'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
勝利数
11月18日時点1558勝
ラジオNIKKEI賞をゼーヴィントで勝利!七夕賞も有力馬に騎乗!
2016/7/8(金)
日曜は一気の4勝!福島攻略に活路
-:まずは、先週はラジオNIKKEI賞(G3)をゼーヴィント(牡3、美浦・木村厩舎)で制覇!おめでとうございます!
圭太:ありがとうございます!
-:先週も福島コースに対する課題や意気込みを語っていただきまして、土曜は未勝利に終わったので、やはり苦戦されているのかな、今までの流れが悪くなったのかな……と少し心配してしまったのですが、それも杞憂に終わりましたね。
圭太:ハハハ。まあ、土曜は結果が出せなくて、関係者やファンの皆さんには申し訳ないのですが、そう悲観はしていなかったですよ。手応えと言いますか、思うところはありましたね。
-:おお、そうだったんですね。
圭太:というのも、福島って、もしかしたら「日本で一番難しいコース」だと思うんです。土曜メインのドラゴンストリート(牡5、栗東・藤原英厩舎)では詰まってしまい、4着でしたが、勝つ競馬をするにはああいう結果もありうるんです。それは、展開・ペース・馬群の流れ・枠……そして、運。特に運も大きいなと。だから、普段の行いは良くしないと(笑)。
-:運ですか?
圭太:まあ、そこは少し冗談もありますし、前が詰まって「何であんな競馬になるんだ」と思う人もいるかもしれません。でも、それを後方から外を回っていたら、まとめて差し切れるか?と言ったら、力が突出していない限り、開幕週の馬場では簡単ではないですからね。言い訳ともとられるかもしれませんが、勝つためにはリスクもありますし、こういう競馬をしていかないといけないと、開き直って思えるようになりましたね。その点、ラジオNIKKEI賞なんかはペースが道中で流れてくれた分、最後もスペースが空きましたから。一方でドラゴンストリートのレースは流れも遅くてスペースもなかったですから。
-:もちろん芝のレースは開催後半になれば、馬場も荒れてくるでしょうし、勝手は変わるはずですが、小回りだけにそういう僅差の争いの中でやっているわけですね。
圭太:ええ。僕も地方競馬出身で「小回り」には慣れていますが、そんなことだけじゃなく、福島は違いますね。
-:そして、今年は最も乗鞍がありながら、制裁点ゼロとのこと。
圭太:そうですね。いいことだとは思うので、そこは継続していきたいです!
早くも年間100勝にリーチ!スピード記録なるか!?
-:そして、今週は七夕賞(G3)のアルバートドック(牡4、栗東・須貝尚厩舎)を筆頭に土日で福島での騎乗です。七夕賞はJRAに移籍してからは初めての騎乗なんですね。
圭太:そうですよね。いつもプロキオンSに乗りに行っていたような。アルバートドックはテン乗りですが、乗り方には気をつけたいイメージですね。ただ、勝ち負けできる能力の持ち主だとは思っていますよ!
-:同じく日曜の天の川賞はイダクァイマ(牡4、美浦・高柳厩舎)の連勝が懸かりますね。
圭太:前走でも上にいってもイイ勝負になるんじゃないかと思っていました。陣営の聞くところによれば、モマれ弱さがあるようなので、そこは気をつけたいですね。
-:5R(2歳新馬)のキュイキュイ(牝2、美浦・手塚厩舎)、2R(2歳未勝利)のハッピーランラン(牝2、美浦・手塚厩舎)はどうでしょうか?
圭太:キュイキュイは追い切りに乗せてもらいましたが、ずいぶん真面目で気の入っている印象ですね。でも、レースに行って問題ないものですよ。僕も乗せてもらったヤングマンパワーの下らしいですが、聞けば、お兄さんも昔はそうだったらしいんです。今でこそ落ち着いていますが、そこはきょうだいで似ているんですね。ハッピーランランは前回も着順はまとめていますが、少しレース慣れというか、まだまだ成長してほしいし、段々良くなっていきそうですね。
「来年はダービーの前日、史上最速(年間100勝)を達成できるよう頑張ります!」
-:土曜に話題を移すと、阿武隈ステークスのサクラアンプルール(牡5、美浦・金成厩舎)は連勝中ですね。
圭太:中山コースで2連勝中も、少し間隔は開きましたね。どういう条件が良いのか、僕自身掴みかねているところはありますが、このクラスになると、そういう適性の差は必要となるかもしれませんね。この条件で今まで以上の相手にどこまで走ってくれるでしょうか。千八だけに、外よりは内枠がほしいですね。
-:土曜最終(3歳上500万下)のアオイオンリーワン(牡4、美浦・古賀慎厩舎)はいかがですか?
