に宝塚記念への意気込みを聞かせてください。
圭太:繰り返しになりますが、好メンバーも揃いましたからね。ステファノスの調子は上がってきていますし、いい騎乗をしたいですね。日曜は雨が上がるのかな?競馬場に足を運んでほしいです。
東京・阪神でさらに勝ち星を!
- -:今週の平地重賞はひと鞍のみ。その他の話題もお願いします。同じく日曜阪神から、皆生特別のスノーエンジェル(牝4、栗東・浅見厩舎)、花のみちステークスのスノーモンキー(牡6、美浦・相沢厩舎)はどうでしょうか?
圭太:スノーエンジェルは前回が降級でしたが、いい勝ち方でしたね。かといって、ここが期待できないわけではありません。軽ハンデですし、楽しみですよ。スノーモンキーは気性的に内枠が引けないとダメなタイプ。馬群の内で闘志を掻き立てられるような展開になってほしいですね。休み明けのようですが、もともとは仕上がりに手間取るようなタイプではないので。
-:スノーモンキーはダート馬としては小柄ですものね。新馬以来となる城崎特別のギモーヴ(牝3、栗東・池添学厩舎)はどうでしょうか?
圭太:正直、久々ですし、キャリアも浅いので、そこまで特徴を把握できていませんが、悪くなりそうな馬場なんかもこなせると思いますよ。
-:新馬以来という点は土曜東京の八ヶ岳特別からバンゴール(牝4、美浦・尾関厩舎)も同じですね。
圭太:そうですね。他のジョッキーが乗っているところを見ると、競馬もずいぶん上手になってきた印象です。勝って同条件ならば、力の入るところです。
-:同じ馬主さんでもある、土曜最終(3歳上500万下)のワンブレスアウェイ(牝3、美浦・古賀慎厩舎)はどうですか?
圭太:先生によれば、状態もいいとのこと。期待できるんじゃないですか。
充実の日々 夏競馬も健闘を誓う!
-:先週の話題も聞かせていただきたいのですが、函館スプリントS(G3)のオデュッセウス(牡3、美浦・手塚厩舎)は7着。残念な結果でした。
圭太:久々の千二ですかね。う~ん、期待はしていたのですが、どうも距離・ペースに対応できませんでした。
-:2歳夏以来の千二でしたね。やはり1200m戦は特殊なので、そこの適性というものはやはり大事ですね。ちなみに、開催前は芝の状態が悪い、なんて話も耳にしていたのですが、いかがでしたか?
圭太:他のジョッキーからも声があがっていたのですが、馬場はずいぶんいいですね。水はけなんかも良くなって、時計は出ているのですが、馬へ負担が掛からない馬場だと思いますよ。僕が函館で乗るのは相当久々で、当時はぐちゃぐちゃの馬場だったので、比較はつきませんが。
-:函館SSもレコード決着だったように時計は出ていましたね。同じく函館のテオドール(牡3、美浦・国枝厩舎)はどうでしょうか?
圭太:これは滞在が良いほうに出たと思います。ここでもテンションが課題と言いましたが、落ち着いていましたからね。順当でしたよ。
-:パドック映像などを観ても、うるさそうには感じなかったのですが、そこは良かったのですね。サトノファンタシー(牡3、栗東・松田国厩舎)はどうですか?
圭太:これは良い馬でしたね。テン乗りでしたが、好印象でしたよ。千四などを使っていて、勢いよく走っているイメージでしたが、上手く折り合いもつきました。我慢も効きましたし、能力をみせられました。
-:ローカルの千七は千四を使っている馬でもこなすことはありますが、こちらも距離を克服していましたね。そして、モンドキャンノ(牡2、栗東・安田隆厩舎)は快勝でした。
圭太:人気どおりにここでは力が違いましたね。まだ緩さは残っているのですが、直線でギアが入ってからはいい走りでしたよ。次も乗せてもらう予定ですが、楽しみな存在です。
-:いつも期待のコメントが弾むテンダリーヴォイス(牝4、美浦・萩原厩舎)ですが、4着でした。
圭太:レースに行くとモマれ弱さをみせてしまうのですが、今回はそういう面もみせず、克服してくれました。敗れはしましたが、次へ向けて、手応えを感じられました。
函館2歳Sへ好発進のモンドキャンノ
-:そして、今週で上半期も終了。まだわかりませんが、リーディングで折り返し地点を迎えることになりそうです。
圭太:先週も話しましたが、いい形で乗れていますし、自分の中でも以前よりも成長はできていると思います。昔はあたふたしたようなところもありましたが、そういうところもなく、日々の競馬に挑めています。もちろんこれは僕がどうこうというよりは、周りの人の支えがあるから、そうなっているのだと感じますし、どこか欠けたらなかなか思うようにはいかないもの。初心を忘れずに、一つ一つのレースを大事に乗っていきたいですね。
-:アンカツさんも「今年の上半期は戸崎騎手がMVPだ」と言っていたそうです。今週で宝塚記念も終わり、競馬のサイクルとしては、注目度が下がる時季でもあると思います。そこでのモチベーションの変化はありませんか?
圭太:勝己さんの言葉はありがたいですね。モチベーションについては、そういうところはないですね。とにかく今はレースの大小に関わらず、どのレースにも「平均的」、と言ったら語弊がありますが、満遍なくモチベーションを保って挑めていると思うんです。自然体と言いますか。マスコミの人が大きいレースに注目するのは当然のことですし、異論は全くないですよ。それは当たり前のことなので。だからといって、僕からすると、どのレースもそこまで差がないというか。
「トレーニングの仕方は少し変えていますね。騎手ってパワー・筋力があるだけでは良い訳ではないと思うので、そこは変えているところです。これが正解だと明言はできませんが、それも上手くハマっているのかな?」
-:それはリーディングを狙う上ではいい心構えですよね。
圭太:そうかもしれませんね。とにかくいつも似たようなことは言ってすみませんが(笑)、それは忘れちゃいけないですし。それに、今が本当に充実していますから、感謝の念を忘れずに毎週頑張りたいですね。そして、もっと上手く、上を目指さないと。
-:飽くなき向上心ですね。ここ最近で技術向上のために工夫されていることはありますか?
圭太:トレーニングの仕方は少し変えていますね。騎手ってパワー・筋力があるだけでは良い訳ではないと思うので、そこは変えているところです。これが正解だと明言はできませんが、それも上手くハマっているのかな?あと、歯の矯正も表側は外れましたが、噛み合わせなんかも良くなっているでしょうし。そこらへんは20年後くらいですか、伝記?自伝?を書く機会があれば、詳しく記しますよ(笑)。
-:現役騎手でも本を出している人はいますが、ずいぶん先ですね。その際は僕にお任せください。
圭太:ハハハ、具体的に考えているわけじゃないので(笑)。
-:この夏も今のリズムで好プレーを期待していますね。来週は土日で福島。ラジオNIKKEI賞(G3)のゼーヴィント(牡3、美浦・木村厩舎)など期待しています!
圭太:ありがとうございます。
※次回は7月1日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。