圭太:降級ですよね。前回、勝った時に上でもやれると思っていたほどで、ここなら中心ですよね。
-:土曜から勝利のチャンスはありそうですが、年間100勝に王手をかけていますよね。
圭太:ええ。どこかで自ずと決まるでしょう(笑)。
-:土曜に決まれば、史上5番目のスピード記録とのことですね。上は武豊騎手の記録ばかりですが、5番目とはいえ、そこに名を連ねることになれば、スゴいことですよね。一番はダービーの日だとか。
圭太:ああ、そうなんですか?しかし、ダービーの日とはスゴいですね……。来年はダービーの前日、史上最速を達成できるよう頑張ります!
▲6日、キュイキュイの追い切りに騎乗する戸崎騎手
祝・7月8日に36歳の誕生日!
-:前向きですねえ~(笑)。先週の話題もお願いします。話は戻りますが、ゼーヴィントは課題としていたゲートもこなしましたね。
圭太:ええ。僕が乗った時も、前走もテンションが高くてうるさいところがあったのですが、今回も返し馬ではテンションも高くてどうしたものか、ヤバいんじゃないかと思っていたほどです。でも、厩舎もゲート練習をしていただいていたようで、上手くこなしてくれましたね。
-:内枠もプラスでしたね。
圭太:福島の千八はやはり枠がモノを言いますね。素質も感じていましたし、ハンデも手頃。僕としては勝つべくして、勝てたと思います。
-:同じく日曜の新馬、バリンジャー(牡2、美浦・奥村武厩舎)は聞いたイメージでは平均的タイプなのかと思いましたが、鮮やかでしたね。
圭太:そうでしたね。ダートを除外になって、結果的に芝でのデビューでしたが、それも良かったですね。思っていた以上にセンスも良く、快勝でした。次は函館2歳S(G3)のようで、僕は乗れませんが、洋芝なんかも向くんじゃないですか?
(※同レースで戸崎騎手はモンドキャンノ(牡2、栗東・安田隆厩舎)に騎乗)
-:先ほど話題にされたドラゴンストリートですが、距離自体はこなしましたね。
圭太:そうですね。折り合いもつきましたし、むしろこの条件は力を出しやすいと思います。レース前は疑ってしまいましたが、想像以上にこの距離は良かったですね。引き続き楽しみですよ!
▲戸崎騎手も素質を評価していたゼーヴィントは鮮やかな勝ちっぷりをみせた
-:それと、今週は川崎のスパーキングレディーC(Jpn3)でヴィータアレグリア(牝5、美浦・高柳厩舎)に騎乗されましたね。
圭太:前走で重賞を制しての参戦でしたが、う~ん、この一連よりは本来の走りではなかったかもしれませんね。
-:南関東といえば、フリオーソ産駒には調教などで跨がられましたか?
圭太:いや~今のところないんですよね。でも、南関東でも活躍しているみたいで嬉しいです。土曜の福島でも芝でデビューしますよね!
-:南関東時代、名コンビを組んできた馬ですからね。その子で結果を出す時も楽しみです。そして、次週はジャパンダートダービー(Jpn1)でキョウエイギア(牡3、栗東・矢作厩舎)に騎乗されますが、紫苑S(G3)ではメジャーエンブレム(牝3、美浦・田村厩舎)とのコンビ。あのニュースには驚きました。その他の騎乗スケジュールも教えてもらえますか?
圭太:メジャーエンブレムはずいぶん先の話ですが、楽しみですよ。この後、7月は函館2歳S(G3)以外、福島になると思います。
-:あとは7月18日(祝・月)、盛岡のマーキュリーC(ソリタリーキング)ですか。
圭太:そうですね。その日は招待競走もありますね。頑張ります!
7月8日は戸崎騎手の誕生日!おめでとうございます!
お祝いメッセージは keita_tosaki@keibalab.jp で受付中!お名前(ペンネーム)・メッセージをお書き添えの上、メールでお届けください。ご本人にもお届けします!
※次回は7月15日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。